不動産売却査定ガイド|家・土地・マンションを高く早く売るコツ

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  • 相続した築古実家を売るコツ
    相続した田舎の築40年以上の古い実家・空き家を売却するコツ
    田舎の築年数の古い空き家を売却するときは、ちょっとしたことで、売れやすくなったり、売れにくくなったりする場合があります。築40年以上の田舎の古い空き家を、余計な費用をかけずに、早く高く売却するコツをお伝えします。相続した田舎の実家を少しでも高く売却したい方、少しでも早く処分したい方は、ぜひ、ご覧になってみてください。たったこれだけの違いで多くの売主が損している!田舎の古い家は、相続したままの状態で、片付けや掃除をしなままで、売りに出されることも珍しくありません。しかし、そのことで損をしています。家財道具は撤去しなくてよいが、掃除は必要片づけや掃除をしているかどうかで、内見時の反応が違います。こざっぱりと片付いていれば、購入を前向きに考えることができますが、汚い物件は購入に至りません。そこでの生活がイメージできないし、不用品の撤去やリフォームにいくらかかるか分からず不安だからです。片付けや掃除をするといっても、家財道具を全て撤去する必要はありません。そこまですると手間も費用もかかります。荷物があっても、きちんと整頓され、きれいに掃除されていれば、それだけで印象は違うのです。それに、家財道具は置いておく方が良いのです。田舎の古い家を購入する方は、家財道具を使ってくれる場合があるからです。買主さんが必要な物は残し、必要でないものだけを処分することで、双方が費用面で助かります。早く売り抜けるほど、高く売れる不動産売却というのは、最初は相場より少し高めに売り出し、反応を見ながら販売価格を段々と下げていき、売れる価格を探るのが一般的です。なので、早く売れるというのは、高く売れるということでもあります。片付けや掃除をしておくことで、早く高く売れる可能性が高まるのです。高く売れるといっても、過度の期待は禁物。残念ながら、築年数の古い住宅に市場価値は、ほとんどありません。木造住宅であれば、築20年を超えると、建物の市場価値は、ほぼゼロと見なされます。築年数では市場価値がなくても、住居としての使用価値はあります。築30年や築40年の家でも住むことができます。なので、築40年以上の田舎の古い家でも、土地代に建物の使用価値がプラスαされた価格で売ることができるのです。もっとも、リフォームにかかる費用は、販売価格から値引きを求められます。傷みが激しいほど、大規模なリフォームが必要ですから、それだけ値引き幅が大きくなります。場合によっては、建物の撤去費用を負担せざるを得なくなってしまいます。売却に長くかかるほど、経年劣化が進み、売れにくくなり、売れたとしても安く買い叩かれてしまいます。その間の維持管理費もかかります(空き家の維持管理費はこちら)。売却までに時間がかかると、維持管理費も高くつきます。つまり、田舎の古い家は、正確な相場価格を知り、適正な価格で売り出し、早く売り抜けるほど、余計な費用をかけることなく高く売れるのです。相続した実家の正確な相場価格を知るには?築古でも建物を壊さずに売り出す方が売れやすい田舎の空き家は、築年数が古くても、建物を壊さずに売りに出すのが鉄則です。建物を解体して更地にすると、かえって売れにくくなります。古い建物など取り壊して、更地にしてしまった方が、新しく家を建てたり、駐車場等に使ったりできるので、用途の幅が広がり売れやすいように思えるかもしれませんが、田舎には安い土地はいくらでもあります。近年、豊かさの価値観が変わり、仕事や生活のスタイルが多様になり、地方の戸建て住宅が見直されてきています。特に、コロナ以降は顕著です。田舎の古い戸建て住宅に価値を見出す人が増えています。田舎の築古物件は、こんな人たちに人気田舎の古い戸建て住宅は、こんな人たちに人気です。密を避け、自然の豊かな環境の中で暮らしたい人田舎で家庭菜園をしながら、のんびり暮らしたい人都会の暮らしに疲れ、スローライフを楽しみたい人多拠点生活をする人田舎でセカンドライフを始めたい人子どもたちを伸び伸び育てたい人ペットを飼い、ペットとともに暮らしたい人更地に新しく家を建てるとなると、やはり費用がかかりますが、古くても建物が建っていれば、安く購入して、必要最低限のリフォームで住むことができます。自分でリフォームを楽しむ人たちも増えています。これが、更地にしてしまうよりも、古くても建物を残しておいた方が売れやすい理由です。更地にすると固定資産税が最大6倍に跳ね上がります。この点からも、建物を残したまま売る方がよいのです。相続空き家を解体するベストなタイミングについてはこちらをご覧ください。田舎の築古空き家が投資物件として注目されている投資物件として購入する人たちからも、田舎の築古戸建てが人気です。不動産投資というと、アパートや区分所有マンションが主でしたが、近年は、地方の戸建て住宅に投資する人も増えています。その理由は、地方の戸建ての賃貸に需要があるからです。しかも、アパート経営と比べて、物件購入費が安い、ランニングコストが安い、長く住んでもらえる可能性が高い、売るときに売りやすい、といったメリットがあります。地方の戸建て住宅なら、250万円~300万円くらいから購入することができます。もっと安く買える場合もあり、銀行で借りなくても自己資金で購入することも可能です。堅実な投資をしたいという人から人気なのです。アパートは、部屋を退去するたびに原状回復費用がかかるほか、共用廊下の電気代、共用部分の掃除、庭の草取りなど、何かと手間やコストがかかります。それに対して、戸建て住宅は、共用部分がありませんから、ランニングコストも手間もかかりません。1戸建ては、一度貸してしまえば、ほとんど手がかからないのです。さらに、アパートに比べて、長く住んでくれる傾向があります。また、入居者がいる状態で売れば、投資家に売ることもできます。場合によっては、入居者が購入を希望してくる場合もあるのです。戸建て住宅には、こうしたメリットがあるため、地方の戸建ての賃貸物件の需要が増加しているもとで、不動産投資をする方にも人気が高まり、そういう人に購入してもらえる可能性もあるのです。住宅ローンが使えない問題を解決すると高く売れる田舎の築古住宅は、買主が住宅ローンを使えない状態の物件が結構あります。住宅ローンを使えるかどうかは、買主にとってはもちろん、売主にとっても重要な問題です。買主が住宅ローンを使えないと、値引きせざるを得なかったり、売却のチャンスを失うことがあるからです。住宅ローンの審査を通りにくくしている土地や建物の問題を解決し、買主が住宅ローンを使えるようにすることで、より高く売却することができるようになります。なぜ、田舎の家は住宅ローンの審査が通りにくいのか?なぜ、田舎の古い家は、住宅ローンの審査が通りにくいのかというと、担保価値が低すぎるとか、越境や未登記の建物がある、地目が宅地でない、といった事情があるからです。具体的に、田舎の築古物件の問題点と対策を見ていきましょう。隣地との境界があいまい、越境がある田舎の古い家は、隣地との境界があいまいだったり、越境がある、というのは珍しいことではありません。しかし、売却するとなると、お互いに越境したり越境されたりしている部分について、解決しておく必要があります。越境を解消しないと、住宅ローンを借りることはできません。未登記の建物がある田舎の古い家の場合、納屋など未登記だったということがよくあります。未登記の建物があると、住宅ローンを借りることができません。未登記の建物を登記する必要があります。地目が宅地でない土地の地目が宅地でないと、ほとんどの銀行は住宅ローンを借りられません。例えば、敷地が雑種地や山林だったりすると、地目変更しないと、買主が住宅ローンを借りられない可能性があります。地目が農地の場合は、農地転用の手続も必要となります。ただし、地目が宅地でない場合でも、すぐに地目変更せず、買主が決まってから地目変更することをおすすめします。地目が宅地でなくても、貸してくれる銀行があります。また、土地が広い場合、全て宅地に変更すると、固定資産税が跳ね上がるからです。担保価値が低すぎる田舎の安い土地に築年数の古い建物が建っている場合、土地も建物も担保価値がないため、都銀やネット銀行は貸してくれません。地元の地銀や信金などを当たれば、住宅ローンを借りられる可能性があります。住宅ローンを使えない場合住宅ローンを使えない場合は、無担保住宅ローンを使う方法があります。無担保住宅ローンは、購入する土地や家に抵当権を設定しないので、土地や建物に多少の問題があっても、借主に支払能力があれば融資を受けられるのです。売値は安くていいから早く売却したいとき安くていいから、とにかく早く売却したい、処分したい、という場合は、不動産業者に買取してもらう方法があります。一般の売却よりも価格は安くなりますが、業者の査定価格(見積価格)で、家財道具等すべてひっくるめて買い取ってくれます。