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  • 相続した農地の売り方
    相続した農地(田・畑)を売却・農地転用する方法と注意点
    農地(田んぼや畑)を相続したけれど、農業をしないので売却したい、と考えている方は、ぜひ、ご覧になってみてください。農地を相続する可能性のある方も、事前にチェックしておくことをおすすめします。農地を売却するには、農地として売る方法と、農地以外のものに転用するために売る方法があります。ただし、農地は、通常の土地と同じように売買することはできません。農地の売買や転用には、農地法上の許可を受ける必要があります。ここでは、相続した農地を売却する方法と注意点をご紹介します。農地は普通の土地のように自由に売買できない農地は「国内の農業生産の基盤」として、農地の転用や売買は、農地法により規制されています。農地売買の目的によって、農地法上の規制が異なります。農地を買う人には、2つのタイプがあります。1つは、耕作用に農地が欲しい人。農家や農業法人、新規就農者です。農地を農地として農家の方に売る場合は、農地の売買に農地法3条の許可が必要です。もう1つは、耕作用でなく、別の用途に転用したい人。例えば、住宅の敷地、資材置場、駐車場、太陽光発電所などに使いたい方です。農地を農地以外のものに転用するために売る場合は、農地の売買と転用に農地法5条の許可が必要です。まとめると、こうです。農地を買う人農地購入の目的農地法の規制農家・農業法人耕作用農地法3条の許可誰でも耕作以外の用途(宅地・資材置場・駐車場など)農地法5条の許可それでは、農地を農地として売る方法と、農地を農地以外のものに転用するために売る方法について、詳しく見ていきましょう。農地を農地として売却する方法と注意点農地を農地として売却する場合は、農地法3条(農地の権利移動の制限)により、農業委員会の許可が必要です(農地法3条1項)。農地法3条の許可は、市街化調整区域・市街化区域関係なく、すべての農地の売買において必要です。農地転用(農地法4条・5条)は、市街化区域であれば届出でよいとされていますが、農地の売買は、市街化区域であっても許可が必要ですから、ご注意ください。農業委員会の許可を受けないでした行為は、その効力を生じないと法律で定められています(農地法3条6項)。すなわち、農地法3条の許可を受けていない農地の売買契約は、無効です。農地法3条の許可は法定条件ですから、契約書に「農地法上の許可がなくても本契約の効力は生ずるものとする」などという契約条項があっても、それ自体が無効です。農地法3条の該当部分を抜粋しておきます。農地法3条1項農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。農地法3条6項第1項の許可を受けないでした行為は、その効力を生じない。農地を取得できる農家・農業法人の要件農地は誰でも取得できるわけでなく、一定の要件を満たす農家や農業法人に限られます。要件を全て満たさなければ、農業委員会の許可を受けられません。農地を取得できる農家の要件個人が農地を取得する場合は、次の要件を全て満たさなければなりません。農地のすべてを効率的に利用すること(全部効率利用要件=農地法3条2項1号)農地の取得者が、機械や労働力等を適切に利用し、耕作の事業に供すべき農地の全てを効率的に利用して耕作の事業を行うこと。必要な農作業に常時従事すること(農作業常時従事要件=農地法3条2項4号)農地の取得者が、必要な農作業に常時従事すること(原則、年間150日以上)。一定の面積を経営すること(下限面積要件=農地法3条2項5号)農地取得後の農地面積の合計が、原則50a(北海道は2ha)以上であること。下限面積は、地域の実情に応じて、農業委員会が引き下げることが可能とされています。周辺の農地利用に支障がないこと(地域との調和要件=農地法3条2項7号)農地の集団化、農作業の効率化その他周辺の地域における農地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を生じるおそれがないこと。農地を取得できる法人の要件法人が農地を取得する場合、基本的な要件は個人の場合と同様ですが、加えて、農地所有適格法人の要件を満たす必要があります(農地法3条2項2号)。農地売却の流れ一般的な土地の売買は、売主と買主が売買契約を締結すれば、その契約は成立しますが、農地の売買は農地法3条の許可が必要です。それでは、農地を売却するときの流れを見ていきましょう。買主を探す農地は、要件を満たす農家等にしか売ることができません。買主の探し方としては、3つの方法があります。知り合いの農家に聞く。農業委員会など農業関連機関に斡旋してもらう。農地の売買を扱っている不動産業者に相談する。売買契約・農地法3条許可申請買主が見つかったら、売買契約し、農業委員会に農地法3条の許可申請を行います。農業委員会に許可申請する前に売買契約することに注意してください。農地法3条の許可申請は、農地の譲渡人と譲受人が連署でしなければならないからです。譲受人が要件を満たすかどうかを審査するためです。この場合の売買契約は、農地法3条の許可を受けることを条件に、すなわち農地法3条の許可を停止条件として契約します。許可が出ると売買契約は効力を生じ、許可されないと契約は無効です。農地法3条1項では「当事者が農業委員会の許可を受けなければならない」と定めています。この当事者とは、農地の譲渡人と譲受人の両者です。所有権移転登記・代金支払農業委員会から許可が下りたら、許可書が交付されます。所有権移転登記を行うとともに、買主から代金を受け取り、農地売買は完了となります。農地を農地以外に転用する目的で売却する方法農地を、宅地など農地以外のものに転用する目的で購入を希望している人に売る場合は、農地法5条に基づき、都道府県知事等の許可が必要です。市街化区域内にある農地を転用する場合は、計画的な市街化を図り市街化を促進するという観点から、農業委員会に届出を行うことで都道府県知事等の許可は不要となります。農地転用の許可が必要な2つのケース農地転用の許可が必要となる場面は、2つのケースがあります。1つは、農地の所有者が、みずから転用する場合です。例えば、農家の人が、自分の農地を宅地として使う場合です。この場合は、農地法4条に基づき、農地転用の許可を受ける必要があります。もう1つは、農地を取得して転用する場合です。例えば、農家でない人が、農地を購入して、宅地として使う場合です。耕作用に農地を取得できるのは農家に限られますが、農地以外に転用するために農地を取得するすることは、農地法5条の許可を受ければ可能です。なお、農地法5条の許可を受けないで農地転用を目的とした農地の売買は、その効力を生じないと法律で定められています(農地法5条3項)。すなわち、農地法5条の許可を受けていない農地の売買・転用は無効です。市街化区域における届出についても同様です。農地法5条の許可(届出)は法定条件ですから、契約書に「農地法上の許可(届出)がなくても本契約の効力は生ずるものとする」などという契約条項があっても、それ自体が無効です。農地法4条、5条の該当部分を抜粋しておきます。農地法4条(農地の転用の制限)第1項農地を農地以外のものにする者は、都道府県知事(農地又は採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に関する施策の実施状況を考慮して農林水産大臣が指定する市町村の区域内にあつては、指定市町村の長。以下「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。第8号 市街化区域内にある農地を、政令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出て、農地以外のものにする場合農地法5条(農地の転用のための権利移動の制限)第1項農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のものにするため、これらの土地について第3条第1項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、当事者が都道府県知事等の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。第7号 前条第1項第8号に規定する市街化区域内にある農地又は採草放牧地につき、政令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出て、農地及び採草放牧地以外のものにするためこれらの権利を取得する場合第3項第3条第5項及び第6項並びに前条第2項から第5項までの規定は、第1項の場合に準用する。農地法の「4条許可」と「5条許可」の違いをまとめると、次の通りです。規制の対象行為許可申請者農地法4条農地転用農地転用する者農地法5条農地転用+所有権移転所有権移転を行う両当事者(売主・買主)※ 農地法5条は、所有権の移転のほか、賃借権等の設定も含みます。農地法4条は、農地の所有者が転用する場合で、転用に際して、所有権の移転はありません。許可申請は、農地の所有者が行います。農地法5条は、農地転用に際し、所有権の移転を伴う場合です。新たに所有権を取得する者が、農地転用する場合です。農地の売買と転用をセットで行うため、許可申請は両当事者が行います。農地転用の許可基準農地転用許可制度は、生産性の高い優良農地を確保するため、市街地に近接した区域の農地から順次転用していくよう誘導するとともに、具体的な土地利用計画を伴わない資産保有目的や投機目的の農地取得を認めないこととしています。農地転用の許可基準は、農地の区分ごとの許可基準である「立地基準」と、農地区分にかかわらない許可基準である「一般基準」に大別されます。農地転用の許可を受けるには、これらの基準を全て満たす必要があります。立地基準、一般基準について、詳しく見ていきましょう。立地基準立地基準は、申請された農地について、営農条件や周辺の市街地化の状況から転用の可否を判断する基準です。農地を5種類に区分し、各区分に応じて許可の判断をします。 集団的な農地や土地改良事業を実施した農地を生産性の高い優良農地として確保し、市街地に近接した地域など農業上の支障が少ない農地から順次転用される仕組みにしています。農地の分類と、農地転用の許可基準(立地基準)は、次の通りです。