不動産売却査定ガイド|家・土地・マンションを高く早く売るコツ

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  • 諸費用・税金
    不動産売却にかかる諸費用・税金とは?金額の目安と支払う時期
    不動産売却において、「いくらで売れるか」は大事ですが、売却に要する諸費用を差し引き、最終的に「いくら手元に残るか」が、もっと大事です。特に、住まいの買い換えの場合は、資金計画に支障を来すこともありますから、注意が必要です。ここでは、不動産売却にかかる諸費用や税金について見ていきましょう。不動産を売却するのに必要な諸費用不動産売却に必要な費用としては、不動産業者へ支払う仲介手数料、売買契約書に貼る印紙代、登記費用(登録免許税・司法書士費用)があります。そのほか、ローンを一括弁済するための金融機関事務手数料、境界確定のための測量費用、インスペクション(住宅状況調査)費用などが、必要となる場合もあります。住み替えの場合は、引越し費用も必要です。不動産売却にともない必要となる主な費用について、具体的に見ていきましょう。仲介手数料仲介手数料は、売却を頼んだ不動産業者へ支払う成功報酬です。買主が見つかり売買契約が成立して初めて、不動産業者は仲介手数料を請求できます。仲介手数料は、売買契約時に半額、決済時に残額を支払うのが一般的です。停止条件付き売買契約の場合は、決済時に全額支払うようにします。仲介手数料の額と支払方法は、媒介契約のときに決めます。仲介手数料は、売買価格によって決まります。国が上限額を決めています。仲介手数料の上限額売買価格が400万円(税別)超の場合、仲介手数料は、売買価格の3%+6万円に消費税を加えた額です。売買価格が200万円(税別)超から400万円(税別)以下の場合、仲介手数料は、売買価格の4%+2万円に消費税を加えた額です。売買価格が200万円(税別)以下の場合、仲介手数料は、売買価格の5%に消費税を加えた額です。※ 仲介手数料の計算方法について詳しくはこちらをご覧ください。2018年1月1日より、低廉な空家等の売却は、仲介手数料の上限が引き上げられ、売買価格が400万円(税別)以下の空き家を売却した場合、仲介手数料は、特例により一律18万円に消費税を加えた額となります。印紙代経済的取引等に関連して作成される文書は、課税文書として印紙税が課税されます。不動産売買契約書は課税文書ですから、法定額の印紙を貼らなければいけません。なお、不動産の売買に関する契約書については、租税特別措置法により、印紙税の軽減措置が講じられ、税率が引き下げられています。軽減措置の対象となる不動産売買契約書の印紙税の税率は、次の通りです。契約金額本則税率軽減税率10万円超 50万円以下400円200円50万円超 100万円以下1,000円500円100万円超 500万円以下2,000円1,000円500万円超 1,000万円以下1万円5,000円1,000万円超 5,000万円以下2万円1万円5,000万円超 1億円以下6万円3万円1億円超 5億円以下10万円6万円5億円超 10億円以下20万円16万円10億円超 50億円以下40万円32万円50億円超60万円48万円不動産の売買に関する契約書のうち、契約書に記載された契約金額が10万円以下のものは軽減措置の対象とならず、税率は本則税率の200円です。契約金額が1万円未満のものは、非課税です。不動産売買契約書の印紙税の軽減措置※ 国税庁のWebサイトにリンクしています。印紙税は、契約書1通につき課税されます。売買契約書は、売主と買主が1通ずつ保管するので2通作成し、それぞれが自ら保管する売買契約書に印紙を貼ります。印紙は、たいてい仲介する不動産業者が用意してくれるので、売主は必要な印紙税額を不動産業者に支払って、印紙と交換します。自分で買う場合は、郵便局で購入します。登記費用登記のため、売渡し書類作成費用や司法書士報酬、登録免許税が必要です。売渡書類の作成費用は、売主負担の地域もあれば買主負担の地域もあり、地域により異なるようです。一般的な住宅の売却の場合で、司法書士報酬を含め3万~5万円程度必要になります。抵当権や根抵当権が設定されている場合は、抵当権(根抵当権)抹消登記が必要です。抵当権抹消登記を司法書士に依頼する場合、登録免許税は、不動産1個につき1,000円です。土地1個と建物1個(計2個)を1件で申請すると2,000円となります。司法書士報酬は、1万~2万円です。所有者の住所・氏名が登記上の記録から変更されている場合は、登記名義人表示変更登記が必要です。登記名義人表示変更登記も、登録免許税は不動産1個につき1,000円、司法書士報酬は1万~2万円です。売主が登記済証(権利証)や登記識別情報を紛失している場合は、司法書士による本人確認情報の作成が必要となり、3万~10万円ほどの費用が必要となります。なお、司法書士報酬に基準はありませんから、これらの金額は目安と考えてください。金融機関事務手数料住宅ローンが残っていて売却代金で返済する場合、金融機関への一括弁済のための事務手数料が必要になります。金額は金融機関により異なりますが、1万~3万円程度です。測量費用土地家屋調査士に依頼して境界確定測量を行う場合は、測量費用が必要となります。測量費用は、面積や隣接土地数などによって異なります。一般的な測量で、30万~60万円前後です。インスペクション費用インスペクションとは、建物状況調査のことです。資格を有する専門家が、建物の欠陥の有無や劣化・不具合の状態を検査します。住宅診断です。不動産業者は、依頼者にインスペクションについて説明することが法律で義務づけられていますから、不動産業者に売却を依頼するとインスペクションの話があり、希望すればインスペクション業者を紹介してくれます。売主にインスペクションの実施が義務づけられているわけでなく、インスペクションを行うか行わないかは、売主の自由です。インスペクション費用は、業者や検査内容によって異なりますが、おおむね5万~10万円程度です。「インスペクションで欠陥や不具合が見つかったら、売れにくくなったり、安く値切られてしまうのでは?」と心配するかもしれませんが、仮に欠陥や不具合が見つかったとしても、インスペクションの結果をきちんと情報提供することで付加価値を付け、相場より高く売ることも可能となります。インスペクション費用は、高く売るための「投資」という性格もあります。数万円の投資で、数十万円から百万円単位の付加価値を付けて売ることができるのです。インスペクションのメリット・デメリットについて詳しくはこちら不動産売却益にかかる税金不動産を売却して売却益(譲渡所得)が生じたときには、譲渡所得税と住民税が課税されます。不動産譲渡所得にかかる税金は、譲渡した不動産の所有期間によって税率が異なります。所有期間が5年以下か5年超かによって、短期譲渡所得か長期譲渡所得に区分され、譲渡所得が、所有期間の長い長期譲渡所得に区分されると、税率が低くなります。マイホームの売却であれば、さらに税率が低くなる軽減税率の特例があります。「実際の所有期間」と「税務上の所有期間」は、同じではありません。不動産を売却するときには、売却後にかかる税金も考慮して、売却のタイミングを計ることも大切です。不動産を売却したときにかかる税金と節税法諸費用や税金を支払う時期諸費用を支払う時期は、次のようになります。STEP媒介契約時支払なしSTEP売買契約前インスペクション費用(売主がインスペクションを行う場合)測量費用(境界確定測量を行う場合)STEP売買契約時印紙代(売買契約書貼付分)仲介手数料(半金)STEP決済時登記費用(売渡書類作成費、抵当権抹消登記、司法書士報酬など)金融機関事務手数料(ローンを一括返済する場合)仲介手数料(残金)STEP売却後譲渡所得税(譲渡所得が生じた場合)売主と買主との間で清算するお金ここまでは、不動産売却にかかる諸費用を見てきました。実は、不動産を売ったとき、売主が支払うだけでなく、買主から受け取るお金もあります。固定資産税や都市計画税の清算金です。マンションを売却する場合は、管理費・修繕積立金の清算金もあります。清算金とは、それぞれ次のようなものです。固定資産税・都市計画税の清算金固定資産税・都市計画税は、毎年1月1日時点の所有者に請求します。その年の固定資産税・都市計画税の支払い義務は、売主にあります。しかも、年の途中で売却し所有権がなくなっても、払い過ぎとなる税金は戻って来ません。そのため、物件引渡し後の固定資産税等の額は、日割り計算で買主から売主に支払い、清算するのが慣例です。計算式は、次のようになります。(清算金)=(年税額)×(買主が負担する日数 / 365日)例えば、固定資産税等の年額が12万円で、6月16日に物件を引き渡したとすると、6月16日から12月31日までの199日分の税額は、その物件の所有者となった買主が負担すべきものです。清算金 = 12万円 × 199日 ÷ 365日 = 6万5,425円6万5,425円が清算金として、買主から売主に支払われます。なお、ここでは1月1日を起算日として清算金を算出していますが、4月1日を起算日とする地域もあり、その場合は、清算金の額が変わります。繰り返しますが、売却した年の固定資産税等の納税義務は、売主にあります。清算金は、売主の支払い済みのうち、買主が負担すべき部分を、買主から売主に支払うことで清算するものです。売主が支払うべきものは、決済時までに売主が支払う必要があります。マンションの管理費・修繕積立金の清算金マンションの管理費・修繕積立金は、当月分を前月払いするのが一般的です。例えば、6月分の管理費・修繕積立金は、5月末に指定の口座から引き落とされます。物件の引渡しが6月16日だとすると、その日から買主が所有者となり、6月16日から6月30日までの管理費等を負担するのは買主です。ところが、6月分の管理費等は、5月末に引き落とされています。そのため、物件引渡し後の買主が負担すべき管理費等の額は、日割り計算で買主から売主に支払い、清算します。計算式は、次のようになります。(清算金)=(1ヵ月の管理費等の額)×(買主が負担する日数 / 清算月の日数)まとめ不動産売却では、いくらで売れるかだけでなく、売却にかかる諸費用を支払って最終的に手元にいくら残るか、が大事です。不動産売却に要する費用を、しっかり試算しておきましょう。特に、住み替え・買い換えで家を売る場合など、売却後の資金計画を立てる場合には大切です。また、不動産を売却して売却益がある場合は、譲渡所得税がかかります。税額はどれくらいになりそうか、特別控除の適用はあるか等もチェックしておきましょう。一括査定「イエウール」について詳しく見てみる不動産一括査定「イエウール」の評判・口コミはこちらあなたに おすすめの記事高く早く売れる不動産業者の見つけ方 2つのポイント不動産売却は大手と地元業者のどっちが有利?不動産売却で絶対してはいけないこと・必ずやるべきこと仲介手数料の安い不動産業者の探し方
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  • 不動産売却税金
    不動産売却で利益があると税金がかかる!節税3つのポイント
