不動産を売却したときの税金の計算

不動産売却で税金がかかるのは、売却して利益(売却益)が発生したときです。所得税と住民税が課税されます。

 

売却代金に税金がかかるわけではなく、購入した価格よりも高く売れたら、その売却益に対して税金がかかります。逆に言えば、不動産を売却しても、売却益がなければ、税金はかかりません。

 

売却益がなければ、税金はかからない

例えば、不動産バブルのころに購入した物件を売却したとすると、購入価格よりも安い価格でしか売れないでしょうから、売却益は発生せず、税金もかかりません。

 

売却したのが自宅であれば、売却により生じた損失(売却損)は、給与所得や事業所得など他の所得と相殺することもできます。

 

つまり、売却益が生じないようにすれば、税金はかからないということです。これは、節税対策の基本です。

 

売却益(譲渡所得)は、売却価額から取得費用と譲渡費用を差し引いて計算します。一定の要件を満たせば、税制上の特例により、さらに特別控除が認められます。

 

また、売却益(譲渡所得)にかかる不動産譲渡税(譲渡所得税・住民税)の税率は、売却不動産の所有期間が長いほど税率が低く、優遇される仕組みです。

 

ここから、不動産売却における節税の3つのポイントが見えてきます。

不動産売却における節税の3つのポイント

不動産売却における節税の基本は、譲渡所得を限りなくゼロに近づけること、所有期間を長くして低い税率を適用することです。

 

具体的には、次の3つのポイントが大切です。

 

取得費と譲渡費用を適切に計算し最大限控除する

1つめは、取得費と譲渡費用を適切に計算し、売却価額から最大限控除することです。

 

特に、取得費は大きな額となりますから、購入した当時の契約書等にもとづき、正確に計算することが大事です。

 

 

税制上の特別措置・優遇措置を適用する

2つめは、税制上の特別控除などの特例、優遇措置を適用することです。

 

特に、居住用財産(自宅)の売却の場合は、適用できる特例の選択肢が複数となるケースがあります。ただし、特例は一部を除き重複適用できないので、最も有利になる特例を適用することが大切です。

 

 

売却のタイミングに注意する

3つめは、売却のタイミングです。所有期間5年超の不動産を売却したときの譲渡所得は長期譲渡所得と呼び、所有期間5年以下の不動産を売却したときより、低い税率が適用されます。

 

ちなみに、所有期間5年以下の不動産を売却したときの譲渡所得は、短期譲渡所得と呼びます。

 

自宅の売却の場合は、所有期間が10年を超えると、税率がもう一段下がります。

 

5年超、10年超の判定は、売却した年の1月1日時点の所有期間で判断します。売却のタイミングによって税率が高くなることがあるので、注意が必要です。

 

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