農地区分農地の概要転用許可基準農用地区域内農地市町村が定める農業振興地域整備計画において農用地区域とされた区域内の農地(通称「青地」)原則不許可甲種農地市街化調整区域内の特に良好な営農条件を備えている農地・農業公共投資後8年以内農地・集団農地で高性能農業機械での営農可能農地原則不許可第1種農地良好な営農条件を備えている農地・集団農地(10ha以上)・土地改良事業対象農地・生産力の高い農地原則不許可第2種農地土地改良事業の対象となっていない小集団の生産力の低い農地や、市街地化が見込まれる区域内にある農地第3種農地に立地困難な場合等に許可第3種農地市街地の区域内または市街地化の傾向が著しい区域内にある農地原則許可立地基準は、農地転用を農業上の利用に支障が少ない農地に誘導する基準です。農業上の重要性が高い農地ほど転用が厳しく制限されます。表の下へ行くほど緩くなります。農用地区域内農地は、原則不許可です。農用地区域内農地を農地転用するには、、まず農振除外(農業振興地域整備計画を変更して、農用地区域から除外すること)を行い、その後、農地転用の許可を受けることになります。農振除外を受けるには、要件を満たさなければなりません。あなたの農地が、例外的に農地転用が許可される要件を備えているかどうかは、農地転用に詳しい行政書士や土地家屋調査士に相談してみることをおすすめします。甲種農地・第1種農地は、原則不許可ですが、次のような一部例外として農地転用が許可される場合があります。農業用施設、農産物加工・販売施設土地収用の対象となる施設集落接続の住宅等(甲種農地・第1種農地以外の土地に立地困難な場合)地域の農業の振興に関する地方公共団体の計画に基づく施設農村産業法、地域未来投資促進法等による調整が整った施設第2種農地・第3種農地は、農地転用の許可を受けられる可能性が高い農地です。※農地法 第4条第6項第1号・第2号が、立地条件です。一般基準一般基準は、土地の効率的な利用の確保という観点から、転用の可否を判断する基準です。申請目的実現の確実性、隣接農地への被害防除措置、資金の有無、計画の規模、他法令の許可等について、立地にかかわらず、申請書等に基づいて審査します。立地基準に適合する場合であっても、農地を転用して申請した用途に供することが確実と認められない場合や、周辺農地の営農条件に支障を生じるおそれがあると認められる場合などは、転用が許可されません一般基準では、次のような場合、農地転用は不許可となります。農地転用の確実性が認められない(申請に係る用途に供することが確実と認められない)場合(他法令の許認可の見込みがない場合、関係権利者の同意がない場合など)周辺農地への被害防除措置が適切でない場合農地の利用の集積に支障を及ぼす場合一時転用の場合に農地への原状回復が確実と認められない場合※農地法 第4条第6項第3号~第6号が、一般基準です。農地転用する目的で売却する場合の流れ農地を農地以外のものにするために売却するときの流れを見ていきましょう。農地法5条の許可を受けるには、農地転用できる土地(例えば住宅が建てられる土地)として買主を探し、購入希望者が現れたら、売主と買主の両当事者で農地法5条の許可申請を行うことになります。農地区分の確認売却・転用する農地が、どの農地区分に該当するかを調べます。農地転用が原則不許可に該当する場合でも、立地条件によっては農地転用の許可を受けられる場合があります。農業委員会では原則的な回答しか得られませんから、詳しい行政書士、土地家屋調査士、不動産業者に相談してみるとよいでしょう。買主を探す農地の売買とセットで農地転用の手続を行いますから、買主は、農業従事者でなくても構いません。なので、不動産業者に売却を依頼し、購入希望者を探してもらえばよいのですが、通常の土地売却とは異なり、農地転用の許可申請手続きが必要ですから、農地売買・農地転用の実績のある不動産業者と専任媒介契約することをおすすめします。売買契約・農地法5条許可申請買主が見つかれば、売買契約し、農業委員会を経由して都道府県知事等に農地転用の許可申請をします。農地転用の許可を受ける前に売買契約するのは、許可申請を買主・売主が連署でしなければならないことに加え、具体的な転用目的がなければ、農地転用の許可を受けることはできないからです。この場合の売買契約は、農地法5条の許可を受けることを条件に、すなわち農地法5条の許可を停止条件として契約します。都道府県知事等の許可が出ると、売買契約が効力を生じます。もし、許可を受けられなかったら、契約は無効となります。農地法5条1項では「当事者が都道府県知事等の許可を受けなければならない」と定めています。この当事者とは、買主と売主の両当事者です。市街化区域内の農地の売買・転用市街化区域内の農地を転用するために売買する場合は、農業委員会へ届出をすればよいことになっています(農地法5条1項7号)。この場合の売買契約は、農地法5条の届出の受理を停止条件とする契約となります。届出が農業委員会に受理されたときに、売買契約の効力が発生します。停止条件付の売買契約を締結し、両当事者が連署で農地法5条の届出をします。農地転用許可、所有権移転、地目変更許可を受けたら、所有権の移転登記、代金の決済を行い、売買は完了です。申請した農地転用事業を実施し、法務局で登記の地目変更をします。地目変更は、変更があった日から1ヵ月以内にしなければなりません(不動産登記法37条1項)。地目は、現況で判断されますから、農地転用の際の地目変更は、現況が農地でなくなってから1ヵ月以内に行う必要があるということです。現況が、いつでも農地に戻せる状況であれば、地目変更はできません。では、どのタイミングで農地でなくなったと判断されるかというと、例えば宅地に農地転用する場合なら、土地の整地や建物の基礎工事が完了した段階で宅地に変わる、と解するのが一般的です。地目は田・畑でも、現況は農地といえないケース登記簿上は、地目が田や畑となっていても、現況は農地とはいえないケースもあります。こういう場合は、農業委員会から非農地証明を取り、地目変更して、売却することができる場合があります。例えば、自然災害による災害地等で農地への復旧ができないと認められる土地や、20年以上耕作放棄され(期間は市町村によって異なり、10年以上とか数年としている場合もあります)、将来的にも農地への復元が著しく困難と認められる土地などです。どういう場合に非農地証明書を交付するかは、各市町村において非農地証明書交付事務処理要領(名称は異なります)を定めています。詳しい不動産業者に相談してみるとよいでしょう。農地の売却・査定を依頼する業者の探し方相続した農地を少しでも高く確実に売却するためには、大手でなく地元の不動産業者に相談することが鉄則です。農地の売却は、なぜ地元業者に相談すべきなのか?農地の売却には、独自のスキルが必要です。この点では、地元業者の方が長けています。大手は、都市部のマンションや土地の売却は得意かもしれませんが、農地売却のノウハウは持ち合わせていない、と考えてよいでしょう。大手不動産会社に農地の売却を相談しても、たいてい「それは地元の業者に相談した方がいいですよ」と、体よく断られます。理由は、はっきりしています。農地は売買価格が安いので報酬(仲介手数料)も安くなり、手間を考えると割に合わないからです。では、農地の売却に強い、地元の不動産業者をどうやって探せばよいのでしょうか?農地の売却に強い地元業者の探し方農地売却ができる地元の不動産業者を知っていれば、そこに頼む方法でもよいのですが、そういうケースは稀です。相続した遠方の農地の売却を依頼するとなると、その地元の業者に依頼することになります。そういう地元業者を探すのは大変です。そこで、おすすめは不動産一括査定「イエウール」を利用する方法です。「イエウール」なら農地の売却査定も可能です。しかも、大手だけでなく地元密着の不動産業者が多く提携しているのが「イエウール」の強みです。なので、「イエウール」を使えば、あなたの農地の売却査定が可能な、地元の優良業者に簡単にアクセスできます!利用は無料ですから、一度、試してみませんか?一括査定「イエウール」について詳しく見てみる一括査定「イエウール」の評判・口コミを見てみるまとめ農地の売却は、耕作用に農地として農家の方に売却するか、宅地などに農地転用するために売却するか、のいずれかの方法があります。宅地などに農地を転用するために売却するケースが多いのですが、この場合、農地の売却と転用はセットで行うことに注意してください。農地の所有者が、農地転用して、買主を探すという方法ではありません。新たな所有者が農地転用することになります。農地として売却する場合も、農地転用する目的で売却する場合も、農地法に基づく許可(市街化区域内の農地転用は届出)が必要です。許可を受けていない(または届出していない)場合は、契約が無効となります。農地の売却は、地元不動産業者に相談するのが鉄則です。農地売却を相談できる地元密着の不動産業者を探す【参考】農林水産省「農地転用許可制度について」農地法関係事務に係る処理基準について(平成12年6月1日農林水産事務次官通知)「農地法の運用ついて」の制定について(平成21年12月11日農林水産省経営局長・農村振興局長連名通知)
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  • 相続
    法定単純承認(みなし単純承認)とは?相続のルールと不動産相続のポイント