    不動産を売却したときにかかる税金とは?不動産売却で税金がかかるのは、売却して利益(譲渡所得)が発生したときです。売却代金に税金がかかるわけではなく、その不動産を購入した価格よりも高く売れた場合に、その売却益に対して税金がかかります。逆に言えば、不動産を売却しても、売却益がなければ、税金はかかりません。例えば、不動産バブルのころに購入した物件を売却したとすると、購入価格よりも安い価格でしか売れないでしょうから、売却益は発生せず、税金もかかりません。厳密にいえば、売却益(譲渡所得)は、売却価額から取得費用(取得価格と取得するのに要した費用)と譲渡費用(売却するのに要した費用)を差し引いて計算します。一定の要件を満たせば、税制上の特例により、さらに特別控除が認められます。また、売却益(譲渡所得)にかかる税金(譲渡所得税)の税率は、売却不動産の所有期間が長いほど税率が低く、優遇される仕組みです。ここから、不動産売却における節税の3つのポイントが見えてきます。不動産売却における節税の3つのポイント不動産売却における節税のポイントは、次の3点です。取得費用と譲渡費用を適切に計算し最大限控除する税制上の特例措置の適用を受ける売却のタイミングに注意する①取得費用と譲渡費用を適切に計算し最大限控除する1つめは、取得費用と譲渡費用を適切に計算し、売却価額から最大限控除することです。特に、取得費は大きな額となりますから、購入した当時の契約書等にもとづき、適切に計算することが大事です。購入当時の書類等がない場合は、売却価額から取得費を計算して控除する「概算取得費控除」と呼ばれる方法も認められますから、ご安心ください。いずれにしても、控除できる費用は最大限控除することがカギです。さらに詳しくは、次のページをご覧ください。不動産売却益(譲渡所得)と取得費の計算方法不動産譲渡税(譲渡所得税・住民税)の税率と税金の計算方法建物の取得費は減価償却費相当額・減価の額を控除する取得費不明のときに取得費を計算する3つの方法概算取得費と実額取得費は有利な方を使って譲渡所得を計算できる相続実家を売却したときの取得費加算の特例②税制上の特例措置の適用を受ける2つめは、税制上の特別控除などの特例、優遇措置の適用を受けることです。特に、居住用財産(自宅)の売却の場合は、適用できる特例の選択肢が複数となるケースがあります。ただし、特例は一部を除き重複適用できないので、最も有利になる特例を適用することが大切です。さらに詳しくは、次のページをご覧ください。居住用財産を売却したときの3,000万円の特別控除の特例特定居住用財産の買換え特例相続空き家を売却したときの3,000万円の特別控除の特例3,000万円特別控除と買換え特例の違い・メリット・デメリット比較譲渡損失が生じたときの損益通算・繰越控除の特例③売却のタイミングに注意する3つめは、売却のタイミングです。売却のタイミングによって税率が異なりますから、より低い税率が適用されるよう、売却のタイミングを考慮することが大切になる場合もあります。所有期間5年超の不動産を売却したときの譲渡所得は長期譲渡所得と呼び、所有期間5年以下の不動産を売却したときより、低い税率が適用されます。ちなみに、所有期間5年以下の不動産を売却したときの譲渡所得は、短期譲渡所得と呼びます。自宅の売却の場合は、所有期間が10年を超えると、税率がもう一段下がります。5年超、10年超の判定は、売却した年の1月1日時点の所有期間で判断します。売却のタイミングによっては税率が高くなることがあるので、注意が必要です。さらに詳しくは、次のページをご覧ください。長期譲渡所得と短期譲渡所得の違いとは? 所有期間5年超で税率が半分居住用財産を売却したときの長期譲渡所得の軽減税率の特例空き家を取り壊して更地で売却するとき建物解体撤去のタイミングは?
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  • 譲渡所得の計算
    不動産売却における譲渡所得(売却益)の計算方法と注意点
    不動産売却で課税対象となるのは、売却価額(譲渡収入)でなく、売却価格から「取得費」や「譲渡費用」などの経費を差し引いた売却益(譲渡所得)の部分です。課税対象となる譲渡所得があるのか、どれくらいの譲渡所得が発生するか、の見極めが必要です。ここでは、不動産売却における譲渡所得の計算方法と節税のための注意点について見ていきます。譲渡所得の計算方法譲渡所得とは、不動産売却により得られた利益(所得)のことです。土地・建物を購入した価格より高く売れたら、売却益が発生します。この売却益が、譲渡所得です。不動産を売却して税金がかかるのは、譲渡所得に対してです。譲渡所得とは譲渡所得とは、一般的に、土地、建物、株式、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得をいいます。ただし、事業用の商品などの棚卸資産や山林などの譲渡による所得は、譲渡所得にはなりません。(国税庁タックスアンサー:譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)より)譲渡所得の計算式譲渡所得は、不動産を売却して得られた収入から、その不動産の取得費と売却に要した諸経費を差し引いて計算します。譲渡所得を求める計算式は次のようになります。譲渡所得 = 譲渡収入 - 取得費 - 譲渡費用譲渡収入不動産を売却して得た金額です。取得費売却した不動産を、取得した際に要した費用です。譲渡費用不動産を売却するのに要した費用です。要件を満たせば、特別控除の適用で課税譲渡所得が大幅減一定の要件を満たせば、特別控除の特例を適用して、さらに控除できます。特別控除を適用できる場合は、上の計算式で譲渡所得から特別控除額を控除した額が、課税譲渡所得となります。したがって、特別控除の特例を適用できる場合の譲渡所得の計算式は、次のように表すことができます。譲渡所得 = 譲渡収入 - 取得費 - 譲渡費用 - 特別控除額特別控除には、収用等により土地建物を譲渡した場合の特別控除、平成21年・22年に取得した土地等を譲渡した場合の特別控除などありますが、最も一般的に利用されるのは、居住用財産を譲渡した場合の特別控除の特例です。自宅(マイホーム)を売却したときには、ほとんどのケースで適用でき、最高3,000万円まで譲渡所得から控除できるので、多くの場合、譲渡所得はゼロになり、税金は発生しません。3,000万円の特別控除の特例について詳しくはこちら「譲渡」と「売却」の違いとは?「売却」は売買によって相手方に渡すことです。「譲渡」は、売買のほか、贈与や交換などによって相手方に渡す場合も含みます。「売却」は有償ですが、「譲渡」は無償の場合もあります。厳密には、こんな違いがありますが、ここでは「譲渡」も「売却」も同じ意味と考えて差し支えありません。税務上は「譲渡」を用いるので、税に関する部分は「譲渡」を使っています。それでは、譲渡所得の計算に必要な3つの要素(譲渡収入・取得費・譲渡費用)について、詳しく見ていきましょう。譲渡収入譲渡収入は、不動産売却により得られた収入のことです。譲渡収入に含まれるもの譲渡収入は、通常、譲渡の対価として買主から受け取る金銭の額(売却価額)ですが、売却代金だけでなく、金銭の代わりに物や権利などを受け取った場合は、その時価も収入金額となります。そのほか、譲渡することによって経済的な利益を受けた場合は、それも収入金額に含まれます。国税庁タックスアンサー:「土地建物を売ったときの収入金額に含める金額」一般的には、「不動産の売却価額」と「固定資産税・都市計画税の清算金」の合計額が、不動産を売却したときの譲渡収入となります。譲渡収入 = 売却価額 + 固定資産税等の清算金固定資産税・都市計画税の「清算金」とは?固定資産税や都市計画税は、その年の1月1日に土地・建物を所有している人に課税されます。年の途中で不動産を売却したとしても、売却した年の1月1日時点の所有者は売主ですから、売主が、その年の1年分の固定資産税・都市計画税を納めなければなりません。また、年の途中で売却したからといって、売却後の期間分の税金が市町村から返金されることはありません。そのため、固定資産税や都市計画税は、物件の引き渡し時期(所有日数)に応じて、売主と買主の間で按分し、清算するのが慣例となっているのです。固定資産税等の清算金については、こちらのページでも説明しています。あわせてご覧ください。取得費取得費とは、売却した不動産を「取得した際に要した費用」のことです。取得費に含まれる費用取得費は、土地・建物の購入代金や建築代金のほか、取得するのに要した諸費用も含みます。例えば、仲介手数料、固定資産税の清算金、売買契約書の印紙代、登録免許税、不動産取得税、登記手数料、測量費、整地費用、建物の取り壊し費用などです。取得後に行った増改築の費用も含めることができます。国税庁タックスアンサー:「取得費となるもの」土地と建物は取得費の算定方法が異なる土地と建物とでは、取得費の算定方法が異なります。土地は、購入代金をそのまま取得費に算入できますが、建物は、購入代金や建築代金をそのまま取得費に算入することはできません。建物の取得費は、減価償却費相当額を取得価額から差し引いて計算します。業務用建物だけでなく、居住用建物も同様です。土地の取得費土地の取得価額がそのまま取得費となります。建物の取得費建物の取得価額から、減価償却費相当額を差し引きます。建物については、なぜ減価償却費相当額を差し引くのか、減価償却費相当額の計算の仕方など、建物の取得費と減価償却相当額の計算の詳細はこちらをご覧ください。土地と建物の金額の区分が分からないとき土地と建物を一括で購入していた場合、金額の区分が分からないこともありますが、契約書に消費税額が記載されていれば、建物の価額を逆算することができます。消費税がかかるのは建物だけで、土地に消費税はかからないからです。消費税額の記載もなければ、国税庁の「建物の標準的な建築価額表」から建物の取得費を計算することが認められています。取得費不明の場合古くから所有していたり、相続で取得した不動産の場合、いくらで購入したのか分からないことも少なくありません。取得費不明の場合は、譲渡収入の5%相当額を取得費とできます。これを「概算取得費」といいます。概算取得費 = 譲渡収入額 × 5%概算取得費は、売却価額の一律5%を取得と見なす制度なので、売却価額の95%が譲渡所得となり、税額が大きくなる傾向があります。なお、取得費を実額で計算できる場合でも、実額の取得費が概算取得費より少ない場合は、概算取得費を用いて譲渡所得を計算することができます。つまり、実際の取得費と概算取得費のいずれか大きい方を取得費とできるのです。概算取得費のほかにも取得費を求める方法があります。取得費不明の場合の取得費の計算方法について詳しくはこちらをご覧ください。相続・贈与で取得した不動産を売却したときの取得費相続により取得した不動産は、被相続人(故人)が取得したときの取得日と取得価額が相続人に引き継がれます。贈与の場合も同じです。取得日が相続人に引き継がれることで、不動産の所有期間が長くなり、低い税率が適用されるメリットがあります。相続税の取得費加算の特例相続不動産を売却して譲渡所得が発生すれば、相続税に加え、譲渡所得税も納めなければなりません。「相続税を支払うために相続不動産を売却したら、譲渡税までかかった」となっては踏んだり蹴ったりです。そのため、相続不動産を「相続発生から3年10ヵ月以内に売却」した場合は、相続税相当額を取得費に含めることができます。これを「取得費加算の特例」といいます。譲渡費用譲渡費用は、不動産を売却するにあたって要した費用です。仲介手数料、契約書の印紙代、測量費、借地権の名義書換料、借家人の立退料、建物の取り壊し費用、庭木の伐採費用などが含まれます。建物の取り壊し費用、庭木の伐採費用については、買主から要求があり、売買契約書に記載されている場合に限ります。売却時の引越し費用や抵当権抹消費用は、譲渡費用として認められません。譲渡費用に含めることができるのは、売却のために直接必要な費用に限られます。国税庁タックスアンサー:「譲渡費用となるもの」まとめ不動産を売却したときの税金は、売却代金でなく、売却益(譲渡所得)にかかります。譲渡所得は、売却価額から取得費と譲渡費用を差し引いた額ですから、取得費と譲渡費用を適切に算定することが節税のポイントです。特に、取得費は金額が大きいので、過不足なく計算することが大事です。不動産売却において、「いくらで売れるか」はもちろん大事ですが、税金や諸費用を除いて「最終的に、いくら手元に残るか」がもっと大事です。売却のタイミングが税金の額に影響する場合がありますから、査定を依頼するとき、税金のことにも詳しい業者であれば安心です。税金にも詳しい不動産業者を探すには?不動産の査定・売却を依頼する不動産業者を探すときは、不動産一括査定『イエウール』を利用すると便利です。税金に詳しい業者や、税理士と連携しやすい業者を簡単に探せます。完全無料で利用できますから、お気軽に試してみてください。\ 税金にも詳しい不動産業者が見つかる /不動産一括査定「イエウール」について詳しく見てみるあなたに おすすめの記事「イエウール」を利用するメリット・デメリット、評判・口コミ不動産売却で絶対にしてはいけないこと、必ずやるべきこと高く早く売れる不動産業者の選び方 2つポイントの不動産売却は大手と地元業者のどっちが有利?