自分で片付けや掃除をする必要もありません。業者買取の場合には、仲介手数料も不要です。価格はいくらでもいい、とはいえ、やはり少しでも高く買い取ってもらいたいものです。そんなときは、複数の不動産業者に買取査定を依頼し、査定結果を比較するとよいでしょう。普通の売却の場合には、査定額で売却できるとは限りませんが、買取の場合には、査定額で買取してもらえます。一括査定を利用すると、業者同士で競い合いますから、一番高く売れる業者を簡単に見つけることができます。\ 一番高い買取価格が簡単に分かる /複数社に一括で買取査定を依頼する売却後に責任を負わないように売る方法売主は、自分が売った住宅に欠陥等があった場合には、契約不適合責任(以前の瑕疵担保責任)を負います。売った後で、雨漏りやシロアリの害などが見つかれば、修補や損害賠償を請求される可能性があります。古い家は、そのリスクが高いのです。売却後に責任を負わずに済む方法としては、2つの方法があります。契約不適合責任免責(以前の瑕疵担保責任免責)として売る方法と、古家つき土地として売る方法です。契約不適合責任を免責する特約は、売主が宅建業者や事業者でない限り有効に成立しますが、知りながら告げなかった事実については、責任を免れることはできません(民法572条)。古家つき土地として売る場合には、あくまでも土地として売るので、建物にいかなる欠陥があっても、そのことで責任を問われることはありません。古家つき土地や契約不適合責任免責で売るとよいのは、築古物件の場合です。あとで責任を負わなくて済むからと、築浅物件を古家つき土地として売ると、建物の価値はゼロと見なされます。また、築浅物件を契約不適合責任免責とすれば、何か欠陥があるのではないかと疑われ、売れなかったり安く買い叩かれたりしますから、ご注意ください。まとめ相続した田舎の古い実家を売却する場合には、正しい相場価格を知って、早く売り抜けるほど高く売ることができます。その際、建物が古く市場価値がないからと、解体してしまわないことが大切です。田舎の築古住宅に需要があります。更地にしてしまうと、かえって売りにくくなります。自治体が、空き家の有効活用を促進するため、仲介やリホーム費用の助成を実施しているところもありますから、自治体の仲介制度や助成制度を利用するのもよいでしょう。田舎の築古物件の査定・売却を依頼する業者の選び方なお、田舎の築古物件の売却は、地元の不動産業者に相談することをおすすめします。大手の方が売れやすいと思うかもしれませんが、田舎の売れるか売れないか分からない、売れたとしても、ほんのわずかの仲介手数料しか得られない物件など、大手が真剣に売却活動してくれることはない、と思っておいた方がよいでしょう。田舎の築古物件の売却に強い不動産業者を探すには、不動産一括査定「イエウール」の利用をおすすめします。全国の地元密着の不動産業者が多数登録していますから、あなたの物件を、一番早く高く売れる業者がきっと見つかるでしょう。\ 早く高く売却できる地元密着業者が見つかる /不動産一括査定「イエウール」を詳しく見てみる5年間売れなかった築50年の相続空き家を売却できた理由とは?5年間、売れる気配すらなかった築50年の実家が、あることがきっかけで、ついに売れた! どうやって売却できたのか? ⇒詳しく見る
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  • 空き家の住宅用地特例
    住宅用地とは?空き家の敷地に住宅用地特例が適用される要件
    住宅用地特例の対象となる住宅用地とは、どんな土地が該当するのでしょうか?従来は、空き家にも住宅用地特例が適用されてきましたが(空き家になっても実態を調査しないため、適用が解除されなかっただけですが…)、2021年6月30日に空家法の基本指針とガイドラインが改正され、今後は、住宅用地特例の適用が解除される空き家が増えてきそうです。住宅用地特例が適用される空き家と、適用されない空き家の違いとは?詳しく見ていきましょう。住宅用地とは?住宅用地特例の対象となる住宅用地は、地方税法において、次のように分類・定義されています。土地は、農地と宅地等(農地以外の土地)に分類され、宅地等は、さらに住宅用地と商業地等(住宅用地以外)に分類されます。土地宅地等住宅用地(戸建住宅やアパートの敷地など)商業地等(店舗の敷地、空地など)農地住宅用地とは「住宅の敷地の用に供されている土地」です。住宅とは「人の居住の用に供する家屋」をいいます。家屋とは「住宅、店舗、工場、倉庫その他の建物」です。現に住居として使用している家屋の敷地は、もちろん住宅用地ですが、その家屋が空き家となった場合、引き続き住宅用地として認められるわけではありません。住宅用地特例が適用される空き家とは?空き家となった場合に引き続き住宅用地と認められるかどうかのポイントは、地方税法の規定によれば、人の居住の用に供する家屋(=住宅)といえるかどうかです。普通に考えれば、誰も住まなくなって空き家となっているのですから、人の居住の用に供する家屋とはいえず、その敷地は住宅用地とはいえません。ですが、「人の居住の用に供する」とは、現に住居として使用している場合のほか、住居として使用するために必要な管理を行っている場合も含まれます。例えば、いずれ、そこに移り住む予定であるため、必要な管理を行っている場合は、その間は誰も住んでいない空き家だとしても、住宅とみなされるのです。なので、空き家になったからといって、ただちに住宅用地特例の適用対象から除外されるわけではありません。住宅用地特例の適用が除外される空き家とは?居住の用に供するための必要な管理を怠り、今後人の居住の用に供される見込みがないと認められる場合は、住宅に該当しなくなります。地方税法における住宅用地の認定に関する総務省の通知や、空家特措法における国土交通省の指針によると、その家屋の使用・管理の状況、所有者等の状況等から客観的にみて、次の3つのいずれかに該当する場合には、人の居住の用に供する家屋(=住宅)と認められず、住宅用地特例の適用を受けられません。いずれかに該当すると住宅用地特例から除外構造上住宅と認められない状況にある場合使用の見込みはなく取壊しを予定している場合居住の用に供するために必要な管理を怠っている場合等で今後人の居住の用に供される見込みがないと認められる場合地方税法における住宅用地の認定に関する総務省の通知総務省は、住宅用地の認定について、次のような通知を都道府県に出しています。地方税法第349条の3の2の規定における住宅用地の認定について等の一部改正について(2015年5月26日)賦課期日における当該家屋の使用若しくは管理の状況又は所有者等の状況等から客観的にみて、当該家屋について、構造上住宅と認められない状況にある場合、使用の見込みはなく取壊しを予定している場合又は居住の用に供するために必要な管理を怠っている場合等で今後人の居住の用に供される見込みがないと認められる場合には、住宅には該当しないものであるので、賦課期日における当該家屋の客観的状況等に留意する必要がある。空家特措法における国土交通省の指針国土交通省も、2021年6月30日に改正された空家法の基本指針で、次のように明記しました。なお、この基本指針は、「総務省・国土交通省告示第1号」です。空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針(2021年6月30日改正)家屋の使用若しくは管理の状況又は所有者等の状況等から客観的にみて、当該家屋について、構造上住宅と認められない状況にある場合、使用の見込みはなく取壊しを予定している場合又は居住の用に供するために必要な管理を怠っている場合等で今後人の居住の用に供される見込みがないと認められる場合には、住宅には該当しないものであるため、そうした家屋の敷地についてはそもそも固定資産税等の住宅用地特例は適用されない。したがって、空家等対策で得られた情報について、税務部局(特別区にあっては東京都の税務部局)と情報共有し、連携して必要な対応を行うことが重要となる。住宅用地特例の適用が厳格化国土交通省は、空き家対策を強化するため、空家法の基本指針とガイドラインを2021年6月30日に改正しました。新しい基本指針やガイドラインでは、幅広く特定空家と認定して勧告・命令を強めるとともに、上で紹介したように、空き家の立ち入り調査で得た情報を税務部局と共有し、住宅用地の認定を厳格化、住宅用地特例の適用除外も積極的に進めていく方向を示しました。今後、住宅用地特例の適用が解除される空き家が増えてきそうです。住宅用地特例の適用が解除されると、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる場合がありますから、注意が必要です。空家法の基本指針とガイドラインの改正ポイントはこちらまとめ住宅用地とは、住宅(人の居住の用に供する家屋)の敷地の用に供されている土地のことです。