    相続とは、「被相続人(亡くなった人)の財産に属した一切の権利義務」を相続人が引き継ぐことです(民法896条)。相続人の範囲や遺産分割については法律で決められています。ここでは、相続の基本的なルールと不動産相続のポイントについて、お伝えします。相続のルールまず、相続の基本的なルールについてです。相続人の範囲配偶者(夫・妻)は、必ず相続人となります(民法890条)。内縁関係の人は含まれません。配偶者以外は、次の順位で配偶者と一緒に相続人になります。第1順位被相続人(亡くなった人)の子ども(あるいは孫など直系卑属)や胎児が、配偶者と一緒に相続人になります(民法886条・887条)。第2順位第1順位の相続人がいないときは、被相続人の父母や祖父母(直系尊属)が、配偶者と一緒に相続人になります(民法889条1項1号)。第3順位第2順位の相続人もいなければ、被相続人の兄弟姉妹(あるいはその子ども)が、配偶者と一緒に相続人になります(民法889条1項2号)。法定相続分相続人が相続する財産の割合は、法律で定められており(民法900条)、被相続人と相続人との関係に応じて決まります。同順位の相続人が複数いる場合は、その人数で均等に分けます。相続人法定相続分配偶者と子配偶者1/2 子1/2(2人以上のときは全員で)配偶者と直系尊属配偶者2/3 直系尊属1/3(2人以上のときは全員で)配偶者と兄弟姉妹配偶者3/4 兄弟姉妹1/4(2人以上のときは全員で)相続の承認・放棄相続人は、被相続人(亡くなった人)の財産を相続するかしないかを選択することができます。相続するという意思表示をすることを「相続の承認」といい、「単純承認」と「限定承認」があります。相続しないという意思表示をすることを「相続の放棄」といいます。単純承認単純承認とは、被相続人の財産を全て引き継ぐ、という意思表示をすることです(民法920条)。限定承認限定承認とは、被相続人の債務(マイナス財産)が、預金や不動産などの財産(プラス財産)より多かった場合、債務は相続によって得た財産の範囲でしか継承しないと意思表示することです(民法922条)。限定承認は、まずプラス財産を確定させるので、マイナス財産の方が少なければ、手元に相続財産が残ります。マイナス財産の方が多い場合は、プラス財産を限度としてマイナス財産を相続するので、相続財産はゼロとなりますが、単純承認のように、相続人が自分の財産で弁済する責任を負うことはありません。相続放棄相続放棄とは、被相続人の財産を相続しないと意思表示することです。相続放棄をした相続人は、相続開始に遡って相続人ではなかったものとみなされます(民法939条)。被相続人に多額の借金があっても、いっさい受け継がなくてよくなります。ただし、相続放棄は、全ての相続財産を放棄することになるので、マイナス財産(債務)だけでなくプラス財産(資産)も引き継ぐことはできなくなります。限定承認と相続放棄は期限内の手続が必要相続人は、相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に、相続について、単純承認、限定承認、相続放棄のいずれかをしなければなりません。民法は「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない」と定めています(民法915条1項)。「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、被相続人が亡くなったことを知った時です。被相続人が死亡したときでなく、死亡を知ったときです。単純承認をする場合は、手続きは必要ありません。限定承認や相続放棄の手続きをせずに3ヵ月たつと、自動的に単純承認したことになります(民法921条2号)。他方、限定承認と相続放棄は、相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に、所定の手続を行う必要があります。この3ヵ月の期間を「熟慮期間」といいます。この間に、被相続人の財産の資産価値と債務状況を調査し、限定承認するか相続放棄するかを判断します。限定承認または相続放棄をする場合は、被相続人が最後に居住していた住所を管轄する家庭裁判所に、限定承認または相続放棄の申述書を提出します。なお、熟慮期間は、家庭裁判所に延長の申述を行えば、延長が認められることもあります(民法915条1項ただし書き)。例えば、次のような場合です。不動産の価値が分からないので、相続を承認するかどうか判断できない。被相続人に対して債権を持つと主張する者がいるが、その真否を確認するのに時間がかかる。被相続人の債務状況が複雑で、全体像を把握するのに時間がかかる。相続人が海外に住んでいる。相続財産が海外にある。限定承認と相続放棄の違い限定承認は、被相続人の債務がハッキリしない場合、相続人に有利な相続の方法ですが、現実にはほとんど利用されていません。相続人全員が共同で手続する必要がある(民法923条)ことに加え、その手続が複雑だからです。それに対して、相続放棄は、相続人それぞれが単独で手続きできます。限定承認相続放棄申述人相続人全員が共同で申述相続人それぞれが申述メリット債務超過でも相続財産の範囲内で弁済すればよいので、相続人の財産を守れる。自宅や事業を相続できる。被相続人の債務を一切負担しなくてよい。相続の手続きをしなくてよい。相続のトラブルに関わらずに済む。デメリット相続人が複数の場合は、全員が共同で申述しなければならない。手続が複雑。プラス財産があっても相続できない。相続順位が変わり、思わぬ親族に迷惑がかかる場合がある。限定承認の手続は複雑限定承認は、手続が複雑です。まず、相続財産の目録作成が必要です。相続財産目録を3ヵ月以内に作成して、家庭裁判所に限定承認の申述をしなければなりません。裁判所に限定承認が認められたら、次は、相続財産の清算という作業があります。相続財産の目録に沿って、競売制度などを使って財産(不動産)を換金します。これと並行して、被相続人が生前に残した債務については、債権者に限定承認したことを通知し、債権の請求書提出を依頼します。調査の及ばなかった債権者のために、官報で限定承認を告知し、債権があれば名乗り出てくれるよう公告する必要もあります。これらを相続人が行わなければなりません。たいていは弁護士に依頼することになりますが、弁護士に依頼するとなると、かなりの出費を覚悟しないといけません。こんな場合は「法定単純承認が成立する」ので要注意次のような場合は、法律の定めにより、単純承認したとみなされます(民法921条)。これを法定単純承認(みなし単純承認)といいます。法定単純承認(みなし単純承認)が成立すると、相続人が単純承認を選択した、とみなされますから、被相続人(故人)の財産を債務も含めてすべて引き継ぐことになります。法定単純承認(みなし単独承認)が成立するケースとは?相続財産の全部または一部を処分したとき(保存行為は除く)熟慮期間内に、限定承認または相続放棄をしなかったとき限定承認または相続放棄をした後であっても、次のような背信的行為があったとき・相続財産の全部もしくは一部を隠匿した・相続財産を私に消費した・悪意で相続財産の目録中に記載しなかった③は、限定承認や相続放棄をしたとしても、遺産を使い込んでいたり隠したりしていたら、限定承認や相続放棄が認められなくなる、ということです。例えば、タンス預金や財産価値のある遺品を持ち帰ると、隠匿に当たる場合があります。「私に消費」するとは、勝手に相続財産を処分したり、財産の価値を失わせることです。なお、財産目録が問題となるのは、限定承認のときです。被相続人に多額の借金があったり、借金の有無が不明だったりして、限定承認や相続放棄を検討する場合は、誤って法定単純承認にならないよう、注意が必要です。特に、限定承認を考えている場合は、相続人の1人でも法定単純承認が成立してしまうと、その時点で限定承認が不可能になるので要注意です。法定単純承認(みなし単純承認)に当たる事例法定単純承認(みなし単純承認)が成立するのは、具体的に次のようなケースです。よくあるのは、被相続人名義のキャッシュカードでATMからお金を引き出し、消費してしまうケースです。被相続人の葬儀費用や仏壇・墓石代などに用いるのであれば、法定単純承認に当たらないケースもありますが、相続人の生活費などに使うと、相続財産の処分に当たり、法定単純承認(みなし単純承認)が成立します。このほか、遺品をリサイクル業者や遺品整理業者に売却したときはもちろん、相続する建物を取り壊したときや、被相続人が所有していた自動車の名義を変更した場合も、相続財産を処分したことになります。遺産分割協議に参加した場合も、法定単純承認が成立します。法定単純承認(みなし単純承認)に当たらない事例法定単独承認(みなし単独承認)に当たらないのは、具体的に次のようなケースです。葬儀費用の支払いや仏壇・墓石の購入は、不相当に高額でなければ、遺産から支払っても法定単純承認には当たりません。もちろん、相続人が自分の財産から支払うことは、相続財産の処分ではないので、法定単純承認に当たりません。被相続人の借金を、遺産で返済すると相続財産の処分に当たり、法定単純承認が成立しますが、相続人が自身の財産から返済することは、相続財産の処分ではないので、法定単純承認に当たりません。生命保険金については、受取人を相続人とした生命保険金は相続財産ではないので、受領しても法定単純承認に当たりませんが、被相続人の保険金請求権に基づき保険金を請求し受領すると、法定単純承認に当たります。遺産で仏壇・墓石を購入した行為が、相続財産の処分に当たらないとされた裁判例遺産で葬儀費用を支払い、仏壇・墓石を購入した行為が、相続財産の処分に当たらないとされた裁判例として、大阪高裁の決定(平成14年7月3日)があります。事案の内容はこうです。被相続人Aは、平成10年4月27日に死亡。妻X1と長男X2は葬儀を営み、仏壇を購入し、墓石も建立し、それらの費用493万円のうち302万円は亡Aの郵便貯金を解約して支払いました。ところが、平成13年10月17日ころになって、信用保証協会から亡A宛ての通知書が送られ、求償債務(残高約5,900万円)があると知らされたのです。妻X1、長男X2、次男Bは、それぞれ同年11月27日、相続放棄の申述をしました。原審は、次男Bの申述は受理しましたが、妻X1と長男X2については、相続財産をもって墓石を購入し、その代金を支払った行為が法定単純承認に当たる、法定単純承認後の申述で不適法として申述を却下。大阪高裁は、即時抗告を受けて原審判を取消。妻X1と長男X2の申述は受理されました。大阪高裁の決定(平成14年7月3日)は、次のような内容です。預貯金等の被相続人の財産が残された場合、相続債務があることが分からないまま、遺族がこれを利用して仏壇や墓石を購入することは自然な行動であり、購入した仏壇及び墓石が社会的に見て不相当に高額のものとも断定できない上、それらの購入費用の不足分を遺族が自己負担としていることなどからすると、被相続人名義の預金を解約し、仏壇や墓石購入費用に充てた行為が、民法921条1号の「相続財産の処分」に当たるとは断定できない。抗告人らの相続放棄の申述が明らかにその要件を欠く不適法のものと断定することはできないから、家庭裁判所としては、これを受理するのが相当である。※参考:判例タイムズ№1154(2004年9月25日)より相続放棄や限定承認を判断するポイント相続放棄か、限定承認か、単純承認か、どの方法を選択するかを判断するときに大事なのは、被相続人のプラス財産とマイナス財産を正確に把握することです。被相続人の財産を正確に把握でき、マイナス財産よりプラス財産が上回ることが明らかであるなら、限定承認や相続放棄といった面倒な手続きをしなくても、法定単純承認が成立するのを待てばよいだけです。しかし、被相続人に債務がある場合は、その債務を相続財産で弁済できるかどうかを見極める必要があります。その際、被相続人の預貯金だけでは弁済できないときでも、遺産に不動産があれば、それを売却して弁済できる可能性がありますから、不動産の価値を正確に把握することが大事になります。