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  • 譲渡所得税の計算
    不動産売却にかかる譲渡所得税・住民税の計算方法と税率
    不動産を売却して利益(譲渡所得)があったときには、譲渡所得税がかかります。税率は、売却不動産の所有期間に応じて決まり、所有期間が長いほど低い税率が適用されます。特に、居住用財産(自宅)の売却には、譲渡所得から特別控除できる特例や軽減税率の特例など、税金の優遇措置があります。ここでは、不動産売却における譲渡所得税・住民税の税率と税金の計算方法、居住用財産を売却したときの税金の特例措置について、見ていきましょう。不動産売却における譲渡所得税と住民税の税率不動産売却における譲渡所得税・住民税は、譲渡所得に税率をかけて計算します。譲渡所得の計算方法はこちらをご覧ください。譲渡所得税 = 譲渡所得 × 税率税率は、売却した不動産の所有期間に応じて決まります。所有期間の分岐点は5年です。所有期間が「5年以下か、5年を超えているか」によって、税率が異なります。長期譲渡所得と短期譲渡所得で税率を区分所有期間が5年を超す不動産を売却したときの譲渡所得を「長期譲渡所得」、所有期間が5年以下の不動産を売却したときの譲渡所得を「短期譲渡所得」と呼びます。税率は次の通りです。所有期間所得税率住民税率合計長期譲渡所得5年超15%5%20%短期譲渡所得5年以下30%9%39%長期譲渡所得は、短期譲渡所得の半分の税率です。すなわち、所有期間が5年以下の場合は、所有期間が5年を超える場合より、税額が2倍にもなるのです。売却のタイミングが大事です。長期譲渡所得と短期譲渡所得の違いについて詳しくはこちら所有期間によって税率が違う理由とは?所有期間が長いと税率が低いのは、住宅地などの供給促進のため。所有期間が短いと税率が高いのは、投機的取引を抑制して地価を安定させるためです。土地と建物で所有期間が異なる場合がある土地と建物で所有期間が異なる場合があります。例えば、相続した家屋を建て替えたものの、事情があって建て替えから5年以内に売却した場合です。相続した土地は、取得日を引き継ぐので所有期間が5年を超えますが、建物は、建て替えたときが取得日ですから、所有期間が5年以下となります。この場合、土地の売却益は長期譲渡所得、建物の売却益は短期譲渡所得となり、土地と建物で税率が異なります。2037年までは復興特別所得税が加算2013年から2037年までの25年間は、復興特別所得税が加算されます。復興特別所得税は、所得税額の2.1%です。復興特別所得税を含めた譲渡所得税率は、次のようになります。所得税率(復興特別所得税を含む)長期譲渡所得15.315%15%の2.1%分(0.315%)を加算短期譲渡所得30.63%30%の2.1%分(0.63%)を加算マイホームを売却したときの税金の優遇措置マイホーム(自宅)の売却には、税金の優遇措置が多く用意されています。マイホームの売却に適用できる主な特例措置は、次のようなものがあります。長期譲渡所得の軽減税率の特例所有期間10年超のマイホームを売却したときは、長期譲渡所得にかかる税率20%(譲渡所得税15%、住民税5%)より、さらに低い14%(譲渡所得税10%、住民税4%)の税率が適用されます。譲渡所得6,000万円以下に適用されます。3,000万円特別控除の特例と軽減税率の特例は併用できますから、3,000万円を超す譲渡所得があったとしても、3,000万円を控除した残額に軽減税率を適用することで、税金は大幅に軽減されます。長期譲渡所得の軽減税率の特例について詳しくはこちら居住用財産の3,000万円の特別控除の特例マイホームを売却したときは、譲渡所得から3,000万円を特別控除できます。そのため、マイホームを売却して、譲渡所得が3,000万円以下であれば、譲渡所得を全額控除でき、譲渡所得税はゼロとなります。3,000万円を超す譲渡所得があったとしても、3,000万円控除により、譲渡所得は大幅に減額されます。しかも、所有期間が10年を超すマイホームの売却なら、軽減税率の特例を併用できるので、まず3,000万円を控除し、控除しきれず残った額に軽減税率を適用して税金を計算することで、税負担を大幅に軽減できます。3,000万円の特別控除の特例について詳しくはこちら譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例マイホームを購入価格より安い価格でしか売却できず、売却損が生じる場合もあります。譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例を適用すると、マイホームを売却して生じた損失は、他の所得(給与所得や事業所得)と相殺することができます。譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例について詳しくはこちら特定居住用財産の買換え特例マイホームの買い換えで生じた譲渡所得を将来に繰り延べし、課税を先送りすることができます。旧居の売却代金を全額、新居の購入に充当したいときに有効です。3,00万円特別控除との併用は認められず、いずれかの選択適用となります。特定居住用財産の買換え特例について詳しくはこちらまとめ不動産売却において、「いくらで売れるか」はもちろん大事ですが、税金や諸費用を差し引いて「最終的に、いくら手元に残るか」は、もっと大事です。税金には、控除や特例の制度がありますから、それを上手に活用することが大切です。売却のタイミングが税金の額に影響する場合がありますから、査定や売却を依頼するとき、税金のことにも詳しい業者であれば安心です。税金にも詳しい不動産業者を探すには?不動産の査定・売却を依頼する不動産業者を探すときは、不動産一括査定『イエウール』を利用すると便利です。税金に詳しい業者や、税理士と連携しやすい業者を簡単に探せます。完全無料で利用できますから、お気軽に試してみてください。\ 税金にも詳しい不動産業者が見つかる /不動産一括査定「イエウール」について詳しく見てみるあなたに おすすめの記事「イエウール」を利用するメリット・デメリット、評判・口コミ不動産売却で絶対にしてはいけないこと、必ずやるべきこと高く早く売れる不動産業者の選び方 2つポイントの不動産売却は大手と地元業者のどっちが有利?
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  • 譲渡所得税率
    長期譲渡所得と短期譲渡所得の違いとは?所有期間5年超で税率が半分
    不動産を売却したときの譲渡所得税の税率は、売却した不動産の所有期間が5年以下か5年超かによって異なります。大事なのは、その区分です。「税務上の所有期間」と「実際の所有期間」は違います。譲渡所得税の課税対象となる「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」の違い、所有期間の税務上の判定方法について説明します。「短期譲渡所得」は「長期譲渡所得」より税金が 2倍になる!所有期間が5年以下の不動産を売却したときの譲渡所得は「短期譲渡所得」と呼ばれ、譲渡所得税の税率は39%(所得税30%、住民税9%)です。売却益の約4割を税金として納めなければいけません。所有期間が5年を超える不動産を売却したときの譲渡所得は「長期譲渡所得」と呼ばれ、譲渡所得税の税率は20%(所得税15%、住民税5%)です。譲渡所得税は、売却益の2割です。つまり、短期譲渡所得は、長期譲渡所得の約2倍の税金を納めなくてはいけません。不動産を売却するとき、所有期間が5年を超えるかどうかは重要なポイントです。区分所有期間税率(所得税+住民税)短期譲渡所得5年以下39%(30%+9%)長期譲渡所得5年超20%(15%+5%)所有期間10年超のマイホームを売却したときは、さらに特例がある所有期間が10年を超えるマイホームを売却したときは、譲渡所得6,000万円まで軽減税率の特例の適用を受けられ、税率14%(譲渡所得税10%、住民税4%)とさらに低くなります。また、所有期間5年超のマイホームを売却して譲渡損失が出た場合は、給与所得などから損失額を控除できる損益通算・繰越控除の特例があります。譲渡所得の計算について詳しくはこちら譲渡所得税・住民税の計算について詳しくはこちら税務上の所有期間は「売った年の1月1日時点」で判断する税金を計算する際の所有期間は、譲渡(売却)した年の1月1日時点で判断します。実際の所有期間とは違いますから、注意が必要です。長期譲渡所得と認定されるには、「譲渡した年の1月1日における所有期間が5年を超えている」必要があります。譲渡した年の1月1日における所有期間が5年以下だと、短期譲渡所得となります。税務上の所有期間は、売った年の1月1日時点にさかのぼって判断します。売却した時点では所有期間が5年を超えていても、その年の「1月1日までさかのぼる」と5年に満たないことがあり得ます。この場合、短期譲渡所得となり、高い税率で課税されます。所有期間の判断を誤ると、「長期譲渡所得になると思っていたら短期譲渡所得の高い税率で課税され、税金を想定していた2倍も支払わないといけなくなった」ということになりかねません。所有期間の判断と売却のタイミングが大事です。参考事例具体的に考えてみましょう。不動産を2012年10月1日に取得して、2017年11月1日に売却したとします。この場合、取得から売却までの「実質的な所有期間」は5年を超えます。しかし、売却した年(2017年)の1月1日時点にさかのぼると、所有期間は5年以下です。したがって、短期譲渡所得の高い税率が適用されます。長期譲渡所得とするためには、翌2018年1月1日以降に売却する必要があるのです。所有期間5年超の条件をクリアするには?取得した年に「6」を加えた年の1月1日より後に売却すると、税務上の所有期間5年超をクリアでき、長期譲渡所得の低い税率が適用できます。上の参考事例では、2012年に取得していますから、「6」を加えた2018年1月1日より後に売却すれば、税率が39%から20%に下がります。この事例で、譲渡所得が1,000万円とします。2017年11月1日に売却すると、短期譲渡所得となり、390万円が課税されますが、売却を2ヵ月先に延ばして年が明けて売却すると、長期譲渡所得となり、税金は200万円になります。所有期間が5年になる不動産物件は、年内でなく、年明けに売ると税金が安くなると覚えておくとよいでしょう。マイホームの売却で軽減税率の特例を適用するには?所有期間10年超のマイホームの売却は、軽減税率の特例があります。軽減税率の適用を受けるには、取得した年に「11」を加えた年の1月1日より後に売却すると、所有期間10年超をクリアできます。2007年に取得したマイホームなら、「11」を加えた2018年1月1日より後に売却すると、譲渡所得6,000万円までの税率が20%から14%に下がります。まとめ不動産を売却したときの譲渡所得は、所有期間が5年超だった場合は「長期譲渡所得」、所有期間が5年以下だった場合は「短期譲渡所得」と呼び、譲渡所得税の税率が異なります。長期譲渡所得は短期譲渡所得に比べ、譲渡所得税の税率が半分です。つまり税金が半分になります。そのため、売却するタイミングが大事です。なお、税務上の所有期間は「売却した年の1月1日時点」にさかのぼって判断され、実質的な所有期間とは異なりますから、注意が必要です。査定や売却を依頼するとき、税金のことにも詳しい業者であれば安心です。税金にも詳しい不動産業者を探すには?不動産の査定・売却を依頼する不動産業者を探すときは、不動産一括査定『イエウール』を利用すると便利です。税金に詳しい業者や、税理士と連携しやすい業者を簡単に探せます。完全無料で利用できますから、お気軽に試してみてください。\ 税金にも詳しい不動産業者が見つかる /不動産一括査定「イエウール」について詳しく見てみるあなたに おすすめの記事「イエウール」を利用するメリット・デメリット、評判・口コミ不動産売却で絶対にしてはいけないこと、必ずやるべきこと高く早く売れる不動産業者の選び方 2つポイントの不動産売却は大手と地元業者のどっちが有利?