現に住居として使用している場合のほか、住居として使用するために必要な管理を行っている場合も含まれます。住居として使用していた家屋が空き家となった場合でも、住居として使用するために必要な管理を行っていれば、ただちに住宅用地特例が解除されることはありません。ですが、必要な管理を怠り、居住の用に供する見込みがないと認められる場合や、空家法に基づき特定空家と認定され、必要な措置を講じるよう勧告を受けた場合は、住宅用地特例の適用を受けられなくなります。住宅用地特例の適用が厳格化!住宅用地特例が、老朽化した空き家が放置される要因となっていることから、国は厳格に運用する方向へ切り替えようとしています。空き家を保有している方は、売却するか、活用するか、早めに決めて対応することが必要です。まずは「今の価値がどれくらいあるか?」から調べてみましょう。売却するか活用するかは、その結果をふまえて検討する方が判断しやすく、後悔することもありません。\ いま売ったらいくら? /いまの価値を無料診断してみるあなたに おすすめの記事相続した実家を売るか貸すか、後悔しない判断の仕方とは?空き家の維持費・管理費はどれくらいかかる?相続した田舎の築40年以上の古い実家・空き家を売却するコツ5年間売れなかった築50年の相続空き家を売却できた理由とは?田舎の築古空き家の売却仲介を不動産業者に断られたときはどうする?
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  • 特定空家の判断基準
    特定空家等の判断基準とは?どんな空き家が特定空家と認定される?
    空き家対策特別措置法により「特定空家等」と認定されると、市町村から行政指導や行政処分を受けます。どんな状態の空き家が、特定空家と認定されるのか、詳しく解説します。空家法の対象となる空家等・特定空家等とは?まず、空家法が対象とする空き家とはどんな状態のものをいうのか見ておきましょう。「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空家法)は、平成26年(2014年)11月に成立し、翌2015年5月に全面施行されました。空家法により、市町村は、空家等の立入調査(空家法9条)、空家等の所有者に関する情報の利用(空家法10条)、特定空家等の所有者に対し、修繕や除却など必要な措置をとるよう、指導・勧告・命令ができるようになりました(空家法14条)。空家法は、法の対象とする空家等と特定空家等について、次のように定めています。まずは、条文をざっとご覧ください。空家法2条この法律において「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。この法律において「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。空家法が対象とする「空家等」「特定空家等」について、詳しく見ていきましょう。「空家等」とは?空家等とは「建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの」及び「その敷地(立木その他の土地に定着する物を含む)」と定めています(空家法2条1項)。以下、国土交通省の「基本指針」(空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針)を参考に説明します。「建築物またはこれに付随する工作物」とは?建築物とは、建築基準法2条1号の建築物と同義で、土地に定着する工作物のうち、屋根・柱・壁を有するもの、それに付属する門・塀などのことです。「これに付属する工作物」とは、建築物に付属する工作物で、袖看板・ネオン看板などが該当します。門・塀以外の工作物です。「土地に定着する物」とは?「土地に定着する物」には、庭木のほか、雑草等も含まれます。敷地を含めて、すなわち建築物・工作物・敷地を一体のものとして、空家等と定義されていることに注意してください。「居住その他の使用がなされていないことが常態」とは?さらに「居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの」とされています。「居住その他の使用がなされていないこと」とは、「人の日常生活が営まれていない、営業が行われていないなど、当該建築物等を現に意図をもって使い用いていないことをいう」とされています。「居住その他の使用がなされていない」ことが「常態である」とは、建築物等が長期間にわたって使用されていない状態です。基本指針では「概ね年間を通して建築物等の使用実績がない」ことを1つの基準としています。「不使用が常態」というのは、客観的にそのように認められるということであり、所有者の主観的意思は決定的要素とはなりません。人の出入り実績、電気・水道・科すなどの使用実績、外観、登記簿・住民票の内容などを総合的に勘案して判断します。ですから、所有者が「使用している」と主張しても、その様子が確認できない場合は、空家等と判断されます。使用と管理は違います。使用とは、住居や店舗として建築物を現に意図をもって使い用いることです。年に数回訪れて外観を見たり換気をしたりする程度の場合は、管理はされているけれども使用はされていないため、空家等と判断されます。逆に「不使用が常態」でなければ、空家等に該当しません。例えば、次のような場合は、空家法の空家等に該当しません。屋根に穴が開き、壁が崩れ、今にも倒壊しそうな建築物であっても、使用されていれば、空家法の対象ではないのです。こういう場合は、建築基準法等により対応することになります。浮浪者が住みついていると、空家法の規定する空家等には当たりません。空家法では、建築物を使用している者に使用権原があるかどうかは問わないからです。もっとも、こういう場合は建造物侵入罪(刑法130条)に当たりますから、警察の協力を求めて排除したうえで、常態性を認定することになります。いわゆる「ゴミ屋敷」も、使用していれば、空家法の対象外です。環境保護条例などで対応することになります。「特定空家等」とは?特定空家等とは、空家等のうち、次の4つの状態のいずれかの状態にあると認められるものをいう、と定義されています(空家法2条2項)。いずれかの状態にあると認められる空家等が「特定空家等」そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態空家等と特定空家等の違いは、空家等は、単に「使用がなされていないことが常態であるもの」にすぎないのに対し、特定空家等は、「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」等にあると認められるものです。そのため、空家等は、空家法の「立入調査」(空家法9条)や「所有者に関する情報の利用等」(空家法10条)の規定が適用されるにすぎないのに対し、特定空家等は、所有者に対し、除却・修繕などを行うよう、助言・指導、勧告、命令をする対象となります(空家法14条)。必要な措置を講じるよう勧告を受けると、固定資産税や都市計画税の住宅用地特例を受けられなくなります。したがって、特定空家等と認定されるかどうかは、空き家の所有者にとって極めて重要です。問題は、法に規定する「著しく保安上危険となるおそれのある状態」や「著しく衛生上有害となるおそれのある状態」などが、具体的にどういう状態なのか、ということです。どんな状態の空き家が特定空家と判断されるのか?特定空家の判断基準については、国土交通省が、ガイドライン(特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針)において示しています。そこで、ガイドラインを参考に、特定空家とはどんな状態の空き家をいうのか、ご紹介していきます。その前に、1つ大事なことをお伝えします。国土交通省は、2021年6月30日、空き家対策を強化するため、基本指針とガイドラインを改正しました。改正ポイントの1つが、特定空家等の判断基準に関わることです。空家法は、最初に条文をご紹介したように、特定空家等とは「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」や「そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態」と認められる空家等と規定しています(空家法2条2項)。改正された基本指針とガイドラインは、この保安上危険・衛生上有害となるおそれのある状態というのは、現に著しく保安上危険・衛生上有害な状態の場合だけでなく、将来そのような状態になることが予見される場合も含むことを明確にしました。実は、旧ガイドラインにも「将来そのような状態になることが予見される場合を含む」ことは、かっこ書きで記載されていたのですが、それを前面に押し出してきたのです。もっと広範に特定空家等と認定し、法に基づく措置を行えるようにすることがねらいです。