400万円以下の空き家等の仲介手数料が値上げ

仲介手数料値上げ

 

2018年1月1日より、売買価格400万円以下(税別)の空き家等の仲介手数料の上限額が引き上げられました。

 

該当する物件を売却する売主にとって、費用面で負担が増える可能性がありますが、メリットがないわけではありません。

 

仲介手数料引き上げの内容と、売主にとっての影響を見ていきましょう。

 

 

低価格の空き家等の仲介手数料は、現地調査費用を上乗せ

仲介手数料の上限額は、国土交通省の告示「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」で定めています。不動産業者は、その金額を超えて報酬を請求することはできません。

 

その国土交通省告示が2017年12月8日に改正され、空き家等を売却するときの仲介手数料の特例が設けられました。要件を満たせば、仲介手数料の加算が認められます。2018年1月1日より適用されています。

 

特例の対象となる不動産取引とは?

特例の対象となるのは、①「低廉な空家等」の売却の媒介で、②通常の売却の媒介と比べて現地調査等の費用を要する場合です。

 

「低廉な空家等」とは、売買代金が400万円以下(税別)の金額の宅地または建物と定義されています。

 

空き家等の仲介手数料の計算方法と上限額

空き家等を売却するときの仲介手数料の特例とは、簡単にいうと次のような内容です。

 

売買価格400万円以下(税別)の空き家等の売却では、従来の方法で算出した仲介手数料の額と「現地調査等に要する費用に相当する額」を合計した金額を、仲介手数料として請求できます。

 

その場合の仲介手数料の上限額は、現地調査費込みで18万円(税別)です。

 

「現地調査等に要する費用に相当する額」とは、人件費等を含みます。不動産業者は、媒介契約の締結に際し、あらかじめ報酬額について空家等の売主である依頼者に説明し、両者間で合意する必要があるとしています。

 

仲介手数料に現地調査費用が加算されるのは、依頼者が売主の場合です。依頼者が買主の場合の仲介手数料は、物件に関係なく従来通りの計算方法です。

 

【参考】国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」第46条第1項関係

 

従来の方法による仲介手数料の上限額と特例を比較してみましょう。

 

売買価格 仲介手数料
(旧)
仲介手数料
(新)
200万円以下 5% 18万円
200万円超 400万円以下 4%+2万円 18万円
400万円超 3%+6万円 (変更なし)
  • 売買価格も仲介手数料も消費税別の額です。仲介手数料は税別の売買価格をもとに計算しますが、仲介手数料には消費税がかかります。特例の仲介手数料は、18万円プラス消費税です。
  • この表の売買価格は価格そのものです。国土交通省告示のように、売買価格を3分割したものではありません。例えば、売買価格300万円なら「200万円超400万円以下」の欄、売買価格500万円なら「400万円超」の欄の仲介手数料となります。仲介手数料(旧)は、簡易計算式を記載しています。

 

適用対象は、空き家だけではない

仲介手数料の特例の適用対象は、空き家の売却だけではありません。空き家でなくても、価格が400万円以下なら、18万円プラス消費税の仲介手数料を請求される場合があり得ます。

 

国土交通省告示では、400万円以下の空家等の売却の媒介で、通常の売却の媒介と比べて現地調査等の費用を要する場合には、現地調査等に要する費用に相当する額を上乗せして、依頼者である売主に仲介手数料を請求できることが定められています。

 

特例の適用対象となる基準を具体的に定めているのは、売買価格が消費税抜きで400万円ということだけです。

 

それ以外は、空家等、現地調査等といったように「等」という文言があり、何でも含めることができます。上乗せできる額も、現地調査等に要する費用に相当する額ですから、調査費用そのものでなく、幅広く請求できる仕組みになっているのです。

 

したがって、売買価格が税別で400万円以下の物件の売却を不動産業者に依頼すると、従来のように、実際の売買価格に応じて仲介手数料が決まるのでなく、上限の18万円プラス消費税の額が、仲介手数料として請求される可能性があるのです。

 

※国土交通省のWebサイトにリンクしています。

 

空き家等の仲介手数料を引き上げた理由とは?

仲介手数料の引き上げは、空き家の取り引きを促すことがねらいです。

 

仲介手数料は、売却に要した具体的な経費を費目ごとに積算して費用を計算するのでなく、売却価格の一定割合を不動産業者の報酬額とします。

 

そのため、売買価格が高額だと、仲介手数料も高額となりますが、売買価格が低額だと、不動産業者は経費すら賄えなくなります。

 

そういった事情から、低価格の物件は不動産業者から敬遠されてきました。仲介すると、それだけ赤字になるからです。

 

不動産仲介業者の報酬額を増やし、不動産業者が媒介しやすくしようというのが、仲介手数料の引き上げの目的なのです。

 

低価格物件の仲介手数料引き上げは、売主にもメリットがある

仲介手数料の値上げは、売主にとって、費用負担が増える点ではデメリットですが、メリットがないわけではありません。

 

売主にとって、低価格物件の仲介手数料引き上げのメリットは、ほとんど市場価値のない空き家でも、不動産業者に仲介してもらえるようになり、売却(あるいは処分)できる可能性が生まれたことです。

 

ほとんど市場価値のない物件でも仲介してもらえる

不動産ポータルサイトで、販売価格「0.01万円」という物件も見かけるようになりました。100円物件です。不動産ポータルサイトが「0.01万円」より下の金額の表示ができないため100円ですが、不動産業者に問い合わせすると、実際は1円だったりします。

 

つまり、販売価格100円というのは、タダでいいから引き取ってほしいという物件なのです。

 

こういう場合、従来の方法で仲介手数料を計算すると、0円です。仲介しても、不動産会社には全く報酬が入りませんから、仲介などできません。

 

売却活動には、経費がかかります。物件調査、現地調査、現地案内、そのための人件費や交通費などです。遠方の物件なら、その額も大きくなります。もちろん、販売には、広告費・宣伝費がかかります。

 

そのため、低価格の物件(400万円以下)については、18万円を上限に、「現地調査等に要する費用に相当する額」を上乗せして、仲介手数料を請求できるようにしたのです。

 

従来より売却(あるいは処分)が進みやすくなる

従来、民間の不動産業者が取り扱わない空き家は、自治体の運営する空き家バンクに登録するぐらいしか方法がありませんでした。

 

その場合、自治体のホームページに物件を掲載し、問い合わせがあったら自治体職員が対応する程度ですから、なかなか売却・処分ができません。

 

売却できるまでは、維持管理費や固定資産税などは、所有者が支払わなければなりません。この費用は、大きな負担となります。

 

売買価格より仲介手数料の方が高くなるケースもあり得ますが、民間業者が媒介業務を行うことで、売却(あるいは処分)が進みやすくなることが期待できるのです。これは、売主にとってはメリットでしょう。

 

まとめ

仲介手数料に現地調査等の費用の上乗せが認められるのは、400万円以下の空き家等で、通常の媒介に比べて現地調査等の費用を要する場合です。売却価格400万円以下の不動産売却の全てのケースで、仲介手数料が上限の18万円(税別)となるわけではありません。

 

しかし、低価格物件の場合は、仲介手数料の特例が幅広く適応される可能性があります。仲介手数料の特例を適用している場合は、上乗せされた「現地調査等に要する費用に相当する額」にについて、内容を確認することが大切です。

 

田舎の空き家など、ほとんど価格の付かない物件を売る場合は、不動産業者に支払う仲介手数料が高くなるからこそ、安心・信頼して売却を任せられる不動産業者を選ぶことが、ますます重要になります。

 

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