債務の有無以外にも、実家を相続すると管理が大変なため、相続放棄を考える場合もあるでしょう。ただ、遺産の財産価値が、実家を管理する手間や費用を上回るのなら、相続することを検討してみてもよいのではないでしょうか。いずれにしても、3ヵ月以内に相続について放棄か限定承認かを判断しなければなりませんから、遺産に不動産がある場合は、その不動産の価値を正確かつ迅速に把握することが大切です。不動産の資産価値を正確・迅速に把握するには?では、故人の残した不動産の価値を正確・迅速に把握するにはどうすればよいのか?不動産の価値を正確・迅速に把握するには、その不動産の買取価格を、不動産業者に査定してもらう方法をおすすめします。不動産業者の買取査定価格は、市場価格より低めに算定されますが、これは、売却したときにこれ以上安くはならない価格といえます。しかも、業者による買取ですから、すぐにでも換金できます。故人の財産がプラスかマイナスかを正確・迅速に判断するのに、好都合なのです。なお、こちらのツールを使えば、複数の不動産会社の買取査定価格を比較できるので、より正確な価値がわかります。おすすめの無料サービスです。\ 無料・簡単60秒 /複数の不動産業者の買取価格を比較できるツールはこちら故人の借金を調べるには?故人の借金の有無や借入額を調べるには、次のような方法があります。故人宛てに届いていた郵便物や関係書類をチェックします。例えば、金銭消費貸借契約書のような契約書、支払いの催告状や督促状などから、借金の存在が分かります。故人名義の不動産があるなら、その登記を確認します。抵当権や根抵当権が設定されている場合は、故人に借金がある可能性があります。信用情報機関に照会します。故人が、消費者金融やクレジットカード会社、銀行などから借入れをしていた場合、相続人であれば、信用情報機関に対し、情報開示の請求を行うことが可能です。情報開示の請求をしてみて、故人の情報がなければ、かなりの確率で借金はないと考えられます。借入先信用情報機関銀行一般社団法人 全国銀行協会(全国銀行個人信用情報センター)クレジットカード会社株式会社 シー・アイ・シー(CIC)消費者金融株式会社 日本信用情報機構(JICC)借金は、家族に内緒でしている場合が多く、相続人が、故人の借金の有無や金額を正確に把握するのは、難しい作業になります。特に、生前、連帯保証人になっていたかどうかは、調べるのが困難です。相続放棄しても不動産の管理責任は放棄できない場合がある実家を相続すると管理の手間や費用が大変だから相続放棄したい、と考えることもあるでしょうが、そういうときは、次の点に注意してください。相続放棄をしても、放棄したときに不動産を現に占有している場合は、その不動産の管理責任まで放棄することはできません。民法940条1項(相続の放棄をした者による管理)相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第952条第1項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。例えば、実家で被相続人と一緒に暮らしていた相続人は、実家を「現に占有している」と言えるので、相続放棄したとしても、相続人または相続財産清算人に引き渡すまでの間、実家を管理しなければなりません。それに対し、実家から離れて暮らしていた相続人が相続放棄した場合は、「現に占有している」とは言えないので、管理責任を負うことはありません。旧民法からの改正点旧民法940条1項は、「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない」としていました。しかし、この規定では、法定相続人の全員が相続放棄し、次順位の相続人が存在しない場合や、相続放棄者が相続財産を占有していない場合にも、相続放棄者が管理継続義務を負うのか、といったことが、必ずしも明らかでありませんでした。新民法940条1項は、この点を明確にしたのです(2023年4月1日施行)。「現に占有している」相続人が、相続放棄して保存義務を免れるには?「現に占有している」相続人が相続放棄をすると、次順位の相続人に相続権が移ります。次順位の相続人が相続してくれたら保存義務もなくなりますが、その人も相続放棄をし。相続人の全員が相続放棄すると、保存義務は、現に占有している者が負います。この場合、保存義務を免れるには、家庭裁判所に、相続財産清算人の選任を申し立てる必要があります(民法952条1項)。相続財産清算人が清算した後は、その不動産は売却も検討されますが、売却が難しい場合は、国庫に帰属することになります。まとめ相続人は、被相続人の財産を相続するかしないかを選択することができます。相続放棄や限定承認をする場合は、相続の開始を知ったときから3ヵ月以内(熟慮期間)に手続をしなければなりません。それを過ぎると、単純承認したとみなされ、プラス財産もマイナス財産も相続することになります。相続をどうするか判断するうえで大事なのは、すべての財産を正確・迅速に把握すること。特に、不動産がある場合は、資産価値が大きいため、相続を判断するうえで、不動産の価値を正確・迅速に把握することが重要です。不動産の価値を正確・迅速に知るためには、不動産業者に買取価格の査定を頼むのがおすすめです。買取価格は市場価格よりも低めですが、これ以上安くはならない価格と考えられますから、被相続人の財産がプラスかマイナスかを迅速に判断するには好都合なのです。なお、こちらのツールを使えば、複数社の買取査定価格を比較できるので、より正確な価値がわかります。\ 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  • 相続放棄
    遺産相続放棄をしたいとき、相続放棄ができないとき
    1年前に父が死亡。母はすでに死亡しており、相続人は兄弟2人。遺産は、父が1人で住んでいた古い実家のみ。家財道具もそのまま。兄弟で遺産分割の話はしないままです。兄は高齢で病気がちなので、父の遺産はすべて弟に相続してもらいたい、というのが兄の意向です。こんな場合、兄は遺産相続放棄できるのでしょうか?相続放棄するには期限内に手続が必要相続放棄という方法をとれば、最初から相続人ではなかったことになりますが、相続放棄をするには、相続を知ってから3ヵ月以内に、家庭裁判所(被相続人の最後の住所地の家庭裁判所)に相続放棄の申述(申立て)をする必要があります(民法915条、938条)。家庭裁判所に相続放棄の申述が受理されたら、その相続に関して初めから相続人とならなかったものとみなされます(民法939条)。3ヵ月を過ぎると、原則として相続放棄ができません。したがって、先の例の場合、相続を知ってから1年が経過しているので、相続放棄はできません。相続を知ったときの対応相続人は、被相続人(亡くなった方)の財産や債務を全て引き継ぐ(相続する)ことになりますが、次の3つのうちのいずれかを選択できます。単純承認相続人が被相続人の土地の所有権等の権利や借金等の義務をすべて受け継ぐ。相続放棄相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない。限定承認被相続人の債務がどの程度あるか不明で、財産が残る可能性もある場合等に、相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐ。相続人が相続放棄や限定承認をする場合には、原則として、「自己のために相続の開始があったこと(被相続人が亡くなったことと、それにより自分が相続人となったこと)を知った時」から3ヵ月以内に家庭裁判所でその旨を申述しなければならないとされています(民法915条、924条、938条)。この期間を熟慮期間といいます。この熟慮期間内に相続人が相続財産の状況を調査(民法915条2項)しても、なお、単純承認・限定承認・相続放棄のいずれをするかを決定できない場合には、家庭裁判所は、利害関係人からの申立てにより、この3ヵ月の熟慮期間を伸長することができます(民法915条1項ただし書き)。熟慮期間の延長の申立てをせず、この期間内に相続放棄または限定承認をしなかったときは、単純承認をしたものとみなされます(民法921条2号)。すなわち、被相続人の財産と債務を全て引き継ぐことになります(民法920条)。期限が過ぎて相続放棄できないとき期限が過ぎ、相続放棄をできないときは、どうすればいいのか?本来、兄弟2人がそれぞれ2分の1ずつ相続権があります。なので、実家を2人で相続し、売却して、その代金を分けることもできます。ただし、兄は、相続を希望していないので、手続はこうです。相続人全員(兄弟2人)で遺産の分け方を話し合い、合意できたら、遺産分割協議書を作ります。遺産分割協議書には、誰が、どの遺産を相続するかを書きます。兄が相続を希望せず、弟が相続した上で処分するのであれば、父名義の家を弟が相続し、兄の相続分をゼロにする内容にします。遺産分割協議書は、書籍やインターネット上にひな形があるので、それを参考に作成できます。難しいようなら、司法書士や弁護士に頼むとよいでしょう。遺産分割協議書は2通作成し、2人で署名・押印したものを1通ずつ所持します。遠方に離れている場合でも、合意できていれば実印を押し、印鑑証明といっしょに弟に郵送すれば、文書のやり取りだけで手続できます。実家を売却するときは、不動産の名義を変更する相続登記が必要です。兄は遺産をいっさい受け取らないので、登記手続きや荷物の処分、建物の解体などは弟が行います。売却は不動産業者に相談することになります。相続登記の申請義務化これまで、不動産の相続登記の申請は任意でしたが、2024年4月1日からは義務化されます。2024年4月より前に相続した不動産も対象です。正当な理由なく相続登記をしないと罰則もあるので、早めに法務局で手続きを進めることが大切です。相続人は、不動産(土地・建物)を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をすることが法律上の義務になります。2024年4月1日より前に相続した不動産も、相続登記がされていないものは義務化の対象になります(3年間の猶予期間あり)。正当な理由なく相続登記をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。まとめ相続放棄をすると、その相続に関して初めから相続人でなかったものとみなされます。ただし、相続放棄は、相続を知った日から3ヵ月以内に手続をしなければなりません。3ヵ月の期限を過ぎると、原則として相続放棄の手続きができません。財産も債務も遺産すべてを相続することになります。 土地や建物など、不動産を相続した場合は、名義を変更する相続登記が必要になります。相続不動産を売却するには、相続登記が必要です。相続放棄をする前に、相続不動産がどれくらいの価値があるか、とりあえず調べてみませんか?\ 無料・60秒 /相続する不動産の価値を調べてみる