今後は、特定空家と認定されるケースが増えてきそうです。「基本指針」と「ガイドライン」の改正ポイントについて詳しくはこちらそれでは、改正された新ガイドラインを参考に、どんな状態の空き家が特定空家と認定され、法に基づく措置の対象となるのか、具体的に見ていきましょう。「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」とは「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」とは、例えば、次のような状態です。部材の破損や不同沈下等の状況により、建築物に著しい傾斜がある。基礎に大きな亀裂、多数のひび割れ、変形または破損が発生している。腐食または蟻害によって土台に大きな断面欠損が発生している。柱、はり、筋かいに大きな亀裂、多数のひび割れ、変形または破損が発生している。屋根ふき材に不陸、剥離、破損または脱落が発生している。外壁に、剥離、破損または脱落が発生している。擁壁表面に水がしみ出し、ひび割れが発生している。具体的にどのような場合が「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」に該当するかは、ガイドラインを参考にしつつ、個別具体的に判断することになります。ガイドラインには、次のような考え方の参考例が示されています。一例をご紹介します。建築物の傾斜が原因で、著しく保安上危険となるおそれのある状態とは?「建築物の傾斜が原因で著しく保安上危険となっている状態」とは、例えば、下げ振り等を用いて建築物を調査できる状況にある場合は、1/20超の傾斜が認められる状態が該当。「将来そのような状態になることが予見される状態」とは、例えば、1/20を超えないが、基礎の不同沈下や部材の損傷等により建築物に傾斜が認められる状態が該当。外壁の脱落等が原因で、著しく保安上危険となるおそれのある状態とは?「外壁の脱落等が原因で著しく保安上危険となっている状態」とは、例えば、上部の外壁が脱落しそうな状態が該当。「将来そのような状態になることが予見される状態」とは、例えば、上部の外壁がただちに脱落するおそれはないものの、上部の外壁材に浮きがある又は外壁に複数の亀裂がある状態が該当。「そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態」とは「そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態」は、「建築物・設備等の破損等が原因の場合」と「ごみ等の放置・不法投棄が原因の場合」があります。建築物・設備等の破損等が原因で、著しく衛生上有害となるおそれのある状態とは?「建築物・設備等の破損等が原因で著しく衛生上有害となっている状態」とは、例えば、①吹付け石綿等が飛散し暴露する可能性が高い、②浄化槽等の放置、破損等による汚物の流出、悪臭の発生があり、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている、などの状態が該当。「将来そのような状態になることが予見される状態」とは、例えば、①吹付け石綿等が飛散し暴露する可能性は低いが、使用が目視により確認できる、②地域住民の日常生活に支障を及ぼす状態にはなっていないが、浄化槽等の破損等により汚物の流出、悪臭の発生のおそれがある、などの状態が該当。ごみ等の放置・不法投棄が原因で、著しく衛生上有害となるおそれのある状態とは?「ごみ等の放置・不法投棄が原因で著しく衛生上有害となっている状態」とは、例えば、ごみ等の放置・不法投棄により、悪臭や多数のねずみ・はえ・蚊等が発生し、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている状態が該当。「将来そのような状態になることが予見される状態」とは、例えば、地域住民の日常生活に支障を及ぼす状態にはなっていないが、ごみ等の放置・不法投棄により、悪臭や多数のねずみ・はえ・蚊等の発生のおそれがある状態が該当。「適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態」とは「適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態」は、「既存の景観に関するルールに著しく適合しない状態になっている場合」と「周囲の景観と著しく不調和な状態である場合」があります。適切な管理が行われていない結果、既存の景観に関するルールに著しく適合しない状態となっている。景観法に基づき景観計画を策定している場合において、当該景観計画に定める建築物又は工作物の形態意匠等の制限に著しく適合しない状態となっている。景観法に基づき都市計画に景観地区を定めている場合において、当該都市計画に定める建築物の形態意匠等の制限に著しく適合しない、又は条例で定める工作物の形態意匠等の制限等に著しく適合しない状態となっている。地域で定められた景観保全に係るルールに著しく適合しない状態となっている。その他、以下のような状態にあり、周囲の景観と著しく不調和な状態である。屋根、外壁等が、汚物や落書き等で外見上大きく傷んだり汚れたまま放置されている。多数の窓ガラスが割れたまま放置されている。看板が原型を留めず本来の用をなさない程度まで、破損、汚損したまま放置されている。立木等が建築物の全面を覆う程度まで繁茂している。敷地内にごみ等が散乱、山積したまま放置されている。「その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態」とは「その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態」は、「立木が原因の場合」「空家等に住みついた動物が原因の場合」「建築物等の不適切な管理が原因の場合」があります。立木が原因で、以下の状態にある。立木の腐朽、倒壊、枝折れ等が生じ、近隣の道路や家屋の敷地等に枝等が大量に散らばっている。立木の枝等が近隣の道路等にはみ出し、歩行者等の通行を妨げている。空家等に住みついた動物等が原因で、以下の状態にある。動物の鳴き声その他の音が頻繁に発生し、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている。動物のふん尿その他の汚物の放置により臭気が発生し、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている。敷地外に動物の毛又は羽毛が大量に飛散し、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている。多数のねずみ、はえ、蚊、のみ等が発生し、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている。住みついた動物が周辺の土地・家屋に侵入し、地域住民の生活環境に悪影響を及ぼすおそれがある。シロアリが大量に発生し、近隣の家屋に飛来し、地域住民の生活環境に悪影響を及ぼすおそれがある。建築物等の不適切な管理等が原因で、以下の状態にある。門扉が施錠されていない、窓ガラスが割れている等不特定の者が容易に侵入できる状態で放置されている。屋根の雪止めの破損など不適切な管理により、空家等からの落雪が発生し、歩行者等の通行を妨げている。周辺の道路、家屋の敷地等に土砂等が大量に流出している。まとめどんな状態の空き家が特定空家と認定されるのか、特定空家の判断基準について、おもなポイントをご紹介しました。実家を相続して空き家のまま放置している場合は、特定空家と認定される前に、売却するなり、利活用するなり、早めの対応をおすすめします。まずは「今の価値がどれくらいあるか?」から調べてみましょう。売却するか活用するかは、その結果をふまえて検討する方が判断しやすく、後悔することもありません。\ いま売ったらいくら? /いまの価値を無料診断してみるあなたに おすすめの記事相続した実家を売るか貸すか、後悔しない判断の仕方とは?空き家の維持費・管理費はどれくらいかかる?相続した田舎の築40年以上の古い実家・空き家を売却するコツ5年間売れなかった築50年の相続空き家を売却できた理由とは?田舎の築古空き家の売却仲介を不動産業者に断られたときはどうする?【参考】・国土交通省「基本指針」(空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針)・国土交通省「ガイドライン」(特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針)
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  • 空き家の維持管理費
    空き家(戸建・マンション)の維持費・管理費はどれくらいかかる?
