一般媒介・専任媒介・専属専任媒介のうち、売主に有利な媒介契約とは?

売主に有利な媒介契約とは、不動産業者が積極的に動く媒介契約

3つの媒介契約(一般・専任・専属専任)のうち「売主に有利な媒介契約はどれか」を考えるポイントは、「不動産業者が積極的に販売活動する媒介契約はどれか」ということです。

 

不動産業者もビジネスでやっていますから、大きな収益を見込めるほど、モチベーションが上がります。したがって、不動産業者の収益が大きくなるのは、どの媒介契約かを考えるとよいのです。

 

不動産売却において不動産業者が売主から得られる報酬は、仲介手数料と呼ばれる成功報酬です。

 

  1. 仲介手数料は、完全成功報酬です。コストをかけて販売活動を行っても、売買契約に至らなければ、不動産業者には1円たりとも入りません。
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  3. 仲介手数料は、売買価額に応じて額が決まります。売買価額が高いほど仲介手数料も高額となり、逆に売買価額が安いと仲介手数料も低額となります。
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  5. 仲介手数料は、買主を仲介しても同じように入ります。自社で買主も仲介すれば、売主に加えて買主からも仲介手数料が入り、報酬は2倍になります。

 

こうした不動産業者の媒介報酬(仲介手数料)の仕組みを踏まえて、不動産業者が積極的に売却活動する気になる媒介契約の形態はどれか、考えてみましょう。

 

媒介契約のタイプによって仲介手数料の算出方法が変わるわけではありませんが、不動産業者が売却活動に投じるコストには大きな差が生じます。

 

一般媒介は、媒介報酬が入る保証がないので販促に消極的

一般媒介契約は、売主が、複数の不動産業者と媒介契約できます。

 

売主にとっては、販売の機会が増えて有利に思えますが、不動産業者にとっては、報酬の入る保証がありません。他社の仲介により売買契約が成立すれば、投じた広告費や営業経費が無駄になってしまいます。

 

そのため、不動産業者は、一般媒介契約では、コストをかけた販促に消極的になる傾向があるのです。

 

「売れる物件」なら一般媒介でもOK

立地が良いとか人気があるなど「売れる物件」なら、不動産業者は、一般媒介契約でも競って販売活動をします。その物件が「広告の目玉商品」となるからです。

 

たとえ、その物件の売買契約を自社で取れなかったとしても、問い合わせしてきた人に他の物件を紹介できるので、コストをかけても元が取れるのです。

 

専任媒介は、媒介報酬が約束されるので販促に積極的

専任媒介契約(専属専任媒介契約を含む)は、売主と不動産業者1社との契約です。

 

不動産業者は、買主を見つければ、売主から報酬が入ります。一般媒介のように、投入した費用が無駄になる心配はありません。

 

専任媒介契約は、不動産業者にしてみれば、売主と媒介契約した時点で報酬が約束されたようなものなのです。しかも、自社で買主も仲介すれば、売主と買主の両方から報酬が入ります。

 

広告費や営業経費が無駄にならず、高く売れるほど報酬も高くなるので、専任媒介契約にすれば、不動産会社は積極的に販売活動するというわけです。

 

ただし、専任媒介契約は、次の点に注意が必要です。

 

専任・専属専任媒介契約の注意点

「他社に持っていかれる心配がない」ことが、マイナスに作用することがあります。積極的に販売活動をしなくても報酬が入るので、手を抜くことがあるのです。価格の安い物件は、注意が必要です。

 

ですから、専任・専属専任媒介契約では、不動産業者選びが特に大事になります。

 

なお、専任・専属専任媒介契約した不動産業者が誠実に売却活動しないときは、媒介契約を解除することもできます。専任・専属専任媒介契約を解除する方法はこちらをご覧ください。

 

専属専任媒介は、売主に特段のメリットはない

専属専任媒介契約は、専任媒介契約のオプションです。どちらも媒介契約できるのは1社だけという点では同じですが、専属専任媒介契約は、専任媒介契約と比べて、売主と不動産業者の双方に義務づけが強化されます。