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  • 相続空き家の特別控除の特例の期限
    取得費不明でも譲渡所得税の計算で取得費を控除できる3つの方法
    家・マンション・土地など不動産を取得した当時の契約書や領収書がなく、正確な取得費が分からない(取得費の金額を証明できない)場合でも、譲渡所得税を計算するとき、譲渡所得から取得費を控除することができます。次の3つの計算方法があります。取得費が分からない場合の取得費控除法概算取得費控除を適用する方法間接的に証明できる書類から取得費を算出する方法統計数値から取得費を算出する方法売却した不動産の取得費が不明のときでも取得費を控除できる3つの方法について、詳しく見ていきましょう。概算取得費控除を適用する方法取得費が不明の場合は、「概算取得費控除」を利用するのが一般的です。概算取得費控除とは、一律に売却金額の 5%を取得費と見なして控除する方法です。概算取得費控除のメリット概算取得費控除であれば、実際の取得価額がいくらだったかは関係ありません。売却価額をもとに取得費を計算して控除できるので、取得価額を証明する昔の書類がなくても、取得費を控除することができます。これが、概算取得費控除の最大のメリットです。また、概算取得費控除は、実際の取得費(実額取得費)が分かる場合でも使えます。「実額取得費」と「概算取得費」の金額の大きい有利な方を取得費として控除することができる仕組みです。これも、概算取得費控除のメリットの1つといえるでしょう。概算取得費控除のデメリットただし、「売却金額の一律5%を取得費と見なす」ということは、裏を返せば「たった 5%しか控除できない」「売却金額の95%が譲渡所得となる」ということです。これが、概算取得費控除のデメリットです。例えば、不動産バブルのころに高値で購入した物件を売却する場合を考えてみてください。首都圏など一部のエリアは別として、当時と比べると価格は大幅に下がっていますから、実額取得費で譲渡所得を計算すれば「売却損」となります。ところが、概算取得費は売却価額の5%を控除できるだけなので、「売却益」が発生してしまうのです。概算取得費控除では税金がかかってしまう場合や、税金が高くなってしまうような場合は、次のような方法で取得費を算出することも認められますから、検討してみてください。間接的に証明できる書類を用いて取得費を計算する方法統計数値を用いて取得費を推計する方法この2つの方法について見ていきましょう。間接的に証明できる書類から取得費を計算する方法契約書や領収書など直接的に取得費を証明する書類がなくても、間接的にでも取得金額を証明できる書類があれば、それを用いて計算することもできます。その書類を確定申告の際に添付して提出すれば、証明書類となります。例えば、こんな書類です。購入代金の支払いが分かる通帳住宅ローンの契約書や償還表、返済の通帳購入当時の価格が記載されているパンフレットなどこういった書類もない場合、概算取得費を使わず取得費を計算するには、次の方法があります。統計数値から取得費を計算する方法直接的にも間接的にも取得金額を証明できる書類が何もない場合は、統計上の数値を用いて取得費を計算する方法があります。例えば、市街地価格指数を用いる方法です。現在の価格指数と取得時の価格指数および売却金額(現在の市場価格)から、取得した当時の市場価格(取得費)を計算することができます。これは、税務署も国税不服審判所も「合理的」と認めている方法です。市街地価格指数から取得費を計算する方法について詳しくはこちらまとめ契約書や領収書を失くしてしまい取得費が分からない場合でも、譲渡所得税の計算において、概算取得費控除を適用するなどして、取得費を控除することができます。もし、概算取得費控除では税金がかかってしまうような場合には、取得費を間接的に証明できる書類を用いたり、建築物単価や市街地価格指数など統計データを用いて計算する方法もありますから、検討してみるとよいでしょう。なお、マイホームの売却には、3,000万円の特別控除の特例があります。自宅を売却して、売却金額が3,000万円より低い場合は、特別控除の特例を適用するだけで税金はかかりませんから、取得費を気にすることはありません。査定や売却を依頼するとき、税金のことにも詳しい業者であれば安心です。税金にも詳しい不動産業者を探すには?不動産の査定・売却を依頼する不動産業者を探すときは、不動産一括査定『イエウール』を利用すると便利です。税金に詳しい業者や、税理士と連携しやすい業者を簡単に探せます。完全無料で利用できますから、お気軽に試してみてください。\ 税金にも詳しい不動産業者が見つかる /不動産一括査定「イエウール」について詳しく見てみるあなたに おすすめの記事「イエウール」を利用するメリット・デメリット、評判・口コミ不動産売却で絶対にしてはいけないこと、必ずやるべきこと高く早く売れる不動産業者の選び方 2つポイントの不動産売却は大手と地元業者のどっちが有利?
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  • 取得費計算
    市街地価格指数・建築物単価から取得費を計算する方法
    不動産譲渡所得税の計算において、取得費が不明の場合には、概算取得費控除を適用するのが一般的ですが、概算取得費控除は、売却価額の5%しか取得費として控除できないため、税金が高くなりがちです。市街地価格指数や建築物単価など統計上の数値を用いて取得費を計算すると、実額に近い取得費を計算できるので、譲渡所得税がかからなくなるなど有利な結果になる場合があります。ここでは、取得費不明のときに、市街地価格指数と建築物単価から取得費を計算する方法について見ていきます。国税不服審判所が「合理性がある」と認めた手法取得金額を証明できるものがなくても、取得した時期が分かれば、土地・建物の取得費を計算することができます。取得時期は登記簿から分かりますから、たいてい、この方法で取得費を計算できます。それは、統計データとして公表されている「市街地価格指数」や「建築物単価」を用いて計算する方法です。これは、税務署が「市場価格を反映した近似値の取得費が計算でき合理的」と主張し、国税不服審判所の裁決でも「合理性がある」と判断された取得費の計算方法です。国税不服審判所の裁決国税不服審判所の裁決は、契約書などの証明書類がなく取得価額が不明な場合は、取得費を推計せざるを得ないとして、次のように述べています。このような場合の土地・建物の取得費については、各種の計算方法が考えられるところ、原処分庁が採用した計算方法は、建物の取得費については、統計的な数値である建築物単価を基に建築価格を算定し、その価額から譲渡時までの減価償却費相当額を控除しているものであり、実勢価額の近似値と認められる時価相当額を推定している宅地の取得費については、本件物件の譲渡価額の総額から実勢価額の近似値と認められる当該建物の取得費を差し引いた額に、市街地価格指数(住宅地)の譲渡時に対する取得時の当該価格指数の割合を乗じて時価相当額を推定しているから、いずれも合理性があり、当審判所においても、これを不相当とする理由は認められない。(※ 国税不服審判所の裁決(2000年11月16日)より)市街地価格指数を用いて土地の取得費を計算する市街地価格指数を用いて取得費を計算する方法は、特にバブルのころに高値で購入した土地を売ったときなどに有効です。具体的に考えてみましょう。市街地価格指数と売却価額から取得費を計算する方法例えば、1991年に購入した土地を2014年に5,000万円で売ったとします。取得時と売却時の仲介手数料など諸費用は無視します。あくまでも、市街地価格指数を使った計算方法のイメージとして考えてください。市街地価格指数は、六大都市(東京区部・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸)の住宅地の指数を使ってみます。該当する年の市街地価格指数を抜粋すると、次の表のとおりです。年市街地価格指数(住宅地・六大都市)1991年223.42014年77.1※「市街地価格指数」より抜粋。2000年3月末=100土地の取得費を市街地価格指数を用いて計算すると、50,000,000 ×(223.4/77.1)= 144,876,783取得費は、1億4,487万円となります。売却価額が5,000万円ですから、売却損が生じ、税金はかかりません。概算取得費控除と比べてみると…一方、概算取得費だと、売却価額の5%ですから、取得費は、わずか250万円にしかなりません。譲渡所得は、5,000万円から250万円を控除して4,750万円。長期譲渡所得となりますから税率は20%。譲渡所得税(住民税を含む)は、950万円となります。実額の取得費で計算できれば、売却したら損失が生じて税金はかからないはずなのに、概算取得費控除だと、譲渡収入額から控除する取得費が極端に低く算定されてしまうため、計算上は売却益が生じ、税金を取られてしまうのです。まとめ取得価額を証明する書類が何もなく、概算取得費控除では不利になる場合は、市街地価格指数などから、取得費を計算することができます。市街地価格指数などを使って取得費を計算すると、実額の取得費に近い額を控除できるので、不動産を取得した当時の市場価格が高いときは、概算取得費控除に比べて有利です。譲渡所得税の計算は、個別事情をふまえて判断する必要がありますから、詳しくは税理士に相談することをおすすめします。査定や売却を依頼するとき、税金のことにも詳しい業者であれば安心です。税金にも詳しい不動産業者を探すには?不動産の査定・売却を依頼する不動産業者を探すときは、不動産一括査定『イエウール』を利用すると便利です。税金に詳しい業者や、税理士と連携しやすい業者を簡単に探せます。完全無料で利用できますから、お気軽に試してみてください。\ 税金にも詳しい不動産業者が見つかる /不動産一括査定「イエウール」について詳しく見てみるあなたに おすすめの記事「イエウール」を利用するメリット・デメリット、評判・口コミ不動産売却で絶対にしてはいけないこと、必ずやるべきこと高く早く売れる不動産業者の選び方 2つポイントの不動産売却は大手と地元業者のどっちが有利?