    空き家は、あなたが思っている以上に「金食い虫」です。実家を相続し、「住むつもりはないけど、しばらくはそのまま置いておこう」と思っている方は、ご注意ください。空き家の維持費・管理費として、どんな費用が、どれくらいかかるのか、主なものを見てみましょう。空き家にかかる税金(固定資産税・都市計画税)空き家にも固定資産税がかかります。空き家のある地域によっては、都市計画税がかかる場合もあります。しかも、空き家を適正に管理せず放置しておくと、税金が高くなります。固定資産税固定資産税は、毎年1月1日時点で所有している土地・家屋に課せられる税金です。固定資産税の標準税率は1.4%です。課税標準額に税率を乗じて計算します。都市計画税都市計画法による市街化区域にある土地や家屋については、固定資産税に加えて都市計画税も課税される場合があります。都市計画税の制限税率は0.3%です。空き家も住宅用地特例により減額されますが…住宅用地については、固定資産税と都市計画税の軽減措置(住宅用地特例)がありますが、必要な管理を怠り、住居として使用される見込みがないと判断された場合や、空家法に定める特定空家等に認定され、必要な措置を講じるよう勧告を受けた場合は、住宅用地特例の適用対象から除外されます。住宅用地特例の適用を受けられなくなると、固定資産税が最大6倍に、都市計画税が最大3倍に跳ね上がる場合がありますから、適切な維持管理が大切です。今後、住宅用地特例の解除が増えるかも…!?国土交通省は、2021年6月30日、空家法の基本指針とガイドラインを改正しました。幅広く特定空家と認定し、行政指導や行政処分を強化する方針です。空き家の立ち入り調査を進める中で、住宅と認められない状態の場合や、必要な管理が行われておらず、今後居住の用に供される見込みがないと認められる場合は、税務部局と情報共有し、積極的に住宅用地特例を解除する方向性も示しました。今後は、空き家のまま放置していると、住宅用地特例の適用を受けられなくなるリスクがあります。その他の費用(戸建て・マンション共通の維持費)戸建て住宅・分譲マンションに共通の維持管理費として、固定資産税や都市計画税のほか、次のような費用があります。水道代・電気代家は、住む人がいなくなると、閉め切っているため湿気がこもり、劣化が進みやすくなります。ですから、月に1回程度は、窓を開けて風を通し、空気を入れ替え、掃除をすることが必要です。そのためには、水道や電気は契約したままにしておく必要があります。水道を止めると、水道管がさびて破損しやすくなったり、下水が臭ってきたリ、虫が進入してきたリします。定期的に水を通すことが必要です。電気は、アンペア数を下げ、ブレーカーは常に落としておくなどの節約が必要です。場合によっては、使用する量や頻度によって契約を見直すことも必要です。水道料金と電気料金あわせて、おおむね年間5万~6万円程度かかります。往復の交通費実家まで車で何時間もかかったり、電車や飛行機を乗り継がないと行けないような距離だと、往復の交通費が嵩みます。空き家管理サービスを利用する費用空き家を自分で管理できない場合は、空き家管理サービスなどを頼む必要があります。マンションなら、部屋の換気、清掃、通水、雨漏り・カビのチェック、ポストの確認・清掃などを依頼でき、戸建て住宅なら、その上に建物外部の目視点検、防犯確認、庭木の確認なども依頼できます。業者やプランによって異なりますが、月1回の管理サービスの契約で、費用は月5,000円~1万円程度です。火災保険火災保険は、たいてい空き家を対象外としていますから、住宅としての契約のままだと、万が一のとき、保険金が出ない可能性があるので、注意が必要です。空き家は保険料が高い空き家でも契約できる火災保険はありますが、住居専用として使用する建物(住宅物件)ではなく、店舗や事務所と同じ一般物件となり、保険料は住宅物件の倍近くになります。人が住んでいる家に比べて管理が適切に行われにくいため、不法侵入による火の不始末から起こる火災や、台風などによる建物の損壊や屋根の落下など、リスクが高いからです。近隣に損害を与えた場合の賠償保険火事が延焼したり、台風で屋根が飛んだりして、近隣に損害を与えてしまうリスクもあります。空き家の管理が悪いと、過失責任が問われることがあります。そういうリスクも、住宅物件であれば、火災保険の個人賠償責任特約でカバーできますが、一般物件は対象外です。別途、施設賠償責任保険への加入が必要です。補償を抑えて保険料を安く補償内容や保険金額を抑えることで、保険料を安くすることができます。住宅なら万が一の立て直し費用を考慮して契約するでしょうが、空き家に同水準の保険金は必要ありません。戸建て住宅の維持管理費戸建て住宅に特有の維持管理費としては、次のような費用があります。庭木の手入れの費用庭の草抜きや木の手入れを怠ると、隣家や道路にはみ出したり、害虫が発生する原因となったりして、近隣の迷惑になります。定期的に手入れが必要です。業者に庭木の剪定を頼むと、数万円の費用がかかります。屋根や外壁の補修費用戸建て住宅の場合は、十数年に1回程度、屋根や外壁の補修を行う必要があります。建物の大きさや補修内容によりますが、1回100万円以上かかります。その費用を積み立てておく必要があります。屋根瓦が飛んだり、外壁が剥がれて落下したり、敷地内の木が倒れたりして、周辺の建物や設備、通行人に当たると、それこそ多額の損害賠償を請求されかねません。解体費建物が老朽化し、解体をしなければならない場合もあります。いつ倒壊するかもわからないような建物を放置しておくと危険です。こういう場合は住宅用地特例が適用されませんから、いずれにしても建物を除却するしかありません。建物を解体するには、木造住宅なら坪あたり4万~5万円、軽量鉄骨造の建物なら坪あたり5万~7万円が相場とされています。例えば、40坪の木造住宅なら、解体費用は160万~200万円かかります。(参考:『週刊エコノミスト』2019年7月9日号31ページ)北国の場合は雪下ろしや除雪の費用北国の場合は、雪下ろしや除雪のための費用が必要です。雪下ろしをしないと、家が倒壊する危険があるほか、落雪や倒木により人を怪我させたり、物を損壊させたりする危険もあります。家の前の雪を適切に除雪しないと、通行の妨げにもなります。土木業者が冬場の仕事として請け負うケースが多く、人手不足もあり、費用は高めです。1回の雪下ろしに3人派遣され、1人2万円で6万円払ったという方もいます。しかも、その額で、ひと冬に4~5回雪下ろしを頼んだというのですから、雪下ろしの費用は相当高額になります。(参考:三星雅人『親の家のたたみ方』講談社+α新書113ページ)分譲マンションの維持管理費分譲マンションの場合は、管理費や修繕積立金が毎月かかります。大規模工事の際には、追加で修繕費がかかる場合があります。古くなるほど建物や設備の不具合が増えるため、修繕積立金が多く必要になります。中古マンションの管理費と修繕積立金の目安は、次の通りです。中古マンションの管理費と修繕積立金の目安管理費200円/㎡修繕積立金築5年以内  90円/㎡築41年以上 220円/㎡※修繕積立金は築年が経過すると単価が上がります。※参考:沖有人『空き家は2018年までに手放しなさい』SB新書43ページ。例えば、70㎡の築41年以上経過した分譲マンションなら、管理費と修繕積立金は、あわせて月29,400円、年間では35万2,800円となります。国土交通省の「平成30年度マンション総合調査結果」によると、管理費・修繕積立金の全体の平均額(月額/戸当たり)は、次の通りです。月額/戸当たり月額/戸当たり(駐車場使用料等からの充当額を含む)管理費10,862円15,956円修繕積立金11,243円12,268円合計22,105円28,224円※参考:国土交通省 平成30年度マンション総合調査結果(平成31年4月26日公表・令和4年4月28日更新分)分譲マンションは戸建てより厄介な問題があるマンションの空き家は、戸建ての空き家よりも厄介な問題があります。分譲マンションの住戸は区分所有権に過ぎませんから、建物全体の処分や維持管理の方策を自分だけで決めることができません。まとめ空き家は、保有しているだけで、少なくとも年間20万円程度の維持管理費がかかるといわれています。家屋の劣化が進めば、修繕費もかさみます。その一方で、価値は毎年下がり、売りにくくなります。相続した実家を、すぐに売却する気にはならないかもしれませんが、移り住む予定もないのに、いつまでも空き家のまま放置しておくことはできません。維持管理の手間や費用が、いずれ重い負担となります。相続空き家を放置している方は要注意!実家を相続して空き家のまま放置している場合は、特定空家と認定される前に、売却するなり、利活用するなり、早めの対応をおすすめします。まずは、「今の価値がどれくらいあるか?」から調べてみましょう。売却するか活用するかは、その結果をふまえて検討する方が判断しやすく、後悔することもありません。\ いま売ったらいくら? /いまの価値を無料診断してみるあなたに おすすめの記事相続した実家を売るか貸すか、後悔しない判断の仕方とは?空き家の維持費・管理費はどれくらいかかる?相続した田舎の築40年以上の古い実家・空き家を売却するコツ5年間売れなかった築50年の相続空き家を売却できた理由とは?田舎の築古空き家の売却仲介を不動産業者に断られたときはどうする?