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  • 裁判所
    共有物分割請求の裁判を起こされたとき
    親が死に実家を相続するときに、兄弟3人で3分の1ずつ持分登記。先日、不動産業者から共有物分割請求の裁判が起こされ、長男のもとへ訴状が送られてきました。どうやら、業者は、次男・三男から持ち分を買い取ったようです。こういう場合、長男はどうすればよいのか?共有者はいつでも共有物の分割を請求できる不動産を複数で共有する場合、共有者は、いつでも共有物の分割を請求できます(民法256条1項)。共有者同士で話し合いがつかない、または話し合いができないときは、共有物の分割を裁判所に請求できます(民法258条1項)。共有物分割請求訴訟は、裁判を通じて共有状態を解消する方法です。裁判所は、共有物の現物を分割する方法(現物分割)、または、共有者が金銭などを支払い、他の共有者の持ち分を取得する方法(賠償分割)を命じることができます(民法258条2項)。こうした方法で分割できないときは、裁判所は売って分けるように競売を命じることもできます(民法258条3項)。不動産業者は裁判でどんな主張をしてくるか?不動産業者からは、裁判で、金銭を支払って、長男の持ち分3分の1を取得したいと主張することが考えられます。業者の提示する金額次第では、業者に持ち分を売ってもよい、と考えるなら、妥当な金額か判断するため、別の業者に査定を依頼し、市場価格を調査します。裁判所からの呼び出しに応じなければ、競売などを命じる判決が出てしまう可能性もありますから、裁判には出席した方がよいでしょう。持ち分を買い取ってもらう場合は、裁判を通した価格交渉になります。弁護士が代わりに裁判に出席して、手続を進めることもできますから、弁護士に依頼することも検討してみるとよいでしょう。まとめ不動産の持ち分というものは、市場に売りに出しても買い手は付きません。持ち分だけ持っていても、残りの持ち分を持っている全ての所有者の同意を得なければ、その不動産を売ったり活用したりすることができないからです。ですから、共有持分を買うのは、他の共有者か、共有持分を専門に扱う買取業者くらいです。この例の場合、他の共有者(次男・三男)は、すでに自分の持分を業者に売っているので、長男も持分を業者に売るのが現実的でしょう。あとは持分の買取価格交渉です。持分の買取は、不動産の市場価格に比べて安くなります。相手の業者の提示額が妥当か、別の専門の買取業者に査定してもらうとよいでしょう。共有持分の査定を専門の買取業者に依頼するならこちらいずれにしても、裁判ですから、弁護士に相談することをおすすめします。\ 無料・簡単30秒 /共有持分の適正な買取価格を調べてみる関連共有名義の土地・家・マンションを自分の持分(共有持分)だけ売る
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  • ショック
    相続実家の共有持分の売却は要注意!大損しないために大切なこと
    親から相続した実家を、兄弟姉妹が均等の持ち分で共有するケースというのはよくあります。このような共有物件は、売ったり貸したりするのに、共有者全員の同意が必要です。共有者の1人でも反対すれば、売ることも貸すこともできません。共有物件は、共有者同士の関係が良好な場合は特に問題ないのですが、関係が悪化してしまうと厄介です。お金に困っていた弟が持分を売却した結果…実家を相続した山田さん(仮名)兄弟の例です。父親が亡くなり、実家を兄弟2人が相続することになりました。兄が、父親の近くに住んでいて、面倒をよく見ていたので、取り分を多く主張したのに対し、弟が反発。結果的には、2分の1ずつで決着したのですが…。弟は、お金に困っていたため、すぐに自分の持分を知り合いの会社経営者に20万円で売ったのです。弟が持分を第三者に売ってしまったことにより、兄は、相続した父親の家に住むことも、誰かに貸すことも、売ることもできなくなりました。このままでは、相続した家に資産価値はありません。結局、兄も自分の持分を不動産会社に売ったのです。その価格も20万円でした。こうして相続した家と土地は、わずか40万円で人手に渡ってしまったのです。その後、この家はどうなったか?兄から持分を買った不動産会社は、弟から持分を買った会社経営者から、2倍の値段で持分を買おうとしました。しかし、その会社経営者が応じなかったので、不動産会社は裁判所に共有物の分割請求の訴えを起こしたのです。裁判所が出した判決はこうです。不動産会社と会社経営者は、お互いが所有している2分の1ずつの権利を合わせて競売にかけること。競売の結果、その家は800万円で落札されました。不動産会社は、800万円を会社経営者と折半し、わずか20万円の元手で、400万円を手にしたのです。もし、山田さん兄弟が、相続した家を仲良く協力して売却していたら、どうなっていたでしょうか?競売になると、通常の不動産の売却に比べ、売却価格が安くなります。競売による売却価格は、市場価格の6~7割程度となるのが一般的です。つまり、通常の不動産売却ができていれば、1,000万円を超える価格で売却できていた可能性があったのです。共有持分を売却するのは損です。実家を共有で相続した場合は、共有者が協力して共有物件を売却し、売却代金を案分するのが理想です。あなたの相続実家は最高いくらで売れそうか、とりあえず調べてみませんか?\ 無料・簡単60秒 /相続した実家が最高いくらで売れそうか調べてみるまとめ実家を兄弟姉妹が共有で相続するケースはよくあります。ただし、共有物件は、共有者全員の同意がなければ、売ることも活用することもできません。なので、共有者が協力して、相続した実家を売却することが理想です。とはいえ、共有持分を売却せざるを得ない場合は、共有持分を専門に扱う買取業者に相談することが大切です。専門の買取業者の方が、共有持分を買取した後の活用方法につてノウハウがあるので、より高く買取することが可能です。\ 専門の買取業者が査定 /共有持分の適正な買取価格を調べてみる関連共有名義の土地・家・マンションを自分の持分(共有持分)だけ売る
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  • 相続実家の共有を解消
    相続実家の共有を解消するには?現物分割・代償分割・換価分割
    後藤さん(仮名)は、相続した実家をめぐって、弟2人と対立しています。同居していた母親が半年前に亡くなり、家と600万円の預金が残されました。相続人は、兄弟3人。預金は3分の1ずつ分けることで合意したのですが、問題は、後藤さんが母親と同居していた家です。3年前に父親が他界したとき、預金を母親が相続し、父名義だった家を兄弟3人が共有で相続しました。持分は、後藤さんが2分の1、弟2人が4分の1ずつです。今回の協議で、弟2人が家を売って代金を分けるよう求めてきたのです。しかし、実家に住み続けるつもりの後藤さんは売却に同意できません。どんな対応方法があるのでしょうか?共有を解消する方法不動産は現預金と違って分けるのが難しいため、実家を相続する際に、ひとまず法定相続人が共有で引き継ぐ、というケースが少なくありません。しかし、これがトラブルのもと。後藤さんのように、後々、持分の現金化をめぐって対立することが、よくあるのです。では、共有で相続した実家の共有を解消するには、どうすればいいのか?共有者はいつでも共有物の分割を請求できる各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができます(民法256条1項)。共有者から共有物の分割について請求があった場合、他の共有者は、その協議に応じなければなりません。ただし、5年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をしている場合は除きます(民法256条1項ただし書き)。共有物の分割方法共有を解消するには、次のような3つの方法があります。持分に応じて現物を物理的に分ける「現物分割」共有物を取得する人が他の共有者に代償金を渡す「代償分割」売却して代金を分ける「換価分割」どの方法で共有を解消するかは、共有物や共有者の状況などによりますが、それぞれ次のような点に注意してください。現物分割は、物件が1つだけの場合には物理的に分けることができないので困難です。代償分割をするには、物件を取得する人が一定の資金を用意することが必要です。換価分割は、家に住み続ける人がいる場合は困難です。現物分割、代償分割、換価分割の内容・注意点について、まとめておきます。分け方内容注意点現物分割共有物を共有持分割合に応じて物理的に分ける方法共有物が複数なければ困難代償分割共有物を取得する人が、他の共有者に代償金を支払う方法取得者に資金が必要代償金額でもめることがある換価分割共有物を第三者に売却し、売却代金を共有持分割合に応じて共有者で分ける方法住み続ける人がいる家には使えない売却価格や時期でもめることがある共有物分割請求訴訟共有物の分割について、共有者の間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、その分割を裁判所に請求することができます(民法258条1項)。裁判による共有物の分割に関し、ぜひ知っておきたいことがあります。それは、2023年4月施行の改正民法に、代償分割が明記されたということです。これまでも、共有物分割請求訴訟において、裁判所が代償分割の判決を出すことはありましたが、それは判例にもとづくものでした。法律上の根拠がないため、裁判所が代償分割をどう検討するのか、どんな場合に代償分割の判断を示すのか、明らかでなかったのです。代償分割が法律に明記されたことにより、代償分割の位置づけが明確になったのです。民法改正で「裁判による共有物の分割」の規定はこう変わった2023年4月施行の改正民法で、「裁判による共有物の分割」についての規定は、次のように変わりました。旧民法258条分割について共有者の間の協議が調わないときは、裁判所に訴えを起こして、分割を請求することができる。