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  • マイホーム売却の課税の特例
    居住用財産を売却したときの3000万円特別控除の特例
    居住用財産(自宅・マイホーム)を売却したときは、所有期間の長短に関係なく、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があり、不動産売却にかかる税金の負担を大きく軽減できます。多くの場合、課税譲渡所得がゼロとなり、税金がかからなくなります。この制度を「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といい、自宅・マイホームを売却したときは、たいてい適用できます。詳しく見ていきましょう。居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例とは?「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」は、居住用財産(自宅・マイホーム)を売却したときに、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例です。譲渡所得とは、売却したことにより得た利益(売却益)のことで、売却価額から取得費や譲渡費用を差し引いた金額です。適用要件は後で詳しく説明しますが、自分が住んでいる(または住んでいた)居住用財産を売却した場合は、たいてい適用できます。3,000万円の特別控除の内容不動産を売却したときにかかる譲渡所得税は、譲渡所得に所定の税率をかけて計算します(⇒譲渡所得税の計算について詳しくはこちら)。「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を利用できる場合は、譲渡所得から特別控除の額(最高3,000万円)を差し引いた金額が課税譲渡所得(課税対象の譲渡所得)となります。特別控除の額が最高3,000万円というのは、控除額が譲渡所得に応じて決まるからです。例えば、譲渡所得が4,000万円なら特別控除の額は上限の3,000万円、譲渡所得が1,000万円なら特別控除の額も1,000万円となります。譲渡所得税の計算式は、こうなります。譲渡所得税 =(譲渡所得-特別控除額)× 税率つまり、譲渡所得が3,000万円までなら、特別控除により課税譲渡所得がゼロとなり、税金はかかりません。譲渡所得が3,000万円を超える場合でも、3,000万円控除後の額が課税譲渡所得となるので、税負担は大きく軽減されます。取得費が不明の場合も大幅に節税できる譲渡所得は、売却価額から取得費(購入価額と購入に要した費用)や売却に要した諸費用(仲介手数料など)を控除した額です。取得費が分からない場合は、通常、概算取得費を用いるため、取得費として控除できるのは、売却価額の5%にすぎません。仲介手数料は売却価額の3~5%程度ですから、概算取得費と仲介手数料を控除しても、売却価額のおよそ90%が課税譲渡所得となり、税金がかかってしまいます。このとき、特別控除の特例を適用できれば、最高3,000万円まで控除できますから、取得費が不明でも、税金がゼロになったり大幅に軽減できたりするのです。他の特例との併用所有期間が10年超のマイホームの売却なら、軽減税率の特例との併用も可能です。3,000万円を超える譲渡所得があり、特別控除で控除しきれなかった場合でも、税負担はかなり軽減できます。特別控除の特例の適用を受けるための3つの要件3,000万円の特別控除の特例の適用を受けるための主な要件は、次の3つです。特例の適用要件自宅を売ること。親子や配偶者など親族への売却でないこと。売却した年の前年および前々年に、この特例の適用を受けていないこと。特別控除の金額が最大3,000万円と大きいのに、所有期間や居住期間の制限もなく、3つの要件さえ満たせばよいのです。マイホームの売却であれば、ほとんどのケースで適用できます。なお、3,000万円の特別控除の特例の適用には、確定申告が必要です。この特別控除により課税譲渡所得がゼロとなり、譲渡所得税を納める必要がない場合でも、確定申告をする必要があります。特例の適用を受ける際の5つの注意点居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例の適用を受ける際には、次の点に注意が必要です。居住用財産の売却であること。以前に住んでいた家屋を売る場合は適用に期限がある。建物を取り壊して敷地を売却する場合は二重に期限がある。売却した相手が親族など特殊関係者の場合は適用されない。併用できる特例・できない特例。それぞれ詳しく見ていきましょう。居住用財産の売却であること3,000万円の特別控除の特例の適用を受けられるのは、居住用財産を売却したときです。居住用財産とは、所有者自身が住んでいる(あるいは住んでいた)家屋とその敷地です。居住用財産といえるかどうかは、生活の拠点であったかどうか、本人と家族の日常生活の状況などから、総合的に判断されます。次のような家屋は、居住用財産と認められません。居住用財産と認められない家屋この特例を受けることを目的に入居した家屋マイホームを新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋など、一時的な目的で入居した家屋別荘など、おもに趣味や娯楽、保養のために所有する家屋以前に住んでいた家屋を売る場合以前に住んでいた家屋や敷地を売却する場合は、次の2つの要件を両方とも満たせば、3,000万円の特別控除の特例を適用できます。以前に住んでいた家屋を売却した場合の適用要件自分が所有者として住んでいた家屋であること。住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。以前に住んでいた家屋や敷地を売る場合、3,000万円の特別控除の特例の適用を受けるには、「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る」という売却期限がありますから注意してください。例えば、こういうことです。住まなくなった日が2020年1月2日だとすると、3年を経過するのは2023年1月1日ですから、2023年12月31日までに売れば、特別控除の適用が受けられることになります。住まなくなった日が2020年1月1日の場合は、3年を経過する日が2022年12月31日ですから、特別控除の特例の適用を受けられる売却期限は、2022年12月31日となります。家屋を取り壊して敷地を売却する場合家屋を取り壊して敷地のみ売却する場合は、次の2つの要件を両方とも満たせば、特別控除の特例の適用を受けることができます。家屋を取り壊して売却した場合の適用要件敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除の特例は、原則として「居住の用に供している建物」があることを前提としています。しかし、建物が古い場合など、買主から「建物は撤去して土地だけ売ってほしい」というような条件を付けられることがあります。もし「建物を取り壊して売却したら、特別控除の特例の適用を受けられない」というのでは、不動産取引の実態に合いません。そのため、建物を取り壊して土地のみを売却する場合も、例外的に特別控除の特例の適用が認められるようになっています。ただし、家屋を取り壊した日から1年以内に売買契約を締結し、敷地を貸駐車場など他の用に供していないことなどが、適用の要件となります。特例が適用されない特殊関係者とは?譲渡した相手が、次のような特別な関係者の場合は、3,000万円の特別控除の特例が適用されません。特例を適用できない特殊関係者配偶者、親、祖父母、子、孫などの直系血族生計を一にする親族内縁関係にある人特殊な関係にある個人・法人併用できる特例・併用できない特例「軽減税率の特例」は、3,000万円の特別控除の特例と併用できますが、「買換え特例」や「住宅ローン控除」は、併用できません。注意が必要なのは、住宅ローン控除です。自宅の買い換えで、古い自宅の売却に3,000万円の特別控除の特例を使うと、新しく購入する自宅に住宅ローン控除を適用できなくなります。古い自宅の売却で3,000万円の特別控除の特例を使って一時的に譲渡所得税を減らすか、新しい自宅の住宅ローン控除で10年間(居住の用に供した年により、控除期間・控除限度額が異なります)にわたって所得税控除を受けるか、いずれか有利な方を選択することになります。住宅ローン控除について詳しくはこちら(国税庁Webサイトにリンクしています)まとめ居住用財産(自宅・マイホーム)を売却したときは、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。所有期間や居住期間による制限はなく、自宅・マイホームの売却であれば、ほとんどのケースで特例の適用を受けられます。控除額が最大3,000万円と大きく、節税効果の高い制度です。なお、マイホームを売却して譲渡損失が生じた場合は損益通算や繰越控除の特例がありますから、そちらの適用を検討してみてください。居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(国税庁Webサイトにリンクしています)不動産売却では、いくらで売れるかは大切ですが、税金や諸費用を差し引いて、いくら手元に残るかが大事です。不動産業者に査定・売却を依頼するときには、税金のことにも詳しい不動産業者、税理士と連携しやすい不動産業者であれば安心です。税金にも詳しい不動産業者を探すには?不動産の査定・売却を依頼する不動産業者を探すときは、不動産一括査定『イエウール』を利用すると便利です。税金に詳しい業者や、税理士と連携しやすい業者を簡単に探せます。完全無料で利用できますから、お気軽に試してみてください。\ 税金にも詳しい不動産業者が見つかる /不動産一括査定「イエウール」について詳しく見てみるあなたに おすすめの記事「イエウール」を利用するメリット・デメリット、評判・口コミ不動産売却で絶対にしてはいけないこと、必ずやるべきこと高く早く売れる不動産業者の選び方 2つポイントの不動産売却は大手と地元業者のどっちが有利?関連共有名義の場合や建物と土地で名義が異なる場合の3,000万円の特別控除の特例の適用については、次のページをご覧ください。共有名義の居住用財産を売却したときの3,000万円の特別控除建物と土地の所有者が異なる居住用財産を売却したときの3,000万円の特別控除相続した空き家を売却しとき、一定の要件を満たせば、3,000万円の特別控除の特例の適用を受けられます。詳しくは、次のページをご覧ください。相続空き家を売却したときの3,000万円の特別控除の特例
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  • 住み替え
    特定居住用財産の買換え特例とは?知らないと損する2つの注意点