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  • 親が施設に入り実家が空き家になったとき
    親が老人ホームや介護施設に入所し空き家になった実家を売却するとき
    親が老人ホームや介護施設に入所して実家が空き家になったとき、空き家のまま維持するか、いっそ売却してしまうか、迷うところでしょう。もちろん、実家が空き家になったからといって、慌てて売却する必要はありません。じっくりと家族で話し合って決めればよいことです。ただし、親自身が売却すると、相続後に相続人が売却するより、税金面で有利になるケースがあります。また、空き家を維持するのにも、結構費用がかかります。そういったことをふまえて判断することが必要です。親が施設に入所して3年以内に売却すれば、3,000万円の特別控除の特例が適用実家の所有者である親自身が、住まなくなった日から3年目の12月31日までに売却すれば、マイホームを売ったときの特別控除の特例を適用できるので、税金面で有利です。特別控除の特例の適用が認められると、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できるので、譲渡所得が3,000万円までは、譲渡所得税がかかりません。譲渡所得が3,000万円を超える場合でも、3,000万円を控除した額に課税されるので、税金が大幅に軽減されます。実家を売ったら譲渡所得が発生する場合は、この特例を適用できるような方法で売却することを検討するとよいでしょう。この特例の適用を受けようとするときは、次の2つの点がポイントです。居住していた所有者本人が売ることこの特別控除は「マイホームを売ったときの特例」ですから、特例の適用には、実家の所有者であり、居住していた親自身が売却する必要があります。もちろん、相続人が実家に同居していた場合は、相続後に実家を売却しても、特例の適用対象です。相続人が同居していなかった場合でも、相続後に居住して売却すれば、特例を適用できます。ただし、自宅の建て替え期間中の仮住まいなど一時的な居住は、特例の対象になりません。また、住民票を移すだけではダメで、実際に住んでいたことが証明できなければ、特例の適用は認められません。詳しい適用要件は、居住用財産を売ったときの3,000万円の特別控除の特例をご覧ください。売るときには家屋を取り壊さない方がよい実家が老朽化しているからといって、建物を除却し更地にして売ると、特別控除の特例の適用を受けられなくなる場合があるので、注意が必要です。例えば、「家屋を取り壊した日から1年以内に敷地の譲渡契約が締結されること」など、いくつかの要件が新たに加わるからです。また、建物を撤去する時期によっては、住宅用地特例がなくなり、固定資産税が跳ね上がる場合があります。空き家となった実家を売るときは、一般論としては、建物を取り壊さずに売る方がよく、更地にして売る場合は、建物を撤去するタイミングが大切です。相続空き家を売却したときの特別控除の特例国の空き家対策の一環として、相続した空き家を売却したときにも、3,000万円の特別控除の特例があります。そのため、「相続後に売却しても、同じように特別控除が認められるのでは?」と思うかもしれませんが、相続空き家の特別控除の特例は細かな適用条件があり、適用できる対象が狭いのです。「相続空き家を売却したときの特別控除の特例」と「居住用財産を売却したときの特別控除の特例」の違いを見ておきましょう。「相続空き家の特例」と「居住用財産の特例」との違い居住用財産(マイホーム)を売却したときの3,000万円の特別控除の特例は、適用要件がシンプルです。そこに居住していた所有者本人が、住まなくなった日から3年目の12月31日までに売ればよいのです。売却する家屋の所有期間の長短も問われません。それに対し、相続空き家を売却したときの特別控除の特例は、同じように最大3,000万円を譲渡所得から控除できますが、対象となる家屋や売却の方法について細かな条件があり、期限も設けられています。主な適用要件としては、1981年5月31日以前に建築された家屋であること、耐震改修して売るか建物を取り壊し更地にして売ること、相続の開始の直前において被相続人が1人で居住していたこと、などがあります。ですから、相続空き家を売却したときの3,000万円の特別控除の特例を適用できるケースは、それほど多くありません。相続空き家を売却したときの特別控除の特例の詳細はこちらをご覧ください。親が老人ホームに入所して空き家になった実家を相続後に売る場合そもそも相続空き家を売ったときの特別控除の特例は、「相続開始の直前まで、被相続人が居住の用に供していた家屋」が対象となっています。そのため、この特例制度が創設された当初は、一人暮らしの親が老人ホームに入所するなどして実家が空き家になり、親が実家に戻ることなく亡くなり、空き家となっていた実家を相続して売却する場合には、特例を適用できませんでした。今は運用が変わり、2019年4月1日以降は、親が老人ホームに入所して空き家になっていたような場合でも、要介護認定を受けているなど一定の要件を満たせば、相続空き家の特例の適用が認められるようになっています。それでも、マイホームを売ったときの特別控除の特例に比べると、適用要件が厳しいのが現実です。相続空き家の特別控除の特例を適用できない場合は、相続した実家に一定期間居住してから売却すると、マイホームを売ったときの特別控除の特例を適用できます。譲渡所得が高額となり、3,000万円の特別控除を受けられないと困る場合は、選択肢となるでしょう。まとめ親が老人ホームや介護施設に入所して実家が空き家になったとき、売却して譲渡所得が生じる場合は、親自身が売却すると、相続後に相続人が売却するより、税金面で有利になるケースがあります。税金面だけでなく、一般的に、空き家の維持管理費がかかることや、時間の経過とともに不動産価値が下落することを考えると、親が実家に戻らないのであれば、空き家となった実家をどうするか、早めに対応を考える方がよいでしょう。空き家となった実家をどうする?親が老人ホームや介護施設に入所して空き家になった実家をどうするか考えるときは、実家の今の価値や市場動向を調べると役立ちます。信頼できる不動産業者に査定を依頼すると、正確な相場価格が分かるだけでなく、いろいろ相談にのってもらえます。実家の価値を調べ、信頼できる不動産業者を探すには?あなたに おすすめの記事相続した実家(空き家)の維持管理費はどれくらいかかる?高過ぎる査定価格は疑え!不動産査定価格の3つのチェックポイント譲渡所得税の計算方法と税率高く早く売れる不動産業者の選び方 2つのポイント田舎の築古空き家の売却仲介を不動産業者に断られたときはどうする?
