インスペクションと瑕疵保険で中古住宅を相場より高く売る方法

インスペクションと瑕疵保険で中古住宅を相場より高く売る方法

築年数の古い中古住宅を売るとき、一般的には建物の価値はゼロとされます。しかし、ある方法を使えば、建物の価値を上げることができます。その方法とは、インスペクション(住宅診断)と瑕疵保険(既存住宅売買瑕疵保険)です。

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付加価値

 

中古住宅の価値は、築年数とともに減少し、木造住宅なら築後20~25年で市場価値はゼロとするのが慣例です。これは、建物の耐用年数にもとづく減価償却の考え方が背景にあるからですが、理由はそれだけではありません。

 

築年数の古い住宅は、建物の劣化や不具合に対する買主の不安が大きいため、価格を付けることができないのです。

 

ですから、買主の不安を解消できれば、通常ならゼロ査定の中古住宅であっても、適正な価格を付けて売ることができます。場合によっては、200~300万円程度の価格アップも可能です。

 

中古の建物に対する買主の不安を解消する方法とは、インスペクションの実施と瑕疵保険に加入することです。

 

インスペクションで建物の価値を高める

インスペクションとは、専門の事業者(ホームインスペクターと呼ばれます)に依頼して、建物の劣化や不具合の状況を検査することです。

 

第三者の専門家による客観的な検査を受けることで、建物の劣化や不具合の状態を確認し、リフォームの必要性やおおよその改修費用を把握することができます。

 

インスペクションは、売主にとっても買主にとってもメリットがあります。

 

インスペクションを行うと、適正価格で売却できる

インスペクションを行うことによって建物の現況を正しく客観的に把握できますから、築年数だけで一律に価値を判断されることはなくなります。

 

通常なら「ゼロ査定」になるような築年数の古い住宅でも、インスペクションの結果を参考に、適正な価格を付けることができるのです。

 

買主の不安を解消し、安心という付加価値を提供できる

インスペクションの結果を買主に開示することで、買主は「あとから欠陥や不具合が見つかるかもしれない」といった不安を解消できます。

 

インスペクションの結果、重大な欠陥や不具合がないことが明らかになれば、買主は安心して購入することができます。

 

インスペクションを行って不具合が見つかったとしても、「すぐに補修が必要か」「何年後を目途にメンテナンスすればいいのか」といった判断ができるので、購入を検討しやすいのです。

 

つまり、インスペクションは、買主に「安心という付加価値」を提供できるのです。

 

例えば、インスペクションの結果をもとに、「構造は問題ないが、外壁は5年以内に塗装し直した方がいい」といった情報を買主に開示してあげれば、買主は安心して購入を決断できます。

 

また、補修が必要な個所があったときは、費用の見積もり額を調べて買主に示してあげれば、購入の決断を後押しすることができます。

 

今後は日本でもインスペクションが普及する

中古住宅の売買が圧倒的シェアを占める欧米ではインスペクションが常識ですが、日本では「インスペクションの説明義務化」が、やっとスタートしたところです。

 

まだ馴染のないサービスですが、日本でも今後普及すると考えられます。インスペクションを活用することで、不動産売却を優位に進めることができるでしょう。

瑕疵保険に加入して保証を付ける

業者が住宅を販売するときは、住宅を引き渡した後で見つかった瑕疵(欠陥)について、販売業者が責任(瑕疵担保責任)を負います。新築住宅の場合は10年(住宅品質確保法第95条)、中古住宅の場合は2年(宅建業法第40条)の保証が法律で義務づけられています。

 

しかし、個人が中古住宅を売るときは、瑕疵があった場合の補償について保証期間の定めはありません。一般的には、売主の瑕疵担保責任を3ヵ月以内に限定する取引が多く、一切責任を負わない(瑕疵担保免責)という取引も少なくありません。

 

これでは、買主は購入を躊躇します。こういう場合に利用できるのが、瑕疵保険(既存住宅売買瑕疵保険)です。

 

瑕疵保険に加入すると、最長5年間、引渡し後に発生した構造的な不具合に対して補修費用を保険金で支払う保証が付きます。

 

瑕疵保険付きの中古住宅なら、購入後に欠陥が見つかった場合でも保険で対応してもらえるので、買主は安心して購入に踏み切れるのです。また、瑕疵保険に加入できる物件なら、住宅ローン減税の適用を受けられるメリットもあります。

 

ただし、瑕疵保険に加入するには、専門の検査機関による検査・審査を通る必要があり、現行の耐震基準に適合していることも必要です。

 

保険審査に通るよう耐震補強工事をするとなると、かなりの額の出費を強いられますから、瑕疵保険に加入するかどうかは個別に判断が必要です。

 

既存住宅売買瑕疵保険についてさらに詳しくは、国土交通省の「住まいあんしん総合支援サイト」をご覧ください。

まとめ

買主が中古住宅の購入を躊躇するのは、「建物の見えない部分で欠陥があるかもしれない」とか「高額な買い物なのに、万が一の場合の保証がない」といった不安があるからです。

 

そういった買主の不安を解消し、安心を担保できれば、多少高くなったとしても選んでくれるものです。それが付加価値です。そのための費用は、一概には言えませんが、十数万円程度です。十数万円程度で、200万~300万円程度の価格アップをねらえるなら、「やってみる価値あり」と思いませんか?

 

販売戦略や販売方法については、媒介契約する不動産業者とよく相談することが大切です。

 

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公開日 2018-02-08 更新日 2023/09/05 08:41:35