    居住していた自宅を売って、新しく買換えた場合、一定の要件を満たせば、「特定居住用財産の買換え特例」の適用を受けることができます。「買換え特例」とは、自宅を買い換えたとき、旧居の譲渡所得に対する課税を、買い換えた新居を将来売却するときまで繰り延べる制度です。買換え時に譲渡所得税を支払わなくてよいのがメリットですが、買換え特例の適用にあたっては、次の2つの点に注意してください。買換え特例を使う場合の2つの注意点買換え特例は課税の繰り延べにすぎず、将来の税負担が重くなる。買換え特例を適用して取得した自宅を短期間で売却すると損する。ここでは、買換え特例の内容、メリット・デメリット、適用要件、2つの注意点について、詳しく見ていきます。買換え特例の具体的な計算例はこちらをご覧ください。買換え特例は課税の繰り延べにすぎず、将来の税負担が重くなる「特定居住用財産の買換え特例」は、譲渡所得に対する課税を先送りするものであって、税金を軽減するものではありません。買換え特例の適用を受けると、自宅を買い換えたときには、譲渡所得税を支払わなくてもよいのですが、将来、買い換えたマイホームを売却したときに、その売却による譲渡所得と繰り延べしてきた譲渡所得とを合わせて、譲渡所得税が課税されます。つまり、買換え特例は、買い換え時には税金を納めなくてよいメリットがあるものの、将来の税負担が重くなるデメリットもあるのです。買換え特例の具体的な適用例で考えると…「特定居住用財産の買換え特例」について、具体例で考えてみましょう。なお、話を分かりやすくするため、取得費や譲渡費用、建物の減価償却費相当額(減価の額)等は考慮しません。事例①旧居を5,000万円で売却し、7,000万円の新居に買い換えました。旧居の取得費は1,000万円だったとします。その後、買い換えた新居を8.000万円で売却しました。1,000万円で購入したマイホームを5,000万円で売却し、7,000万円のマイホームに買い換えた場合、通常は、4,000万円(5,000万円ー1,000万円)の譲渡益が課税対象となります。「買換え特例」の適用を受けた場合、売却した年分で譲渡益への課税は行われず、買い換えたマイホームを将来譲渡したときまで譲渡益に対する課税が繰り延べられます。課税が将来に繰り延べられるということは、将来、買い換えたマイホームを8,000万円で売却したときに、売却価額8,000万円と購入価額7,000万円との差額1,000万円の譲渡益に対して課税されるのではなく、この譲渡益1,000万円の上に、買換え特例の適用を受けて課税が繰り延べられていた4,000万円の譲渡益(課税繰延べ益)を加えた5,000万円が、譲渡益として課税されるということです。このように、買換え特例を使うと、買換え時には譲渡益に対する課税はありませんが、課税を先送りした分、将来の税負担が重くなるのです。旧居の売却価格より新居の購入価格が安い場合の注意点「新居の購入価格」が「旧居の売却価格」より安いときは、買い換えた年にも税金が発生します。旧居の売却価額と新居の購入価額との差額が、売却益となるからです。例えば、旧居の売却価格が3,000万円、新居の購入価格が2,000万円だったとします。その差額1,000万円は売却による収入として手元に残りますから、その収入金額から売却に要した経費を控除した額が譲渡所得として課税対象となります。さらに、新居の購入資金に充てた売却益は、買換え特例により繰り延べされます。将来、新居を売却したとき、繰延益として譲渡所得に加算され、その分、譲渡所得税の額が大きくなります。買換え特例を使うと、どんな場合でも「買い換え時に税金を払わなくてもよい」わけではありません。買換え特例を適用するとよいケースとは?マイホームの買い換えには、この「買換え特例」か「3,000万円特別控除の特例」のいずれかを選択して適用できます。併用はできません。たいていは「3,000万円の特別控除」を使います。実質的に税金が軽減されるからです。「3,000万円特別控除」と「買換え特例」の違い・メリット・デメリット比較買換え特例を適用するとよいケースというのは、それほど多くありません。例えば、譲渡所得が高額で、3,000万円の特別控除や軽減税率の特例を適用しても税額が大きく、新居の購入資金の確保が難しくなる場合です。ただし、そういう場合でも、将来の売却時の税金を考えて判断することが大切です。仮に、買い換えたマイホームを売却するときに「3,000万円の特別控除の特例」を適用したとしても、多額の譲渡所得が繰延べされていますから、買換資産を売却したときに3,000万円特別控除を適用しても、控除しきれないことが多いのです。3,000万円の特別控除の特例は、「売った年の前年及び前々年にこの特例の適用を受けていないこと」「売った年、その前年及び前々年に買換え特例の適用を受けていないこと」が要件です。買換え特例を適用した自宅を短期間で売却すると損する「買換え特例」を適用して買い換えたマイホームは、買換え時に売却したマイホームの取得費は引き継ぎますが、取得日は引き継ぎません。買換え時が取得日となりますから、買い換えから5年以内に売却すると、短期譲渡所得となり、39%(所得税30%、住民税9%)の高い税率で課税されます。しかも、繰延べ益が加算された譲渡所得に高い税率で課税されることになります。長期譲渡所得の税率20%(所得税15%、住民税5%)を適用するには、所有期間5年を超えて売却することが必要で、さらに低い税率14%(所得税10%、住民税4%)の長期譲渡所得の軽減税率の特例の適用には、所有期間10年を超えて売却することが必要です。ですから、買換え特例の適用後、買い換えたマイホームを短期間で売却すると損します。買換え特例の適用要件「譲渡資産」(売却した旧居住用財産)と「買換資産」(買い換えた居住用財産)が次の要件に当てはまれば、買換え特例の適用を受けることができます。譲渡資産の要件買換え特例の適用には、譲渡資産が次のような要件を満たす必要があります。譲渡資産の要件自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。売った年、その前年および前々年にマイホームを譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例を除く)またはマイホームを売ったときの軽減税率の特例もしくはマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。売却代金が1億円以下であること。売った人の居住期間が10年以上で、かつ、売った年の1月1日において売った家屋やその敷地の所有期間が共に10年を超えるものであること。親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。マイホームを売ったときの他の特例(3,000万円の特別控除の特例、軽減税率の特例、譲渡損失が出た場合の特例)との併用はできません。売った年だけでなく、その前年および前々年にこれらの特例の適用を受けている場合も、買換え特例は使えません。相続空き家を売却したときの譲渡所得の3,000万円の特別控除の特例との併用は可能です。居住期間10年超は、通算です。例えば、途中で転勤のため居住していなかった期間があっても、通算で10年を超えれば認められます。所有期間10年超は、家屋と敷地ともに10年超です。例えば、敷地の所有期間が10年を超えていても、家屋の所有期間が10年以下では、認められません。買換資産の要件買換え特例の適用には、買換資産が次のような要件を満たす必要があります。買換資産の要件買い換える建物の床面積が50㎡以上のものであり、買い換える土地の面積が500㎡以下のものであること。マイホームを売った年の前年から翌年までの3年の間にマイホームを買い換えること。一定期限までに住むこと。買い換えるマイホームが、耐火建築物の中古住宅である場合には、取得の日以前25年以内に建築されたものであること、または一定の耐震基準を満たすものであること。買い換えるマイホームが、耐火建築物以外の中古住宅である場合には、取得の日以前25年以内に建築されたものであること、または、取得期限までに一定の耐震基準を満たすものであること。買換え特例の適用には、譲渡資産だけでなく買換資産についても一定の要件を満たす必要がありますから、ご注意ください。まとめマイホームを買い換えたときは、一定の要件を満たせば、買換え特例の適用を受けられます。自宅を売却して生じた売却益を将来に繰り延べできるので、買い換え時に税金がかかりません。ただし、買換え特例は、課税の先送りにすぎませんから、買い換えたマイホームを将来売ったときには、その分、税金が多くかかることになります。【参考】国税庁タックスアンサー特定のマイホームを買い換えたときの特例売った金額より少ない金額でマイホームを買い換えたとき居住用財産の買換えの特例を受けて買い換えた資産の取得価額とされる金額の計算※国税庁のWebサイトにリンクしています。不動産売却では、いくらで売れるかは大切ですが、税金や諸費用を差し引いて、いくら手元に残るかが大事です。不動産業者に査定・売却を依頼するときには、税金のことにも詳しい不動産業者、税理士と連携しやすい不動産業者であれば安心です。税金にも詳しい不動産業者を探すには?不動産の査定・売却を依頼する不動産業者を探すときは、不動産一括査定『イエウール』を利用すると便利です。税金に詳しい業者や、税理士と連携しやすい業者を簡単に探せます。完全無料で利用できますから、お気軽に試してみてください。\ 税金にも詳しい不動産業者が見つかる /不動産一括査定「イエウール」について詳しく見てみるあなたに おすすめの記事「イエウール」を利用するメリット・デメリット、評判・口コミ不動産売却で絶対にしてはいけないこと、必ずやるべきこと高く早く売れる不動産業者の選び方 2つポイントの不動産売却は大手と地元業者のどっちが有利?関連相続空き家を売却したときの3,000万円の特別控除の特例長期譲渡所得と短期譲渡所得の違い不動産を売却したときの譲渡所得の計算方法
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  • 買換え特例の具体的な適用例
    特定居住用財産の買換え特例の具体的な適用例と計算方法
    「特定居住用財産の買換え特例」の具体的な適用例を見てみましょう。2つのケースを考えます。1つは、売却した旧居住用財産(これを「譲渡資産」といいます)の譲渡価額より、買い換えた新しい居住用財産(これを「買換資産」といいます)の購入価額が高い場合、もう1つは、その逆に、譲渡資産の譲渡価額より買換資産の購入価額が安い場合です。分かりやすくするため、建物の減価の額、譲渡費用(仲介手数料など売却に要する費用)は、計算にいれません。なお、買換え特例の内容や適用要件についてはこちらをご覧ください。「譲渡資産の譲渡価額」≦「買換資産の購入価額」の場合まず、「譲渡資産の譲渡価額」より「買換資産の購入価額」が高い場合、あるいは同額の場合です。この場合は、譲渡資産の売却代金を全額、買換資産の購入に充てることになりますから、手元に残る譲渡益(譲渡所得)はありません。買換え特例を適用すると、譲渡益を全額繰り延べできるので、買換え時に譲渡所得税は発生しません。次のような事例で、具体的に考えてみましょう。買換え特例の適用事例①旧居を5,000万円で売却し、7.000万円の新居に買い換えました。旧居の取得費は1,000万円だったとします。その後、買い換えた新居を8,000万円で売却しました。※図はイメージです。買換え時には、譲渡所得税がかからない買換え時に、譲渡資産の売却代金5,000万円は全額、買換資産の購入に充当します。買換え特例を適用すると、譲渡資産の売却益4,000万円(売却額5,000万円ー取得費1,000万円)に対する課税は、将来、買換資産を売却するときまで繰り延べできるので、買換え時には譲渡所得税がかかりません。売却益が非課税となるわけではなく、売却益に対する課税が、将来に先送りされるだけです。将来、買換資産を売却するときの取得価額の計算方法買換え特例の適用を受けた場合は、譲渡資産の譲渡益に対する課税が将来に繰り延べられるため、買換資産に、譲渡資産の取得価額(取得費)が引き継がれます。したがって、将来、この買換資産を譲渡した場合における譲渡所得の計算上の取得価額は、その買換資産の実際の購入価額ではなく、譲渡資産から引き継がれた取得価額となります。引き継ぐ取得価額は、次のように計算します。「譲渡資産の売却額」≦「買換資産の購入額」の場合引き継ぐ取得価額 =(譲渡資産の取得価額+譲渡費用)+(買換資産の購入額ー譲渡資産の売却額)適用事例①のケースで、具体的に見ていきましょう。譲渡資産の売却額:5,000万円譲渡費用:考慮しないので「0円」とします譲渡資産の取得価額:1,000万円(土地および減価償却後の建物価格の合計)買換資産の購入額:7,000万円(土地4,200万円、建物2,800万円)引き継ぐ取得価額 =(1,000万円+0円)+(7,000万円ー5,000万円)= 3,000万円引き継ぐ取得価額の土地と建物への配分(土地)3,000万円 × 4,200万円 / 7,000万円 = 1,800万円(建物)3,000万円 × 2,800万円 / 7,000万円 = 1,200万円したがって、将来、買換資産を売却した場合の取得価額は、実際の購入額ではなく、土地については1,800万円、建物については1,200万円から売却時までの償却費相当額を控除した後の価額となります。