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  • 相続空き家の売却も3000万円特別控除
    相続空き家を売却したときの譲渡所得の3000万円特別控除の特例
    実家を相続したものの誰も住まずに空き家になっているなら、早めに売却することを検討した方がよさそうです。今なら、要件を満たせば、相続空き家を売却したとき、譲渡所得から最高3,000万円まで特別に控除できる特例があります。空き家対策の特例措置ですので、期限があります。これを「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。詳しく見ていきましょう。特例の適用を受けられる家屋・売却方法・期限「相続空き家を売却したときの特別控除の特例」は、「マイホームを売却したときの特別控除の特例」と同様に、譲渡所得から最高3,000万円まで特別に控除できる制度です。ただし、マイホームを売却したときの特例と違って、対象となる家屋や売却の方法について細かな条件があります。しかも、期限が設けられた特例制度ですから、特例を利用するなら早めの検討が必要です。細かな適用要件については後から見ますが、この特例を利用する上で特に大事な点を3つ挙げておきます。適用対象となる家屋・売却方法・期限1981年5月31日以前に建築された家屋であること。耐震改修して売るか、解体して更地で売ること。2023年12月31日までに売却すること。1981年5月31日以前に建築された家屋とは、旧耐震基準の建物のことです。区分所有建物(マンション)については、この特例の対象外です。つまり、この特例は、「危険な空き家を減らすことに協力すれば税金をまけますよ。ただし、期限があるので急いでくださいね。」というものなのです。この特例の趣旨は、国土交通省の説明を見ればよくわかります。そもそもこの特例は、「空き家の発生を抑制するための特例措置」という位置づけです。制度の概要について、こう説明しています。制度の概要被相続人の居住の用に供していた家屋及びその敷地等を相続した相続人が、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、当該家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む)又は取壊し後の土地を譲渡した場合には、当該家屋又は土地の譲渡所得から3,000万円を特別控除します。耐震性のある家屋なら、そのまま売っても特例の適用対象となりますが、耐震性がない場合には、耐震リフォームをして売るか、取り壊して更地にして売るか、いずれかの売却方法でなければ特例を適用できないので、ご注意ください。さらに詳しくは、国土交通省のWebサイトをご覧ください。国土交通省:空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)耐震リフォームをして売る? 更地にして売る?相続した実家が耐震基準を満たしていない場合に、この特例を適用するには、耐震リフォームをして売るか、取り壊して更地にして売るか、どちらかでなければいけません。どちらを選択するのが、賢い選択なのでしょうか?そもそも1981年以前に建築された家屋が対象ですから、建物の築年数は40年を超えます。築40年を超える木造一戸建ての建物は、特別の価値がない限り「ゼロ査定」です。たいていは、土地代だけでの取り引きとなります。建物の解体費用をマイナス要素とされることもあります。すでに耐震リフォーム済であれば、家屋を残して売ることもできますが、わざわざ耐震リフォームをして売るのは現実的ではありません。耐震リフォームには相当なコストがかかります。そのリフォーム費用全額を販売価格に転嫁して売ることはできないからです。したがって、建物を取り壊して更地にして売却するケースが大半でしょう。なお、建物を解体して土地だけを売却するとしても、建物を取り壊すのは買手が決まってからでも遅くはありません。建物を撤去してしまうと、固定資産税の住宅用地特例の適用を受けられなくなり、税負担が重くなってしまうからです。空き家の解体や耐震リフォームに、国や自治体の補助金を受けられる場合があります。実家のある市町村に確認してみるとよいでしょう。地元の不動産業者に査定を依頼して聞いてみる方法もあります。特別控除の特例の適用要件相続空き家を売却したときに3,000万円の特別控除の特例の適用を受けられるのは、次の条件をすべて満たす場合です。売却する家屋そのものについての要件と、売却についての要件があります。これらの要件を全て満たす必要があります。特例の適用対象となる家屋相続または遺贈により取得した次の要件を満たす居住用家屋が対象となります。特例の適用対象となる家屋の要件1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であること。区分所有建築物でないこと。相続開始の直前において被相続人以外に居住していた人がいなかったこと。つまり、旧耐震基準で建てられた家屋で、分譲マンションは適用対象外、相続開始の直前まで被相続人が一人で暮らしていた家屋が適用対象となります。親が老人ホーム等に入所して空き家になっていた場合「相続開始の直前まで、被相続人が居住の用に供していた家屋」が要件となっているため、当初は、一人暮らしの被相続人が老人ホームに入所するなどして空き家になっていた場合には、この特例を適用できませんでした。2019年度の税制改正大綱(2018年12月21日閣議決定)において、老人ホーム等に入所していた場合、一定の要件を満たせば、「相続の開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていたものとして本特例を適用する」と適用要件が緩和されました。平成31年度税制改正の大綱(平成30年12月21日閣議決定)空き家に係る譲渡所得の 3,000 万円特別控除の特例について、老人ホーム等に入所をしたことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋及びその家屋の敷地の用に供されていた土地等は、次に掲げる要件その他一定の要件を満たす場合に限り、相続の開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていたものとして本特例を適用するほか所要の整備を行った上、その適用期限を4年延長する。被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続の開始の直前まで老人ホーム等に入所をしていたこと。被相続人が老人ホーム等に入所をした時から相続の開始の直前まで、その家屋について、その者による一定の使用がなされ、かつ、事業の用、貸付けの用又はその者以外の者の居住の用に供されていたことがないこと。(注)上記の改正は、平成 31 年4月1日以後に行う被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の譲渡について適用する。 さらに詳しくは、国税庁のWebサイトをご覧ください。国税庁タックスアンサー:「被相続人が老人ホーム等に入所していた場合の被相続人居住用家屋」特例の適用対象となる譲渡上の条件を満たす家屋とその敷地を、次のような条件で譲渡した場合に、特別控除の特例が適用されます。特例の適用対象となる譲渡の要件相続の時から譲渡の時まで、居住、貸付、事業に使われていないこと。耐震改修を行い新耐震基準に適合する建物として売るか、家屋を取り壊して土地だけ売ること。相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。売却代金が1億円以下であること。売却した家屋や敷地について、相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例など他の特例の適用を受けていないこと。親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。被相続人が死亡したことで空き家になり、相続したときから譲渡するときまで空き家のままであることが条件です。耐震リフォームをして売るか、建物を取り壊して更地にして売るか、という条件は、先に説明した通りです。家屋を売却する場合には、耐震基準に適合するものであることが必要です。特例の適用を受けるには、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要があります。「3年を経過する日の属する年の12月31日」の考え方について、具体的に見ておきましょう。「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」とは?例えば、2020年1月2日が相続開始日だとすると、3年を経過するのは2023年1月1日です。この場合は、2023年12月31日までに売却すれば、特例を適用できます。相続開始日が2020年1月1日だと、3年を経過するのは2022年12月31日です。「3年を経過する日の属する年の12月31日」は、同じ2022年12月31日ですから、この日までに売却しないと、特例の適用を受けられません。