 

専任媒介契約は、売主が自分で買主を見つけて直接売買契約できますが、専属専任媒介契約は、売主が自分で買主を見つけた場合でも、必ず不動産業者を通して売買契約しなければなりません。

 

つまり、専属専任媒介契約は、どんな場合でも不動産業者社に必ず報酬が入る媒介契約で、不動産業者にとっては3つの媒介契約の中で最も嬉しい媒介契約です。

 

その一方で、専属専任媒介契約は、不動産業者に、売主への業務報告が1週間に1回以上と義務づけられます。ちなみに専任媒介契約の場合の業務報告は、2週間に1回以上と義務づけられていますから、業務報告のスパンが短くなります。

 

よほど短期間で売却しないといけないのなら、毎週でも価格調整が必要かもしれませんが、そうでなければ、2週間に1回以上の報告義務を課していれば十分です。

 

専属専任媒介契約は、専任媒介契約に比べて不動産業者に対する縛りが強化される面はありますが、売主にとって、専任媒介契約を上回る特段のメリットはありません。

 

もちろん、専属専任の方が安心というのであれば、専属専任媒介契約をしても何の問題もありません。専任媒介契約と専属専任媒介契約の違いは、専任媒介契約と一般媒介契約との違いのような大きな違いはありません。

 

 

どの媒介契約を選ぶか判断のポイント

判断のポイント

 

どの媒介契約とするかを考えるとき大事なのは、不動産業者1社とだけ媒介契約するか、複数の不動産業者と媒介契約するか、という点です。

 

不動産業者1社とだけ媒介契約して、しっかり売却活動してもらうなら、専任媒介契約または専属専任媒介契約となります。このとき、あえて専属専任媒介契約にしなくても、専任媒介契約で十分です。

 

複数の不動産業者に競争して売却活動してもらうなら、一般媒介契約となります。

 

それでは、1社だけに売却活動を任せるのか、複数の業者に頼むのか、すなわち、専任媒介契約とするのか、一般媒介契約とするのかは、物件によって判断するのが賢い選択方法です。

 

「売れ筋物件」なら一般媒介、それ以外は専任媒介と考えるとよいでしょう。なお、相続による財産分与など関係者の数が多く複雑な案件の場合は、専任媒介契約をおすすめします。

 

「売れ筋物件」なら一般媒介契約がおすすめ

駅に近いとか人気があるなど「売れ筋物件」であれば、一般媒介契約で複数の不動産業者に売却依頼するのが有利です。

 

売れ筋物件なら、一般媒介であっても不動産業者は競って広告を出すので、良い条件で売却できる可能性があります。

 

それ以外の物件は専任媒介契約がおすすめ

逆に、駅から遠いとか築年数が古いなど「条件の良くない物件」「売れにくい物件」の場合は、専任媒介契約が有利です。

 

売れ筋物件でない場合は、一般媒介契約だと、問い合わせがあったら紹介するといった程度の扱いとなり、どの業者も真剣に販売活動を行ってくれない可能性があるからです。専任媒介契約して、しっかりと売却活動をしてもらうことが大切です。

 

まとめ

一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約のうち、どの媒介契約のタイプを選択するかは、売却する物件によって判断するのが賢い方法です。好立地の売れ筋物件なら一般媒介契約、それ以外は専任媒介契約と考えるとよいでしょう。

 

売却活動を任せる不動産業者は、売主にとってパートナーです。売主と不動産業者の利害は一致します。売主に有利な媒介契約のタイプは、不動産業者にとっても有利な媒介契約のタイプでもあるのです。

 

一般媒介契約は、不動産業者の動きが悪ければ他の不動産業者と一般媒介契約すればいいのですが、専任媒介契約や専属媒介契約は途中で解除できるとはいえ、リスクも負います。最初から信頼できる不動産業者を選ぶことが大切です。

 

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