「譲渡資産の譲渡価額」>「買換資産の購入価額」の場合次に、「譲渡資産の譲渡価額」より「買換資産の購入価額」が安い場合です。譲渡資産の売却金額より買換資産の購入金額が安いので、その差額が、譲渡資産を売却したことによる譲渡収入となります。この収入金額から必要経費を差し引いて譲渡所得を計算します。計算方法はこうです。収入金額 = 譲渡資産の売却価額 ー 買換資産の購入価額必要経費 =(譲渡資産の取得費 + 譲渡費用)×(収入金額 / 売却価額)譲渡所得 = 収入金額 ー 必要経費②の必要経費の計算について、補足説明しておきます。譲渡収入は、譲渡資産の売却価額そのものではなく、その売却価額と買換資産の購入価額との差額ですから、課税対象から除外する必要経費も、譲渡収入と同じ割合(売却価額に対する実際の収入額の割合)で計算するのです。こうして計算した譲渡所得に対し、譲渡所得税が課税されます。なお、この場合の譲渡所得は、買換え特例の適用要件(譲渡資産は、居住期間・所有期間とも10年以上という要件)により長期譲渡所得となりますが、3,000万円の特別控除の特例や軽減税率の特例と併用することはできません。次のような事例で考えてみましょう。買換え特例の適用事例②旧居を5,000万円で売却し、4.000万円の新居に買い換えました。旧居の取得費は1,000万円だったとします。その後、買い換えた新居を6,000万円で売却しました。※図はイメージです。買換え時に、一部譲渡所得税がかかるまず、収入金額です。譲渡資産を5,000万円で売却し、4,000万円で買換資産を購入しているので、収入金額は、収入金額 = 譲渡資産の売却価額 ー 買換資産の購入価額     = 5,000万円 ー 4,000万円     = 1,000万円次に、必要経費です。譲渡資産の取得費が1,000万円、収入金額が1,000万円、売却価額が5,000万円ですから、必要経費は、必要経費 =(譲渡資産の取得費 + 譲渡費用)×(収入金額 / 売却価額)     =(1,000万円 + 0円)×(1,000万円 / 5,000万円)     = 200万円※譲渡費用は考慮しないので「0円」とします。よって、譲渡所得は、譲渡所得 = 収入金額 ー 必要経費     = 1,000万円 ー 200万円     = 800万円この譲渡所得800万円に対して、譲渡所得税がかかります。将来、買換資産を売却するときの取得価額の計算方法買換資産を、将来、譲渡した場合における譲渡所得の計算上の取得価額は、譲渡資産から引き継がれた取得価額です。引き継ぐ取得価額は、次のように計算します。「譲渡資産の売却額」>「買換資産の購入額」の場合引き継ぐ取得価額 =(譲渡資産の取得価額+譲渡費用)× 買換資産の購入額 / 譲渡資産の売却額適用事例②のケースで、具体的に見ていきましょう。譲渡資産の売却額:5,000万円譲渡費用:考慮しないので「0円」とします譲渡資産の取得価額:1,000万円(土地および減価償却後の建物価格の合計)買換資産の購入額:4,000万円(土地2,500万円、建物1,500万円)引き継ぐ取得価額 =(1,000万円+0円)× 4,000万円 / 5,000万円 = 800万円引き継ぐ取得価額の土地と建物への配分(土地)800万円 × 2,500万円 / 4,000万円 = 500万円(建物)800万円 × 1,500万円 / 4,000万円 = 300万円したがって、将来、買換資産を売却した場合の取得価額は、実際の購入額ではなく、土地については500万円、建物については300万円から売却時までの償却費相当額を控除した後の価額となります。まとめ「譲渡資産の譲渡価額」≦「買換資産の購入価額」の場合、買換え特例を利用すれば、買換え時には課税されません。譲渡資産を売却したことによる譲渡所得に対する課税は、将来、買換資産を売却するときまで繰り延べされます。非課税となるわけではありません。「譲渡資産の譲渡価額」>「買換資産の購入価額」の場合、買換え特例を利用すれば、その差額につき長期譲渡所得として譲渡所得税が課税され、差額以外の譲渡所得に対する課税は、将来、買換資産を売却するときまで繰り延べされます。つまり、買換え特例は、買い換えてもなお譲渡益が残る場合、すなわち、譲渡所得の譲渡価格より買換資産の購入価格が安い場合には、買換え時にその譲渡益(譲渡所得)に対して課税されますが、それ以外の買換資産の購入資金に充当された譲渡益に対する課税は、買換資産を将来売却するときまで先送りされる仕組みです。【参考】国税庁タックスアンサー特定のマイホームを買い換えたときの特例売った金額より少ない金額でマイホームを買い換えたとき居住用財産の買換えの特例を受けて買い換えた資産の取得価額とされる金額の計算※国税庁のWebサイトにリンクしています。不動産売却では、いくらで売れるかは大切ですが、税金や諸費用を差し引いて、いくら手元に残るかが大事です。不動産業者に査定・売却を依頼するときには、税金のことにも詳しい不動産業者、税理士と連携しやすい不動産業者であれば安心です。税金にも詳しい不動産業者を探すには?不動産の査定・売却を依頼する不動産業者を探すときは、不動産一括査定『イエウール』を利用すると便利です。税金に詳しい業者や、税理士と連携しやすい業者を簡単に探せます。完全無料で利用できますから、お気軽に試してみてください。\ 税金にも詳しい不動産業者が見つかる /不動産一括査定「イエウール」について詳しく見てみるあなたに おすすめの記事「イエウール」を利用するメリット・デメリット、評判・口コミ不動産売却で絶対にしてはいけないこと、必ずやるべきこと高く早く売れる不動産業者の選び方 2つポイントの不動産売却は大手と地元業者のどっちが有利?関連長期譲渡所得と短期譲渡所得の違い不動産を売却したときの譲渡所得の計算方法不動産を売却したときの譲渡所得税・住民税の計算方法と税率特定居住用財産の買換え特例とは?知らないと損する2つの注意点
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  • 相続空き家の売却も3000万円特別控除
    相続空き家を売却したときの譲渡所得の3000万円特別控除の特例
    実家を相続したものの誰も住まずに空き家になっているなら、早めに売却することを検討した方がよさそうです。今なら、要件を満たせば、相続空き家を売却したとき、譲渡所得から最高3,000万円まで特別に控除できる特例があります。空き家対策の特例措置ですので、期限があります。これを「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。詳しく見ていきましょう。特例の適用を受けられる家屋・売却方法・期限「相続空き家を売却したときの特別控除の特例」は、「マイホームを売却したときの特別控除の特例」と同様に、譲渡所得から最高3,000万円まで特別に控除できる制度です。ただし、マイホームを売却したときの特例と違って、対象となる家屋や売却の方法について細かな条件があります。しかも、期限が設けられた特例制度ですから、特例を利用するなら早めの検討が必要です。細かな適用要件については後から見ますが、この特例を利用する上で特に大事な点を3つ挙げておきます。適用対象となる家屋・売却方法・期限1981年5月31日以前に建築された家屋であること。耐震改修して売るか、解体して更地で売ること。2023年12月31日までに売却すること。1981年5月31日以前に建築された家屋とは、旧耐震基準の建物のことです。区分所有建物(マンション)については、この特例の対象外です。つまり、この特例は、「危険な空き家を減らすことに協力すれば税金をまけますよ。ただし、期限があるので急いでくださいね。」というものなのです。この特例の趣旨は、国土交通省の説明を見ればよくわかります。そもそもこの特例は、「空き家の発生を抑制するための特例措置」という位置づけです。制度の概要について、こう説明しています。制度の概要被相続人の居住の用に供していた家屋及びその敷地等を相続した相続人が、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、当該家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む)又は取壊し後の土地を譲渡した場合には、当該家屋又は土地の譲渡所得から3,000万円を特別控除します。耐震性のある家屋なら、そのまま売っても特例の適用対象となりますが、耐震性がない場合には、耐震リフォームをして売るか、取り壊して更地にして売るか、いずれかの売却方法でなければ特例を適用できないので、ご注意ください。さらに詳しくは、国土交通省のWebサイトをご覧ください。国土交通省:空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)耐震リフォームをして売る? 更地にして売る?相続した実家が耐震基準を満たしていない場合に、この特例を適用するには、耐震リフォームをして売るか、取り壊して更地にして売るか、どちらかでなければいけません。どちらを選択するのが、賢い選択なのでしょうか?そもそも1981年以前に建築された家屋が対象ですから、建物の築年数は40年を超えます。築40年を超える木造一戸建ての建物は、特別の価値がない限り「ゼロ査定」です。たいていは、土地代だけでの取り引きとなります。建物の解体費用をマイナス要素とされることもあります。すでに耐震リフォーム済であれば、家屋を残して売ることもできますが、わざわざ耐震リフォームをして売るのは現実的ではありません。耐震リフォームには相当なコストがかかります。そのリフォーム費用全額を販売価格に転嫁して売ることはできないからです。したがって、建物を取り壊して更地にして売却するケースが大半でしょう。なお、建物を解体して土地だけを売却するとしても、建物を取り壊すのは買手が決まってからでも遅くはありません。建物を撤去してしまうと、固定資産税の住宅用地特例の適用を受けられなくなり、税負担が重くなってしまうからです。空き家の解体や耐震リフォームに、国や自治体の補助金を受けられる場合があります。実家のある市町村に確認してみるとよいでしょう。地元の不動産業者に査定を依頼して聞いてみる方法もあります。特別控除の特例の適用要件相続空き家を売却したときに3,000万円の特別控除の特例の適用を受けられるのは、次の条件をすべて満たす場合です。売却する家屋そのものについての要件と、売却についての要件があります。これらの要件を全て満たす必要があります。特例の適用対象となる家屋相続または遺贈により取得した次の要件を満たす居住用家屋が対象となります。特例の適用対象となる家屋の要件1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であること。区分所有建築物でないこと。相続開始の直前において被相続人以外に居住していた人がいなかったこと。つまり、旧耐震基準で建てられた家屋で、分譲マンションは適用対象外、相続開始の直前まで被相続人が一人で暮らしていた家屋が適用対象となります。親が老人ホーム等に入所して空き家になっていた場合「相続開始の直前まで、被相続人が居住の用に供していた家屋」が要件となっているため、当初は、一人暮らしの被相続人が老人ホームに入所するなどして空き家になっていた場合には、この特例を適用できませんでした。2019年度の税制改正大綱(2018年12月21日閣議決定)において、老人ホーム等に入所していた場合、一定の要件を満たせば、「相続の開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていたものとして本特例を適用する」と適用要件が緩和されました。平成31年度税制改正の大綱(平成30年12月21日閣議決定)空き家に係る譲渡所得の 3,000 万円特別控除の特例について、老人ホーム等に入所をしたことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋及びその家屋の敷地の用に供されていた土地等は、次に掲げる要件その他一定の要件を満たす場合に限り、相続の開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていたものとして本特例を適用するほか所要の整備を行った上、その適用期限を4年延長する。