築古戸建の売却はリフォームして売る?更地にして売る?

築古戸建ては、リフォームして売る? 解体して更地で売る?

築年数の古い一戸建て住宅の売却は、リフォームやリノベーションをして売るのがよいか、建物を解体して更地で売るのがよいか、迷うところでしょう。現況のまま売り出すのが基本です。

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リフォームして売るか更地にして売るか

 

築年数の古い一戸建て住宅の売却は、現況のまま売り出すのが基本です。リフォームやリノベーションをしたからといって、高く売れるわけではありません。また、今は古い建物が立っている格安物件の需要が増えています。

 

どのように売り出すか、検討の順番は、①現況のまま、②リフォーム、③更地です。もちろん、物件ごと個別状況をふまえて判断する必要がありますから、媒介契約する不動産業者とよく相談することが大事です。。

 

まずは「現況のまま」の売却を考える

築年数が古くても、まずは現況のまま売却を考えるのが基本です。

 

売却にあたって、物件の見た目は確かに大事ですが、築古物件に費用をかけてリフォームしても、価格の大枠を決めるのは築年数です。リフォームにかかった費用を、そのまま販売価格に転嫁できるわけではありません。

 

最近は、築古物件を安く購入して、自分のライフスタイルにあうようにリフォームする人も増え、そういう物件の需要が高まっています。そういう点からも、まずは現況のまま売り出すのが基本です。

 

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リフォームして売るときは、シミュレーションが大事

リフォームして売る場合は、リフォームによる付加価値とリフォーム費用を販売価格にどう反映できるか、売却益がどうなるか、シミュレーションすることが大事です。

 

なお、リフォームは、必要最低限にとどめるべきです。多額の費用をかけてリフォームしても、リフォーム費用を販売価格に全額転化することはできません。

 

耐震改修は有効なリフォーム

リフォームをすることで売れやすくなるケースの1つに、耐震リフォームがあります。安全性に加え、耐震基準に適合していると、買主が住宅ローン減税を受けられるからです。

 

耐震基準をクリアしているかを判断材料とし、「住宅ローン減税を受けられないなら買わない」という買主も多いので、検討してみてもよいでしょう。ただし、耐震改修工事には相当な費用がかかります。費用対効果を試算した上で、判断することが大切です。

 

住宅ローン減税を受けられる要件

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)を受けられるのは、次のいずれかに該当する住宅であることです。

 

  • (イ)家屋が建築された日からその取得の日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物の建物の場合には25年)以下であること。
  • (ロ)地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準またはこれに準ずるもの (耐震基準)に適合する建物であること。
  • (ハ)平成26年4月1日以後に取得した中古住宅で、(イ)または(ロ)のいずれにも該当しない一定のもの(要耐震改修住宅)のうち、その取得の日までに耐震改修を行うことについて申請をし、かつ、居住の用に供した日までにその耐震改修により家屋が耐震基準に適合することにつき証明がされたものであること。

※ 詳しくは、国税庁タックスアンサー「中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)

 

複数のリフォーム業者から見積もりを取る

根拠を示さずにリフォームを勧める不動産業者は要注意です。そういう業者は、決まって「私が安い業者を手配します」と言うのですが、不動産業者が紹介してくれるリフォーム業者が、安いわけではなく、かえって高いことが多いのです。

 

不動産業者から顧客の紹介を受けたリフォーム業者は、代金の一部を紹介料として不動産業者に支払います。業者間でキックバックする分、費用が高くなるのです。

 

もちろん、業者を手配してくれると、自分で探す手間はかかりませんし、信頼できる業者で、きちんと仕事をしてくれるのなら、それも良いでしょう。

 

ただし、売るための費用がかさみ、売却益がなくなるようでは本末転倒です。リフォームをする場合は、複数のリフォーム業者の見積もりを比較したうえで、業者を選ぶことが大切です。

建物を解体・撤去し、更地にして売却するのは最後の手段

築20~25年を過ぎた木造一戸建て住宅は市場価値はないと判断されてきました。そのため、古い建物は解体・撤去し、更地にして売った方が売れやすいと考えられがちですが、建物を解体・撤去して売るかどうかは、個別に慎重に判断する必要があります。

 

例えば、倒壊の危険のあるような古い空き家なら、市町村から特定空家に指定され、建物の撤去を迫られますから、更地にして売るべきか否か、迷う余地はありません。

 

駐車場に利用する場合も、建物を撤去することになりますが、建物の撤去は、買手が決まってからでも遅くはありません。売り出す前に建物を撤去してしまうと、更地にして引き渡すことを交渉カードにできないし、固定資産税が跳ね上がる場合があるからです。

 

更地にする時期に注意

建物を解体し更地する場合には、その時期に注意が必要です。建物を解体して更地にすると、住宅用地特例が適用されず、土地の固定資産税が最大6倍に跳ね上がるからです。

 

固定資産税の課税の基準日は1月1日です。更地にして、売却できないまま年を越すと、それまでの何倍もの固定資産税を支払わねければならなくなります。

 

また、固定資産税は、売主と買主の間で按分するのが通例です。固定資産税が高いと、買主の負担が増えるので、売れにくくなったり、値引き交渉の材料に使われたりします。

 

複数の業者から見積もりを取る

不動産業者が、建物を解体し更地で売り出すことを勧めるときは、その理由を確認することが大切です。解体業者からの紹介料を目当てに、解体業者を紹介しようとするケースがあるからです。

 

大切なのは、本当に建物を解体して売る方がよいのか、他の不動産業者の意見も参考にすることです。そのためには、複数の不動産業者に査定を依頼し、販売戦略や売却プランを比較することが大事です。

 

そして、解体して売り出すことを決めた場合でも、不動産業者から紹介のあった解体業者の解体費用を鵜呑みにせず、複数の解体業者から見積もりを取って比較した上で、解体業者を選ぶことが大切です。

まとめ

築古の一戸建て住宅の売却は、現況のまま売り出すのが基本です。購入者が希望すれば、建物を撤去して引渡すことを条件として売却することもできます。建物の撤去を交渉カードとして使えます。

 

たとえ建物が老朽化してボロボロであっても、更地にした方が売れやすいということはありません。いまは、安く購入して自分で好きなようにDIYしたい人が増えています。むしろ、古い建物が立っている物件の方が需要があるのです。

 

もっとも、リフォームをして売り出す方がよい場合もあれば、建物を撤去して更地で売り出す方がよい場合もあります。個別状況にもとづいて判断する必要がありますから、媒介契約する不動産業者とよく相談することが大切です。

 

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公開日 2018-12-21 更新日 2023/08/23 11:34:28