前項の場合に、現物で分割することができないとき、または分割することによってその物の値打ちが非常に下がる心配があるときは、裁判所は競売するように命じることができる。※旧民法の条文は『改訂増補版 口語民法』自由国民社より改正民法258条共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、その分割を裁判所に請求することができる。裁判所は、次に掲げる方法により、共有物の分割を命ずることができる。一 共有物の現物を分割する方法二 共有者に債務を負担させて、他の共有者の持分の全部又は一部を取得させる方法前項に規定する方法により共有物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。裁判所は、共有物の分割の裁判において、当事者に対して、金銭の支払、物の引渡し、登記義務の履行その他の給付を命ずることができる。旧民法では、裁判による共有物の分割方法として、現物分割と競売分割が挙げられており、裁判所はまず現物分割の可否について検討した上で、現物分割が困難な場合に競売分割を命ずることができるとされていました(旧民法258条2項)。現物分割が基本的な分割方法とされ、補充的に競売による換価分割が位置付けられていたのです。ただし、裁判では、裁判所の裁量により、分割方法の多様化・弾力化が進み、平成8年には、最高裁が法律に明文規定のない代償分割(=全面的価格賠償分割)を認めました。こうした中、改正民法では、裁判による共有物分割の方法として、「共有者に債務を負担させて、他の共有者の持分の全部又は一部を取得させる方法」すなわち代償分割が、現物分割とともに可能であることを明文化し(民法258条2項)、現物分割・代償分割のいずれもできない場合、または分割によって共有物の価格を著しく減少させるおそれがある場合には、競売分割(換価分割)を行うこととして、共有物の分割方法の検討順序を明確化しました(民法258条3項)。こうして改正民法の条文において、代償分割(=賠償分割)についての規律が整備されたのです。最高裁判例の変遷、分割方法の多様化・弾力化かつては、価格賠償による分割(共有物を特定の共有者に帰属させ、この者から他の者に対して持分の価格を賠償させる分割方法)を裁判所が命じることはできない、と考えられていました。裁判所がその裁量により判断するのは、現物分割ができる場合の分割方法についてであって、現物分割をすることができないときには、裁判所は競売分割を命じなければならない、と解されていたのです。※法務省 法制審議会民法・不動産登記法部会 第7回会議(令和元年9月24日開催) 部会資料10 共有制度の見直し(3)より共有物の分割方法について、多様化・弾力化が進む契機となったのは、次の2つの最高裁判決です。最高裁判所大法廷判決( 昭和62年4月22日)最高裁判所大法廷判決( 昭和62年4月22日)は、部分的価格賠償、一括分割、一部分割は、いずれも現物分割の一態様として許されると判示し、共有物の分割方法の多様化・弾力化が図られました。部分的価格賠償持分の価格を超える現物を取得する共有者に当該超過分の対価を支払わせて過不足を調整する一括分割数か所に分かれて存在する多数の共有不動産を一括して分割の対象とし、分割後のそれぞれの不動産を各共有者の単独所有とする一部分割多数の者が共有する物について分割請求がされた場合に、当該請求者に対してのみ持分の限度で現物を分割し、その余は他の者の共有とする裁判要旨民法258条により共有物の現物分割をする場合には、その一態様として、持分の価格を超える現物を取得する共有者に当該超過分の対価を支払わせて過不足を調整することも許される。数か所に分かれて存在する多数の共有不動産について、民法258条により現物分割をする場合には、これらを一括して分割の対象とし、分割後のそれぞれの不動産を各共有者の単独所有とすることも許される。多数の者が共有する物を民法258条により現物分割する場合には、分割請求者の持分の限度で現物を分割し、その余は他の者の共有として残す方法によることも許される。(最高裁判所Webサイトより)最高裁判所第一小法廷判決(平成8年10月31日)共有物を共有者のうちの1人の単独所有または数人の共有とし、これらの者から他の共有者に対して持分の価格を賠償させる全面的価格賠償の方法による分割をすることも許されるとして、価格賠償による分割を認めました。昭和62年大法廷判決によって認められた他の分割方法と異なり、この全面的価格賠償の方法は,現物分割の一態様として位置付けられたわけではないため、民法に明文のない方法として認められたと解されてきました。裁判要旨民法258条により共有物の分割をする場合において、当該共有物を共有者のうちの特定の者に取得させるのが相当であると認められ、かつ、その価格が適正に評価され、当該共有物を取得する者に支払能力があって、他の共有者にはその持分の価格を取得させることとしても共有者間の実質的公平を害しないと認められる特段の事情があるときは、共有物を共有者のうちの一人の単独所有又は数人の共有とし、これらの者から他の共有者に対して持分の価格を賠償させる方法(いわゆる全面的価格賠償の方法)によることも許される。(最高裁判所Webサイトより)部分的価格賠償と全面的価格賠償との違い部分的価格賠償と全面的価格賠償は、どちらも「価格賠償」という文言があり、「部分的」か「全面的」かの違いのように見えますが、両者は法的性質が異なります。部分的価格賠償は、現物分割の一態様です。共有物(現物)を物理的に分割した上で、持分の価格以上の現物を取得する共有者が、持分の価格を下回る現物しか取得しない他の共有者に、超過分の対価を支払い過不足を調整する方法です。金銭による価格調整を行いますが、前提として現物を分割するため、現物分割に含まれます。他方、全面的価格賠償とは、文字通り、全面的に金銭の支払いで解決するというものです。共有物を取得する共有者が、持分を手放す他の共有者に対価を支払い、共有を解消する方法です。共有物を取得する共有者は、債務を負担することになります。まとめ共有物の分割方法としては、現物分割、代償分割、換価分割の3つの分割方法があります。共有者間の話し合いで合意できないときは、裁判所に共有物の分割を請求することができます。共有物の分割を裁判所に請求した場合、当事者は判決に従わなければなりません。換価分割となると、実家を第三者に売却するため、競売を求められます。後藤さんの場合、共有物分割請求訴訟になると、代償分割が検討されますが、後藤さんが弟2人に代償金を支払えない場合は、競売分割が命じられることが考えられます。競売となると、売却価格が市場価格を大きく下回るため、売却を求めていた弟たち2人にとっても、当初想定していた金額を得られず、望まない結果となることもあり得ます。判決が当事者全員にとって納得できる内容になるとは限らないのです。ですから、訴訟になる前に共有者の間で協議を重ね、折り合える点がないか探ることが大切です。改正民法で定められた手順を参考に、まず現物分割や代償分割を検討し、それが難しければ換価分割を検討するのが一案となります。相続した実家の市場価格を調べてみる自分の持分だけ売ることもできますが…参考文献法務省 法制審議会民法・不動産登記法部会 第7回会議(令和元年9月24日開催) 議事録、部会資料10 共有制度の見直し(3)法務省 法制審議会民法・不動産登記法部会 第16回会議(令和2年8月4日開催) 議事録、部会資料37 共有関係の見直し(通常の共有関係の解消方法)法務省 法制審議会民法・不動産登記法部会 第16回会議(令和2年8月4日開催) 議事録、部会資料47 共有関係の見直し(通常の共有関係の解消方法)法務省 法制審議会民法・不動産登記法部会 第21回会議(令和2年11月10日開催) 議事録、部会資料51 民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)等の改正に関する要綱案のたたき台 (1)法務省「民法の改正(所有者不明土地等関係)の主な改正項目について」
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  • 相続空き家の売却も3000万円特別控除
    相続空き家を売却したときの譲渡所得の3000万円特別控除の特例
    実家を相続したものの誰も住まずに空き家になっているなら、早めに売却することを検討した方がよさそうです。今なら、要件を満たせば、相続空き家を売却したとき、譲渡所得から最高3,000万円まで特別に控除できる特例があります。空き家対策の特例措置ですので、期限があります。これを「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。詳しく見ていきましょう。特例の適用を受けられる家屋・売却方法・期限「相続空き家を売却したときの特別控除の特例」は、「マイホームを売却したときの特別控除の特例」と同様に、譲渡所得から最高3,000万円まで特別に控除できる制度です。ただし、マイホームを売却したときの特例と違って、対象となる家屋や売却の方法について細かな条件があります。しかも、期限が設けられた特例制度ですから、特例を利用するなら早めの検討が必要です。細かな適用要件については後から見ますが、この特例を利用する上で特に大事な点を3つ挙げておきます。適用対象となる家屋・売却方法・期限1981年5月31日以前に建築された家屋であること。耐震改修して売るか、解体して更地で売ること。2023年12月31日までに売却すること。1981年5月31日以前に建築された家屋とは、旧耐震基準の建物のことです。区分所有建物(マンション)については、この特例の対象外です。つまり、この特例は、「危険な空き家を減らすことに協力すれば税金をまけますよ。ただし、期限があるので急いでくださいね。」というものなのです。この特例の趣旨は、国土交通省の説明を見ればよくわかります。そもそもこの特例は、「空き家の発生を抑制するための特例措置」という位置づけです。制度の概要について、こう説明しています。制度の概要被相続人の居住の用に供していた家屋及びその敷地等を相続した相続人が、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、当該家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む)又は取壊し後の土地を譲渡した場合には、当該家屋又は土地の譲渡所得から3,000万円を特別控除します。