被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続の開始の直前まで老人ホーム等に入所をしていたこと。被相続人が老人ホーム等に入所をした時から相続の開始の直前まで、その家屋について、その者による一定の使用がなされ、かつ、事業の用、貸付けの用又はその者以外の者の居住の用に供されていたことがないこと。(注)上記の改正は、平成 31 年4月1日以後に行う被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の譲渡について適用する。 さらに詳しくは、国税庁のWebサイトをご覧ください。国税庁タックスアンサー:「被相続人が老人ホーム等に入所していた場合の被相続人居住用家屋」特例の適用対象となる譲渡上の条件を満たす家屋とその敷地を、次のような条件で譲渡した場合に、特別控除の特例が適用されます。特例の適用対象となる譲渡の要件相続の時から譲渡の時まで、居住、貸付、事業に使われていないこと。耐震改修を行い新耐震基準に適合する建物として売るか、家屋を取り壊して土地だけ売ること。相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。売却代金が1億円以下であること。売却した家屋や敷地について、相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例など他の特例の適用を受けていないこと。親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。被相続人が死亡したことで空き家になり、相続したときから譲渡するときまで空き家のままであることが条件です。耐震リフォームをして売るか、建物を取り壊して更地にして売るか、という条件は、先に説明した通りです。家屋を売却する場合には、耐震基準に適合するものであることが必要です。特例の適用を受けるには、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要があります。「3年を経過する日の属する年の12月31日」の考え方について、具体的に見ておきましょう。「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」とは?例えば、2020年1月2日が相続開始日だとすると、3年を経過するのは2023年1月1日です。この場合は、2023年12月31日までに売却すれば、特例を適用できます。相続開始日が2020年1月1日だと、3年を経過するのは2022年12月31日です。「3年を経過する日の属する年の12月31日」は、同じ2022年12月31日ですから、この日までに売却しないと、特例の適用を受けられません。ひとくちに「相続して3年」といっても、相続開始日によって特例の適用を受けられる期間が異なります。「気がついたら特例を受けられる期限を過ぎていた」とならないよう、注意が必要です。特例の適用要件についてさらに詳しくは、国税庁のWebサイトをご覧ください。国税庁タックスアンサー:「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」相続空き家の譲渡所得・譲渡所得税の計算例相続空き家を取り壊して土地を売却する場合、譲渡所得税の計算がどうなるか、具体的な計算例をご紹介します。事例1980年に建てた実家を相続し、建物を取り壊して土地を500万円で売却したケースを考えます。取得費不明なため、概算取得費(譲渡価額の5%相当額)を用い、譲渡費用は建物の撤去費用等で200万円かかったとします。譲渡所得、譲渡所得税の計算式は、次のようになります。長期譲渡所得となりますから、譲渡所得にかかる税金の税率は、所得税・住民税を合わせて20%です。譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 特別控除譲渡所得税 = 譲渡所得 × 20%実際に計算してみましょう。特別控除の特例の適用がない場合、譲渡所得は、500万円-500万円×5%-200万円=275万円したがって、譲渡所得税は、55万円(275万円×20%)となります。特別控除の特例を適用できる場合は、譲渡所得から最高3,000万円を控除できますから、譲渡所得は0円となり、譲渡所得税もゼロです。譲渡所得・譲渡所得税の計算方法譲渡所得や譲渡所得税の計算方法について、詳しくはこちらをご覧ください。譲渡所得の計算方法譲渡所得税の税率と計算方法取得費不明のときに譲渡所得の計算で取得費を控除する方法まとめ相続した空き家を売却したとき、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除することができます。ただし、耐震性のない家屋の場合には、耐震リフォームをして売るか、家屋を除却して売るかでなければ、特例の適用を受けられません。また、この特例制度には期限がありますから、相続した空き家を売却するなら、早めに検討することをおすすめします。もっとも、相続空き家を売却して譲渡所得が発生する場合の話ですから、譲渡所得が生じない場合は、この特例を考慮して売却を考える必要はありません。建物を取り壊さず売却する方が売れやすい場合もあります。譲渡所得が発生しそうか、特例の適用を受けられそうか、耐震リフォームや建物の撤去に補助金を受けられるか等、地元の不動産業者に査定を依頼し、相談してみるとよいでしょう。不動産業者に査定・売却を依頼するときには、税金のことにも詳しい不動産業者、税理士と連携しやすい不動産業者であれば安心です。税金にも詳しい不動産業者を探すには?不動産の査定・売却を依頼する不動産業者を探すときは、不動産一括査定『イエウール』を利用すると便利です。税金に詳しい業者や、税理士と連携しやすい業者を簡単に探せます。完全無料で利用できますから、お気軽に試してみてください。\ 税金にも詳しい不動産業者が見つかる /不動産一括査定「イエウール」について詳しく見てみるあなたに おすすめの記事「イエウール」を利用するメリット・デメリット、評判・口コミ相続した田舎の築40年以上の古い実家・空き家を売却するコツ5年間売れなかった築50年の相続空き家を売却できた理由とは?親が老人ホームや介護施設に入所し空き家になった実家を売却するとき関連相続した実家(空き家)を売るか貸すか、後悔しない判断の仕方空き家の維持管理費はどれくらいかかる?
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  • 建物解体のタイミング
    空き家を解体し更地で売却するとき建物撤去のタイミングは?
     屋を解体し、更地にすると、固定資産税や都市計画税の住宅用地特例の適用を受けられなくなり、土地の固定資産税や都市計画税が一気に跳ね上がります。税負担が重くなるばかりか、値引き交渉の材料に使われることがありますから、注意が必要です。ここでは、空き家を解体し、更地にして土地を売る場合の注意点について、お伝えします。  更地にして年を越すと税金が高くなる建物を取り壊して更地にすると、建物にかかる税金はなくなりますが、土地に住宅用地特例が適用されなくなり、固定資産税が最大6倍、都市計画税が最大3倍に急増します。空き家になっているような家屋であれば、築年数が相当古いでしょうから、建物の市場価値はほとんどなく、建物の固定資産税はそれほど高くありません。なので、建物の固定資産税がなくなることより、土地の住宅用地特例がなくなって固定資産税が上がることの方が、税負担が重くなるのです。都市計画税についても同じです。重要なのは、1月1日時点の状況で、固定資産税や都市計画税が課税されるということです。1月1日時点で建物が建っていれば、住宅用地特例が適用されて課税標準額が減額されますが、1月1日時点で更地になっていたら、住宅用地特例が適用されず、税額が前年に比べて一気に跳ね上がります。急いで建物を取り壊して、更地で年を越すと、それまで住宅用地特例が適用され、引き下げられていた固定資産税や都市計画税が急増します。更地で年を越さないように、家屋を取り壊すタイミングを計ることが大事です。住宅用地特例について詳しくはこちら固定資産税が高い分、値引き交渉の材料に使われる固定資産税や都市計画税は、1月1日時点の所有者に納税義務がありますから、売主に納税義務があります。住宅用地特例が適用されず、固定資産税や都市計画税が高くなるということは、売主の税負担が重くなるということです。問題は、売主の税負担が重くなるだけではありません。固定資産税や都市計画税が高くなることは、不動産売却にも影響するのです。土地・建物を年の途中で売却して所有権が移転しても。固定資産税や都市計画税は還付されません。その年の分は、1月1日の時点で所有していた売主に支払義務があります。そのため、土地・建物を売買するとき、固定資産税や都市計画税は、引渡しの時期に応じ、売主と買主の間で按分して清算するのが慣例です。買主は、購入代金とともに固定資産税・都市計画税の清算金を売主に支払います。清算金が高くなると、それだけ売れにくくなる可能性があります。あるいは、清算金が通常よりも高すぎると、値引き交渉の材料に使われることがあります。いずれにしても、固定資産税や都市計画税の清算金が高くなるということは、不動産売却でマイナス要因となるのです。売主にとっては、税負担は重くなるし、不動産売却においてもマイナスでしかありません。まさにダブルパンチです。空き家を解体して更地で土地を売るときの大事なポイント空き家を解体・撤去し、更地にして土地を売却しなければならない場合は、家屋の取り壊しのタイミングを年明けにずらして売ると、1月1日時点では家屋が建っているので、住宅用地特例が適用されます。ただし、この方法は、売り出すのを年明けまで待たなければなりません。1ヵ月程度ならまだしも、何ヵ月も待つことはできません。しかも、年明けは、売却物件が多く出ますから、競合物件が出て、価格競争になることもあります。ですから、次の方法をおすすめします。更地にして引き渡すことを条件に売り出し、買い手が見つかってから建物を除却する方法です。そうすることで、固定資産税・都市計画税が跳ね上がることを回避でき、年明けまで待つ必要もありません。しかも、買主にとって不要な建物を解体・撤去して更地で引き渡す約束ですから、買主が得した気分になるため、売主としては交渉がしやすいメリットもあるのです。まとめ固定資産税や都市計画税は、1月1日時点の状態に応じて課税されますから、家屋を取り壊して更地の状態で年を超すと、住宅用地特例が適用されず、固定資産税や都市計画税が一気に跳ね上がります。建物を取り壊して更地で土地だけを売却するときは、更地で年を越さないように、建物を解体撤去する時期・タイミングに注意が必要です。家屋を解体して土地を更地で売却するときは、更地にして引き渡すことを条件に売り出し、買い手が見つかってから解体撤去するのが基本です。相続した実家の地元の不動産業者を探すには?相続した空き家の売却をお考えのときは、不動産一括査定『イエウール』をおすすめします。相続した実家のある地元の不動産業者に査定を依頼でき、一番高く早く売れる不動産会社を簡単に探すことができます。売り出し方や、税金のことも相談できます。利用は完全無料です。お気軽に試してみてください。\ 実家の地元の不動産業者を探せる /不動産一括査定「イエウール」について詳しく見てみるあなたに おすすめの記事「イエウール」を利用するメリット・デメリット、評判・口コミ不動産売却で絶対にしてはいけないこと、必ずやるべきこと高く早く売れる不動産業者の選び方 2つポイントの相続した田舎の築40年以上の古い実家・空き家を売却するコツ5年間売れなかった築50年の相続空き家を売却できた理由とは?関連相続した実家(空き家)を売るか貸すか、後悔しない判断の仕方空き家の維持管理費はどれくらいかかる?
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