ひとくちに「相続して3年」といっても、相続開始日によって特例の適用を受けられる期間が異なります。「気がついたら特例を受けられる期限を過ぎていた」とならないよう、注意が必要です。特例の適用要件についてさらに詳しくは、国税庁のWebサイトをご覧ください。国税庁タックスアンサー:「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」相続空き家の譲渡所得・譲渡所得税の計算例相続空き家を取り壊して土地を売却する場合、譲渡所得税の計算がどうなるか、具体的な計算例をご紹介します。事例1980年に建てた実家を相続し、建物を取り壊して土地を500万円で売却したケースを考えます。取得費不明なため、概算取得費(譲渡価額の5%相当額)を用い、譲渡費用は建物の撤去費用等で200万円かかったとします。譲渡所得、譲渡所得税の計算式は、次のようになります。長期譲渡所得となりますから、譲渡所得にかかる税金の税率は、所得税・住民税を合わせて20%です。譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 特別控除譲渡所得税 = 譲渡所得 × 20%実際に計算してみましょう。特別控除の特例の適用がない場合、譲渡所得は、500万円-500万円×5%-200万円=275万円したがって、譲渡所得税は、55万円(275万円×20%)となります。特別控除の特例を適用できる場合は、譲渡所得から最高3,000万円を控除できますから、譲渡所得は0円となり、譲渡所得税もゼロです。譲渡所得・譲渡所得税の計算方法譲渡所得や譲渡所得税の計算方法について、詳しくはこちらをご覧ください。譲渡所得の計算方法譲渡所得税の税率と計算方法取得費不明のときに譲渡所得の計算で取得費を控除する方法まとめ相続した空き家を売却したとき、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除することができます。ただし、耐震性のない家屋の場合には、耐震リフォームをして売るか、家屋を除却して売るかでなければ、特例の適用を受けられません。また、この特例制度には期限がありますから、相続した空き家を売却するなら、早めに検討することをおすすめします。もっとも、相続空き家を売却して譲渡所得が発生する場合の話ですから、譲渡所得が生じない場合は、この特例を考慮して売却を考える必要はありません。建物を取り壊さず売却する方が売れやすい場合もあります。譲渡所得が発生しそうか、特例の適用を受けられそうか、耐震リフォームや建物の撤去に補助金を受けられるか等、地元の不動産業者に査定を依頼し、相談してみるとよいでしょう。不動産業者に査定・売却を依頼するときには、税金のことにも詳しい不動産業者、税理士と連携しやすい不動産業者であれば安心です。税金にも詳しい不動産業者を探すには?不動産の査定・売却を依頼する不動産業者を探すときは、不動産一括査定『イエウール』を利用すると便利です。税金に詳しい業者や、税理士と連携しやすい業者を簡単に探せます。完全無料で利用できますから、お気軽に試してみてください。\ 税金にも詳しい不動産業者が見つかる /不動産一括査定「イエウール」について詳しく見てみるあなたに おすすめの記事「イエウール」を利用するメリット・デメリット、評判・口コミ相続した田舎の築40年以上の古い実家・空き家を売却するコツ5年間売れなかった築50年の相続空き家を売却できた理由とは?親が老人ホームや介護施設に入所し空き家になった実家を売却するとき関連相続した実家(空き家)を売るか貸すか、後悔しない判断の仕方空き家の維持管理費はどれくらいかかる?
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  • 建物解体のタイミング
    空き家を解体し更地で売却するとき建物撤去のタイミングは?
     屋を解体し、更地にすると、固定資産税や都市計画税の住宅用地特例の適用を受けられなくなり、土地の固定資産税や都市計画税が一気に跳ね上がります。税負担が重くなるばかりか、値引き交渉の材料に使われることがありますから、注意が必要です。ここでは、空き家を解体し、更地にして土地を売る場合の注意点について、お伝えします。  更地にして年を越すと税金が高くなる建物を取り壊して更地にすると、建物にかかる税金はなくなりますが、土地に住宅用地特例が適用されなくなり、固定資産税が最大6倍、都市計画税が最大3倍に急増します。空き家になっているような家屋であれば、築年数が相当古いでしょうから、建物の市場価値はほとんどなく、建物の固定資産税はそれほど高くありません。なので、建物の固定資産税がなくなることより、土地の住宅用地特例がなくなって固定資産税が上がることの方が、税負担が重くなるのです。都市計画税についても同じです。重要なのは、1月1日時点の状況で、固定資産税や都市計画税が課税されるということです。1月1日時点で建物が建っていれば、住宅用地特例が適用されて課税標準額が減額されますが、1月1日時点で更地になっていたら、住宅用地特例が適用されず、税額が前年に比べて一気に跳ね上がります。急いで建物を取り壊して、更地で年を越すと、それまで住宅用地特例が適用され、引き下げられていた固定資産税や都市計画税が急増します。更地で年を越さないように、家屋を取り壊すタイミングを計ることが大事です。住宅用地特例について詳しくはこちら固定資産税が高い分、値引き交渉の材料に使われる固定資産税や都市計画税は、1月1日時点の所有者に納税義務がありますから、売主に納税義務があります。住宅用地特例が適用されず、固定資産税や都市計画税が高くなるということは、売主の税負担が重くなるということです。問題は、売主の税負担が重くなるだけではありません。固定資産税や都市計画税が高くなることは、不動産売却にも影響するのです。土地・建物を年の途中で売却して所有権が移転しても。固定資産税や都市計画税は還付されません。その年の分は、1月1日の時点で所有していた売主に支払義務があります。そのため、土地・建物を売買するとき、固定資産税や都市計画税は、引渡しの時期に応じ、売主と買主の間で按分して清算するのが慣例です。買主は、購入代金とともに固定資産税・都市計画税の清算金を売主に支払います。清算金が高くなると、それだけ売れにくくなる可能性があります。あるいは、清算金が通常よりも高すぎると、値引き交渉の材料に使われることがあります。いずれにしても、固定資産税や都市計画税の清算金が高くなるということは、不動産売却でマイナス要因となるのです。売主にとっては、税負担は重くなるし、不動産売却においてもマイナスでしかありません。まさにダブルパンチです。空き家を解体して更地で土地を売るときの大事なポイント空き家を解体・撤去し、更地にして土地を売却しなければならない場合は、家屋の取り壊しのタイミングを年明けにずらして売ると、1月1日時点では家屋が建っているので、住宅用地特例が適用されます。ただし、この方法は、売り出すのを年明けまで待たなければなりません。1ヵ月程度ならまだしも、何ヵ月も待つことはできません。しかも、年明けは、売却物件が多く出ますから、競合物件が出て、価格競争になることもあります。ですから、次の方法をおすすめします。更地にして引き渡すことを条件に売り出し、買い手が見つかってから建物を除却する方法です。そうすることで、固定資産税・都市計画税が跳ね上がることを回避でき、年明けまで待つ必要もありません。しかも、買主にとって不要な建物を解体・撤去して更地で引き渡す約束ですから、買主が得した気分になるため、売主としては交渉がしやすいメリットもあるのです。まとめ固定資産税や都市計画税は、1月1日時点の状態に応じて課税されますから、家屋を取り壊して更地の状態で年を超すと、住宅用地特例が適用されず、固定資産税や都市計画税が一気に跳ね上がります。建物を取り壊して更地で土地だけを売却するときは、更地で年を越さないように、建物を解体撤去する時期・タイミングに注意が必要です。家屋を解体して土地を更地で売却するときは、更地にして引き渡すことを条件に売り出し、買い手が見つかってから解体撤去するのが基本です。相続した実家の地元の不動産業者を探すには?相続した空き家の売却をお考えのときは、不動産一括査定『イエウール』をおすすめします。相続した実家のある地元の不動産業者に査定を依頼でき、一番高く早く売れる不動産会社を簡単に探すことができます。売り出し方や、税金のことも相談できます。利用は完全無料です。お気軽に試してみてください。\ 実家の地元の不動産業者を探せる /不動産一括査定「イエウール」について詳しく見てみるあなたに おすすめの記事「イエウール」を利用するメリット・デメリット、評判・口コミ不動産売却で絶対にしてはいけないこと、必ずやるべきこと高く早く売れる不動産業者の選び方 2つポイントの相続した田舎の築40年以上の古い実家・空き家を売却するコツ5年間売れなかった築50年の相続空き家を売却できた理由とは?関連相続した実家(空き家)を売るか貸すか、後悔しない判断の仕方空き家の維持管理費はどれくらいかかる?
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