耐震性のある家屋なら、そのまま売っても特例の適用対象となりますが、耐震性がない場合には、耐震リフォームをして売るか、取り壊して更地にして売るか、いずれかの売却方法でなければ特例を適用できないので、ご注意ください。さらに詳しくは、国土交通省のWebサイトをご覧ください。国土交通省:空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)耐震リフォームをして売る? 更地にして売る?相続した実家が耐震基準を満たしていない場合に、この特例を適用するには、耐震リフォームをして売るか、取り壊して更地にして売るか、どちらかでなければいけません。どちらを選択するのが、賢い選択なのでしょうか?そもそも1981年以前に建築された家屋が対象ですから、建物の築年数は40年を超えます。築40年を超える木造一戸建ての建物は、特別の価値がない限り「ゼロ査定」です。たいていは、土地代だけでの取り引きとなります。建物の解体費用をマイナス要素とされることもあります。すでに耐震リフォーム済であれば、家屋を残して売ることもできますが、わざわざ耐震リフォームをして売るのは現実的ではありません。耐震リフォームには相当なコストがかかります。そのリフォーム費用全額を販売価格に転嫁して売ることはできないからです。したがって、建物を取り壊して更地にして売却するケースが大半でしょう。なお、建物を解体して土地だけを売却するとしても、建物を取り壊すのは買手が決まってからでも遅くはありません。建物を撤去してしまうと、固定資産税の住宅用地特例の適用を受けられなくなり、税負担が重くなってしまうからです。空き家の解体や耐震リフォームに、国や自治体の補助金を受けられる場合があります。実家のある市町村に確認してみるとよいでしょう。地元の不動産業者に査定を依頼して聞いてみる方法もあります。特別控除の特例の適用要件相続空き家を売却したときに3,000万円の特別控除の特例の適用を受けられるのは、次の条件をすべて満たす場合です。売却する家屋そのものについての要件と、売却についての要件があります。これらの要件を全て満たす必要があります。特例の適用対象となる家屋相続または遺贈により取得した次の要件を満たす居住用家屋が対象となります。特例の適用対象となる家屋の要件1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であること。区分所有建築物でないこと。相続開始の直前において被相続人以外に居住していた人がいなかったこと。つまり、旧耐震基準で建てられた家屋で、分譲マンションは適用対象外、相続開始の直前まで被相続人が一人で暮らしていた家屋が適用対象となります。親が老人ホーム等に入所して空き家になっていた場合「相続開始の直前まで、被相続人が居住の用に供していた家屋」が要件となっているため、当初は、一人暮らしの被相続人が老人ホームに入所するなどして空き家になっていた場合には、この特例を適用できませんでした。2019年度の税制改正大綱(2018年12月21日閣議決定)において、老人ホーム等に入所していた場合、一定の要件を満たせば、「相続の開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていたものとして本特例を適用する」と適用要件が緩和されました。平成31年度税制改正の大綱(平成30年12月21日閣議決定)空き家に係る譲渡所得の 3,000 万円特別控除の特例について、老人ホーム等に入所をしたことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋及びその家屋の敷地の用に供されていた土地等は、次に掲げる要件その他一定の要件を満たす場合に限り、相続の開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていたものとして本特例を適用するほか所要の整備を行った上、その適用期限を4年延長する。被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続の開始の直前まで老人ホーム等に入所をしていたこと。被相続人が老人ホーム等に入所をした時から相続の開始の直前まで、その家屋について、その者による一定の使用がなされ、かつ、事業の用、貸付けの用又はその者以外の者の居住の用に供されていたことがないこと。(注)上記の改正は、平成 31 年4月1日以後に行う被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の譲渡について適用する。 さらに詳しくは、国税庁のWebサイトをご覧ください。国税庁タックスアンサー:「被相続人が老人ホーム等に入所していた場合の被相続人居住用家屋」特例の適用対象となる譲渡上の条件を満たす家屋とその敷地を、次のような条件で譲渡した場合に、特別控除の特例が適用されます。特例の適用対象となる譲渡の要件相続の時から譲渡の時まで、居住、貸付、事業に使われていないこと。耐震改修を行い新耐震基準に適合する建物として売るか、家屋を取り壊して土地だけ売ること。相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。売却代金が1億円以下であること。売却した家屋や敷地について、相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例など他の特例の適用を受けていないこと。親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。被相続人が死亡したことで空き家になり、相続したときから譲渡するときまで空き家のままであることが条件です。耐震リフォームをして売るか、建物を取り壊して更地にして売るか、という条件は、先に説明した通りです。家屋を売却する場合には、耐震基準に適合するものであることが必要です。特例の適用を受けるには、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要があります。「3年を経過する日の属する年の12月31日」の考え方について、具体的に見ておきましょう。「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」とは?例えば、2020年1月2日が相続開始日だとすると、3年を経過するのは2023年1月1日です。この場合は、2023年12月31日までに売却すれば、特例を適用できます。相続開始日が2020年1月1日だと、3年を経過するのは2022年12月31日です。「3年を経過する日の属する年の12月31日」は、同じ2022年12月31日ですから、この日までに売却しないと、特例の適用を受けられません。ひとくちに「相続して3年」といっても、相続開始日によって特例の適用を受けられる期間が異なります。「気がついたら特例を受けられる期限を過ぎていた」とならないよう、注意が必要です。特例の適用要件についてさらに詳しくは、国税庁のWebサイトをご覧ください。国税庁タックスアンサー:「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」相続空き家の譲渡所得・譲渡所得税の計算例相続空き家を取り壊して土地を売却する場合、譲渡所得税の計算がどうなるか、具体的な計算例をご紹介します。事例1980年に建てた実家を相続し、建物を取り壊して土地を500万円で売却したケースを考えます。取得費不明なため、概算取得費(譲渡価額の5%相当額)を用い、譲渡費用は建物の撤去費用等で200万円かかったとします。譲渡所得、譲渡所得税の計算式は、次のようになります。長期譲渡所得となりますから、譲渡所得にかかる税金の税率は、所得税・住民税を合わせて20%です。譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 特別控除譲渡所得税 = 譲渡所得 × 20%実際に計算してみましょう。特別控除の特例の適用がない場合、譲渡所得は、500万円-500万円×5%-200万円=275万円したがって、譲渡所得税は、55万円(275万円×20%)となります。特別控除の特例を適用できる場合は、譲渡所得から最高3,000万円を控除できますから、譲渡所得は0円となり、譲渡所得税もゼロです。譲渡所得・譲渡所得税の計算方法譲渡所得や譲渡所得税の計算方法について、詳しくはこちらをご覧ください。譲渡所得の計算方法譲渡所得税の税率と計算方法取得費不明のときに譲渡所得の計算で取得費を控除する方法まとめ相続した空き家を売却したとき、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除することができます。ただし、耐震性のない家屋の場合には、耐震リフォームをして売るか、家屋を除却して売るかでなければ、特例の適用を受けられません。また、この特例制度には期限がありますから、相続した空き家を売却するなら、早めに検討することをおすすめします。もっとも、相続空き家を売却して譲渡所得が発生する場合の話ですから、譲渡所得が生じない場合は、この特例を考慮して売却を考える必要はありません。建物を取り壊さず売却する方が売れやすい場合もあります。譲渡所得が発生しそうか、特例の適用を受けられそうか、耐震リフォームや建物の撤去に補助金を受けられるか等、地元の不動産業者に査定を依頼し、相談してみるとよいでしょう。不動産業者に査定・売却を依頼するときには、税金のことにも詳しい不動産業者、税理士と連携しやすい不動産業者であれば安心です。税金にも詳しい不動産業者を探すには?不動産の査定・売却を依頼する不動産業者を探すときは、不動産一括査定『イエウール』を利用すると便利です。税金に詳しい業者や、税理士と連携しやすい業者を簡単に探せます。完全無料で利用できますから、お気軽に試してみてください。\ 税金にも詳しい不動産業者が見つかる /不動産一括査定「イエウール」について詳しく見てみるあなたに おすすめの記事「イエウール」を利用するメリット・デメリット、評判・口コミ相続した田舎の築40年以上の古い実家・空き家を売却するコツ5年間売れなかった築50年の相続空き家を売却できた理由とは?親が老人ホームや介護施設に入所し空き家になった実家を売却するとき関連相続した実家(空き家)を売るか貸すか、後悔しない判断の仕方空き家の維持管理費はどれくらいかかる?
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  • 建物解体のタイミング
    空き家を解体し更地で売却するとき建物撤去のタイミングは?
     屋を解体し、更地にすると、固定資産税や都市計画税の住宅用地特例の適用を受けられなくなり、土地の固定資産税や都市計画税が一気に跳ね上がります。税負担が重くなるばかりか、値引き交渉の材料に使われることがありますから、注意が必要です。ここでは、空き家を解体し、更地にして土地を売る場合の注意点について、お伝えします。  更地にして年を越すと税金が高くなる建物を取り壊して更地にすると、建物にかかる税金はなくなりますが、土地に住宅用地特例が適用されなくなり、固定資産税が最大6倍、都市計画税が最大3倍に急増します。空き家になっているような家屋であれば、築年数が相当古いでしょうから、建物の市場価値はほとんどなく、建物の固定資産税はそれほど高くありません。なので、建物の固定資産税がなくなることより、土地の住宅用地特例がなくなって固定資産税が上がることの方が、税負担が重くなるのです。都市計画税についても同じです。重要なのは、1月1日時点の状況で、固定資産税や都市計画税が課税されるということです。1月1日時点で建物が建っていれば、住宅用地特例が適用されて課税標準額が減額されますが、1月1日時点で更地になっていたら、住宅用地特例が適用されず、税額が前年に比べて一気に跳ね上がります。急いで建物を取り壊して、更地で年を越すと、それまで住宅用地特例が適用され、引き下げられていた固定資産税や都市計画税が急増します。更地で年を越さないように、家屋を取り壊すタイミングを計ることが大事です。住宅用地特例について詳しくはこちら固定資産税が高い分、値引き交渉の材料に使われる固定資産税や都市計画税は、1月1日時点の所有者に納税義務がありますから、売主に納税義務があります。住宅用地特例が適用されず、固定資産税や都市計画税が高くなるということは、売主の税負担が重くなるということです。問題は、売主の税負担が重くなるだけではありません。固定資産税や都市計画税が高くなることは、不動産売却にも影響するのです。土地・建物を年の途中で売却して所有権が移転しても。固定資産税や都市計画税は還付されません。その年の分は、1月1日の時点で所有していた売主に支払義務があります。そのため、土地・建物を売買するとき、固定資産税や都市計画税は、引渡しの時期に応じ、売主と買主の間で按分して清算するのが慣例です。買主は、購入代金とともに固定資産税・都市計画税の清算金を売主に支払います。清算金が高くなると、それだけ売れにくくなる可能性があります。あるいは、清算金が通常よりも高すぎると、値引き交渉の材料に使われることがあります。いずれにしても、固定資産税や都市計画税の清算金が高くなるということは、不動産売却でマイナス要因となるのです。売主にとっては、税負担は重くなるし、不動産売却においてもマイナスでしかありません。まさにダブルパンチです。空き家を解体して更地で土地を売るときの大事なポイント空き家を解体・撤去し、更地にして土地を売却しなければならない場合は、家屋の取り壊しのタイミングを年明けにずらして売ると、1月1日時点では家屋が建っているので、住宅用地特例が適用されます。ただし、この方法は、売り出すのを年明けまで待たなければなりません。1ヵ月程度ならまだしも、何ヵ月も待つことはできません。しかも、年明けは、売却物件が多く出ますから、競合物件が出て、価格競争になることもあります。ですから、次の方法をおすすめします。更地にして引き渡すことを条件に売り出し、買い手が見つかってから建物を除却する方法です。そうすることで、固定資産税・都市計画税が跳ね上がることを回避でき、年明けまで待つ必要もありません。しかも、買主にとって不要な建物を解体・撤去して更地で引き渡す約束ですから、買主が得した気分になるため、売主としては交渉がしやすいメリットもあるのです。まとめ固定資産税や都市計画税は、1月1日時点の状態に応じて課税されますから、家屋を取り壊して更地の状態で年を超すと、住宅用地特例が適用されず、固定資産税や都市計画税が一気に跳ね上がります。建物を取り壊して更地で土地だけを売却するときは、更地で年を越さないように、建物を解体撤去する時期・タイミングに注意が必要です。家屋を解体して土地を更地で売却するときは、更地にして引き渡すことを条件に売り出し、買い手が見つかってから解体撤去するのが基本です。相続した実家の地元の不動産業者を探すには?相続した空き家の売却をお考えのときは、不動産一括査定『イエウール』をおすすめします。相続した実家のある地元の不動産業者に査定を依頼でき、一番高く早く売れる不動産会社を簡単に探すことができます。売り出し方や、税金のことも相談できます。利用は完全無料です。お気軽に試してみてください。\ 実家の地元の不動産業者を探せる /不動産一括査定「イエウール」について詳しく見てみるあなたに おすすめの記事「イエウール」を利用するメリット・デメリット、評判・口コミ不動産売却で絶対にしてはいけないこと、必ずやるべきこと高く早く売れる不動産業者の選び方 2つポイントの相続した田舎の築40年以上の古い実家・空き家を売却するコツ5年間売れなかった築50年の相続空き家を売却できた理由とは?関連相続した実家(空き家)を売るか貸すか、後悔しない判断の仕方空き家の維持管理費はどれくらいかかる?
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  • 取得費加算の特例
    相続した実家を売却したときは取得費加算の特例で譲渡所得税を減額
    実家を相続したものの相続税が払えず、相続税を支払うために相続した不動産を売却したら、譲渡所得税まで支払う羽目に…。これでは踏んだり蹴ったりです。そんな事態を避けるため、相続から一定期間内に相続財産を売却した場合には、相続税と譲渡所得税が相次いで課税されることのないようにする特例があります。これを「相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例」といいます。詳しく見ていきましょう。相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例とは相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例とは、相続により取得した土地・建物を一定期間内に譲渡した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができるというものです。取得費加算額(取得費に加算される相続税相当額)の計算方法取得費に加算できる相続税相当額は、売却した相続財産に対応する相続税額です。相続財産を全部売却した場合は、相続税全額が取得費加算額です。相続財産の一部を売却した場合は、全相続財産の相続税評価額のうち、譲渡資産の相続税評価額の割合を相続税額に乗じた額が、取得費加算額となります。つまり、取得費加算額は、次のような計算式になります。取得費加算額の計算式取得費加算額 = A ×(B / C)A:支払った相続税額B:相続財産のうち売却した不動産に対する相続税評価額C:相続財産の相続税評価額の合計額(債務控除前の額)取得費と取得日は被相続人から相続人に引き継がれる相続した土地・建物の取得費と取得日は、被相続人から相続人に引き継がれます。したがって、相続により引き継いだ取得費に、相続税相当額を加算した額が、控除できる取得費となります。取得日も相続により引き継ぎますから、たいていは長期譲渡所得の低い税率が適用できます。実際の取得費が分からず、概算取得費(売却価額の5%)を取得費として譲渡所得を計算する場合も同様に、概算取得費に相続税相当額を加算した額が取得費となります。譲渡所得と譲渡所得税の計算方法譲渡所得は、譲渡収入額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。譲渡所得税は、譲渡所得に所定の税率をかけて計算します。詳しくは次のページをご覧ください。譲渡所得の計算方法譲渡所得税の税率と計算方法取得費不明のときに譲渡所得の計算で取得費を控除する方法取得費加算の特例の適用要件取得費加算の特例の適用を受けるための要件は、次の3つです。特例の適用要件相続や遺贈により財産を取得した者であること。その財産を取得した人に相続税が課税されていること。その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。注意が必要なのは、3つ目の要件です。相続税の申告期限は「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内」ですから、相続後3年10ヵ月以内に売却することが要件となります。相続開始後3年10ヵ月を過ぎて売却すると、取得費加算の特例は受けられないので注意してください。相続空き家を売却したときには、一定の要件を満たせば、「譲渡所得の特別控除の特例」の適用を受けることができますが、「特別控除の特例」と「取得費加算の特例」を併用することはできません。まとめ相続した実家を売却するときは、相続から3年10ヵ月以内に売却すれば、実家の売却にかかる譲渡所得税を計算する際、相続税相当額を取得費に加算して税額を減らすことができます。これを「相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例」といいます。「取得費加算の特例」についてさらに詳しくは、国税庁のWebサイトをご覧ください。国税庁タックスアンサー:「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」不動産売却では、いくらで売れるかは大切ですが、税金や諸費用を差し引いて、いくら手元に残るかが大事です。不動産業者に査定・売却を依頼するときには、税金のことにも詳しい不動産業者、税理士と連携しやすい不動産業者であれば安心です。税金にも詳しい不動産業者を探すには?不動産の査定・売却を依頼する不動産業者を探すときは、不動産一括査定『イエウール』を利用すると便利です。税金に詳しい業者や、税理士と連携しやすい業者を簡単に探せます。完全無料で利用できますから、お気軽に試してみてください。\ 税金にも詳しい不動産業者が見つかる /不動産一括査定「イエウール」について詳しく見てみるあなたに おすすめの記事「イエウール」を利用するメリット・デメリット、評判・口コミ不動産売却で絶対にしてはいけないこと、必ずやるべきこと高く早く売れる不動産業者の選び方 2つポイントの相続した田舎の築40年以上の古い実家・空き家を売却するコツ5年間売れなかった築50年の相続空き家を売却できた理由とは?関連相続した実家(空き家)を売るか貸すか、後悔しない判断の仕方空き家の維持管理費はどれくらいかかる?
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